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「アベノミクス」の円安誘導策が中小企業を次々と破綻に追い込んでいる。
帝国データバンクの調査によると、10月の円安関連倒産は39件に達し、
現政権の発足以降で月間最多を記録。14年の累計も259件に上り、
前年同期比で2.8倍の大幅増となった。終わりの見えない「超円安」時代に突入し、企業の倒産件数は今後も跳ね上がるのは確実だ―。
「(中国からの)原料費が毎月5%、10%……とどんどん上がる。これじゃあ、とてもやっていけません」
繊維染色・加工の「アサヒ染工場」(香川県東かがわ市)の竹村悦郎社長はため息交じりにこう漏らす。
創業は1971年、地場産業の手袋用毛糸の染色からスタートした。衣料品、ニットの染色加工と事業を拡大し、
順調に業績を伸ばしてきたが、最近の円安が経営を直撃。10月下旬、約3億円の負債を抱えて高松地裁に破産を申請した。
「扱っていた衣料品は量販店向けが大半です。原料値上がり分を製品に転嫁すれば、
たちまちメーカーは価格の安い東南アジアなどの別の業者を探すでしょう。市場全体が縮小傾向にある中、
とても(転嫁は)できません。それに(製造機器を動かす)重油の値上がりもすごい。もはや中小企業には耐えられません」(竹村社長)
婦人バッグ輸入卸の「フカイ」(東京都足立区)も10月初旬、約8億円の負債を抱えて「円安倒産」に追い込まれた。
中国にある6カ所の協力工場で女性向けファッションバッグを生産していたが、輸入コストが急激に悪化したのだ。
「ただでさえ中国の人件費が上がり続け、経営環境は厳しかった。そこに円安が追い打ちをかけたのです。
輸入コストは円安前と比べて3、4割も上昇しました」(経済ジャーナリスト)
帝国データバンクのまとめだと、この秋、円安加速が引き金となった破綻企業は、
輸送機器の「チヨダ・エスケーケー」(大阪府東大阪市、負債額18億円)、麺類製造の「関西ヌードル」(同泉佐野市、負債額10億円)など、挙げればキリがない。
みずほ銀行産業調査部の推計によると、安倍「応援団」の上場企業は、
10円の円安で2兆円の増益となるが、下請けの中小企業は約1兆3000億円の減益になるという。
中小企業は、1ドル80円台だった12年後半と比べ、たった2年で総額約4兆円の利益を失ったことになる。
早期解散に向け、安倍周辺は「アベノミクスの成否を問う」とイキがっているが、やれるものなら、やってみろ。
国内企業の99.7%を占める中小企業の経営はどんどん悪化しているのだ。
「今年3月期決算で約4割の中小企業が減益となりました。つまり、すでに収益力が悪化しているのです。
中小企業が耐え得る為替相場は1ドル100円ぐらいで、115円は明らかに行き過ぎです。
今の円安水準は今後の中小企業の破綻に拍車をかけることになります」(東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏)
解散・総選挙なんて、やっている場合なのか。
URLリンク(www.nikkan-gendai.com)
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