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三回目の当選を目指す仲井真氏は「自分の代で普天間問題を解決する」と意気込む。菅義偉官房長官が「知事の埋め立て承認を
得たので工事を淡々と進める」と語るように、政府は承認=ゴーサインと受け止め、今年7月に辺野古移設に向けた海上での調査や
工事に着手した。後戻りできない状況を作り上げている。
前回選挙で仲井真氏は「県外移設」を掲げ、普天間問題を争点から遠ざけた。県議会の野党会派などは、県内移設につながる
埋め立て承認は「公約違反だ」と詰め寄った。仲井真氏は「辺野古(県内)移設に反対したことは一度もない。普天間の危険性除去が
最大の目的で、県外移設は方法の一つだった」と反論した。
埋め立てを承認する直前、安倍晋三首相に「普天間の5年以内の運用停止」を要求し、首相は「できることはすべてやる」と答えた。
辺野古移設には早くても9.5年かかるとされる。安倍政権のリーダーシップで5年以内の運用停止を実現すれば、辺野古移設が完了
する前に、普天間の危険性を除去できるという考え方だ。
安倍首相とは基地負担の軽減だけではなく、沖縄振興予算の確保でも約束を交わした。選挙応援に入った菅官房長官は映画の
テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」の沖縄への誘致活動を、政府として支援する考えを表明した。沖縄本島を縦断する鉄軌道の
導入にも理解を示す。政府・自民党を挙げて、辺野古移設を前に進めた仲井真氏に謝意を込め、二人三脚をアピールしている。
■「腹八分、腹六分でも一つにまとまる」と翁長氏
報道各社の世論調査で、仲井真氏に先行するのが、前那覇市長の翁長氏だ。辺野古移設という手法に反対している。
沖縄戦で捨て石のように扱われ、戦後70年となる今も国土面積の0.6%にすぎない沖縄に、全国の米軍専用施設面積の74%が集中
しているのは異常事態だ。辺野古の施設が完成すれば、耐用年数200年と言われており、この先、子や孫、ひ孫まで基地問題に苦しむ
ことになる選択はできない。そんな主張だ。
自民党県連の幹事長を務め、保守本流を歩んできた。辺野古移設を推進してきた当事者なのに無責任だ、といった批判もあるが、
「基地をはさんで保革で争っても沖縄のパワーがそがれるだけだ。県民がひとつにならなければ、解決できない」と保革の枠を超えた
結集を呼び掛ける。
この4年間、言葉を行動に移してきた。事故の多さを指摘されるオスプレイの普天間飛行場配備に反対する県民大会で共同代表に就き、
普天間のゲート前で抗議のシュプレヒコールを繰り返した。昨年1月には首相官邸で安倍首相と面談し、オスプレイ配備撤回、普天間
飛行場の閉鎖・撤去と県内移設断念を求める「建白書」を手渡した。
日米安保体制や自衛隊を容認する立場には変わりない。ただ、日本の安全保障は、日本全体で負担すべきで、これ以上の押し付けは
沖縄にとって限界である。そう思い、埋め立て承認した仲井真氏とたもとを分かつことを決意した。
安保の立ち位置が異なる共産、社民の支持を受けることに翁長氏は「腹八分、腹六分でも一つにまとまる」と辺野古移設反対の重みを
強調する。革新側も保守の親分だった翁長氏との共闘は背水の陣だ。共産は「腹1分でも翁長氏を支える」と、辺野古以外では腹ぺこ
状態を覚悟している。
■ともに訴える本土での基地負担の受け入れ
仲井真氏も、翁長氏も、ともに訴えるのは、沖縄以外の本土での基地負担の受け入れだ。
仲井真氏の求める普天間の5年以内の運用停止は、普天間の機能を沖縄県外のどこかに暫定移転しなければ、成立しない。
仲井真氏が勝っても、5年以内の運用停止には米国が難色を示しており、日本政府は難しい交渉を迫られる。実現しなければ県民の
8割近くが反対する辺野古移設だけが進み、普天間の危険性はそのまま、という沖縄にとって最悪の事態に陥り、県民の怒りは噴出する
かもしれない。
(さらに続きます)