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永田町が、いよいよ解散総選挙に向かって動き出した。
突然の解散に、「なぜ今」という時期と大義名分のなさに、国民からも驚きと批判が噴出している。
だが、そもそも「伝家の宝刀」は首相の手中にあり、何よりも勝利が最優先されるのだから、抜くのは勝ちが確信できるとき、ということになるだろう。逆に自ら負ける戦争を仕掛ける方がおかしい。安倍首相は再登板までして「国防軍」の設置実現のために首相の座に就いた。「思いを遂げる前に躓くわけにはいかない」という思いは、並大抵ではない。
294議席の自民、31議席の公明に、勝算はあるのか
そんな強引な解散総選挙だが、それでは自民党に勝算があるのだろうか。
安倍首相は、公明党の了解を取り付けるために、独自の世論調査を山口那津男代表に示したという。11月7日のことだ。「今なら勝てる」ということだったらしいが、与党として独自の政策を反映したい公明党も、負ける選挙は困る。しかも、来年の統一地方選挙の前後は党の思惑で避けたい都合もある。
では、本当に勝てるのか。与党から見てみよう。
まず仕掛ける側の自民党だが、先週会った中堅議員が「50議席は減らない」と自信を見せた。議席を減らすのに自信を持つのもおかしいが、減るのは覚悟のうえでの選挙なのだ。
しかし、現在294議席を有するが、どんなに減っても過半数は確保できるということを示唆している。すでに2年前の「ご祝儀議員」が落選するのは、織り込み済みのようだ。つまり、「勝てる」というより「負けが少なく抑えられる」というのが、正しい言い方だ。
公明党は、先の世論調査の情報で、現有31議席が現状維持できることを確認して解散を了承したという。低投票率が想定される中、組織票が見込める政党だけに、不安な声は聞こえてこない。
対する野党側はどうか。民主党は現時点での公認候補が約134名。295ある小選挙区で約半数の148区は独自候補で埋めたいと候補者探しを急ぐが、支持率が上がらない中、落選議員の擁立にも手こずっている状態だ。
民主党はどうなる?橋下大阪市長の出馬は?
それでも、現有の55議席から1議席でも増えることで、最低を脱し反転攻勢をアピールできると、党幹部に慌てた様子はみえない。松島みどり法務大臣を辞任に追い込んだ蓮舫参議院議員の鞍替えも検討されており、少しでもいい形での選挙戦を望む。
だが、それ以外に大きなアピールの材料もなく、「大義なき選挙」を叫び、自民党批判に終始するつもりにしか思えない。安倍首相が消費税の引き上げを見送れば、アベノミクスが失敗したからと攻撃するしかない。
前回、「橋下新党」への期待から、54議席を獲得した維新の党は、分裂、合併を経て、現在42議席に。約8割が新人で、組織もなく足元はおぼつかない。頼りは党の顔である橋下徹大阪市長だが、大阪都構想などこれまで打ち上げた政策はあまたあれど、国民に大きくアピールできる実績もなく、現状を維持するのは困難な状況だ。
そこで出てきたのが、橋下氏自身の出馬。これまでセットで行動してきた松井一郎大阪知事とダブル立候補の可能性を模索する。だが、今年初め、出直し市長選まで行ってこだわった都構想を放り出す批判も考えられ、踏み切るかどうか。大きな焦点の一つだ。
他に次世代の党(19名)、みんなの党(8名)、日本共産党(8名)、生活の党(7名)、社民党(2名)と続くが、得票が一定数見込める日本共産党は、低投票率が予想されるだけに、議席が増えることが予想される。
みんなの党は、浅尾慶一郎代表と渡辺喜美前代表の路線の違いで分裂選挙が決定的で、浅尾組は民主党との合流を前提の選挙戦に突入しそうだ。自民党との歩調を合わせていきたい渡辺組は、選挙後に5人規模の新党結党に発展するとも予想される。
続く
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