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中国の赤サンゴ密漁 他国なら“銃撃”して拿捕…できないのは「日本だけ」
2014.11.04
東京都の小笠原・伊豆諸島沖に出現した中国漁船は、200隻以上に膨れあがっている。サンゴの密漁を狙っているという見方がある一方、専門家の中には「単なる密漁ではなく、西太平洋の覇権を握ろうとする下準備ではないか」と分析する向きもある。
安倍晋三首相は来週、北京で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議に出席するが、中国の暴挙にどう対応すべきなのか。
「中国の関係部門が、違法行為に対する取り締まりを強めるだろう」
中国外務省の華春瑩副報道局長は3日の記者会見でこう語った。
日本近海に、中国漁船が大挙して現れてから、中国当局者が取り締まり強化に言及したのは初めてだ。
ただ、中国は南シナ海や東シナ海で、領土や領海をめぐって他国と平気で衝突を起こしており、現実に取り締まりが行われるかは疑わしい。
サンゴ密漁という見方についても、疑問を投げかける意見は多い。
東海大学の山田吉彦教授(海洋政策)は「数十隻ならまだしも、200隻以上に増えれば単なる密漁目的とは考えにくい」と指摘。
中国漁船が領海に侵入し、島から見える距離まで大胆に近づいている状況などから「日本の海上警備態勢への挑発の意味合いもあるのでは。現状を国際世論に訴え、中国側にサンゴ密漁を止めさせるよう圧力をかけるべきだ」と語る。
中国でサンゴが高値で取引されるとしても、往復の燃料代が回収できないリスクがあるなか、これだけ大量に押し寄せるのは尋常ではない。
中国情勢に精通する評論家の宮崎正弘氏は「彼らは海上民兵と見るべきだ。中国漁船は遠洋航海用のレーダーを装備している。中国ではレーダーを装備した船はすべて海軍の管理下にある」といい、こう続ける。
「中国海軍は事実上、第1列島線(九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至るライン)を突破した。
次は、第2列島線(伊豆諸島を起点に、小笠原諸島、グアム・サイパン、パプアニューギニアに至るライン)を突破し、西太平洋の覇権を握ろうと狙っている。その下準備の可能性が高い」
海上保安庁は現在、日本の領海および排他的経済水域(EEZ)内で違法にサンゴ漁をしたとして、漁業主権法違反(無許可操業)の疑いで、中国漁船の中国人船長を次々と逮捕しているが、焼け石に水だ。安倍首相がAPECなどで、世界の指導者らに訴えてはどうなのか?
前出の宮崎氏は「中国政府は『悪い中国人がいる。
直ちに取り締まる』と言うだろうが、それだけだろう。
普通の国家なら、自国の領海で他国の漁船が違法操業をしていたら、銃撃を加えて、すべて拿捕(だほ)する。
ロシアも韓国もフィリピンも、世界中がそうだ。日本だけができない。この現実を国民が知ることが重要だ」と語っている。
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