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小林よしのり コラム
●「皇后陛下のお言葉がすごすぎる!、皇后陛下、お言葉に込められたご真意」
皇后陛下は10月20日に80歳、傘寿のお誕生日を迎えられた。
お誕生日には毎年、宮内記者会の質問に対するご回答という形で文書によるおことばが発表されるが、
今年は例年にも増して深く、重いおことばであった。
今回は、その中から特に印象に残ったところを挙げておきたい。
まず驚いたのは、皇后陛下のおことばの中に「A級戦犯」という語が出てきたことだ。
「来年戦後70年を迎えることについて今のお気持ちを」という質問へのご回答の中で、こうおっしゃったのである。
>私は、今も終戦後のある日、ラジオを通し、A級戦犯に対する判決の言い渡しを聞いた時の強い恐怖を忘れることが出来ません。
>まだ中学生で、戦争から敗戦に至る事情や経緯につき知るところは少なく、従ってその時の感情は、戦犯個人個人への憎しみ等であろう筈はなく、
>恐らくは国と国民という、個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する、身の震うような怖れであったのだと思います。
わしはいつも「いわゆるA級戦犯」と表記しているが、それはABC級の別を問わず、かつて「戦犯」とされた人々を犯罪人とする根拠は、
もはや国内法にも国際法にも存在せず、日本に「戦犯」はいないという主張を込めているからである。
しかし皇后という立場におられる方が、殊更にそのような主張をなさるわけにはいかないので、「いわゆる」などはつけられない。
皇后陛下は、あくまでも中学生当時に感じた思いをそのまま述べられる。
戦後になってからの感情を記憶に上書きして、当時から彼らを恨み、憎んでいたかのように言う人もよくいるが、
そんな都合のいい態度とは全く違う。
そして皇后陛下が当時お感じになったことは、「国と国民という,個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する、身の震うような怖れ」だったというのだ。
もちろん、皇后陛下はそれ以上のことはおっしゃらない。
しかし、わかる人にははっきりわかるはずだ。