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パキスタン:タリバン イスラム国支持めぐり進む分裂
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毎日新聞 2014年11月04日 21時46分
【ニューデリー金子淳】ノーベル平和賞に決まったマララ・ユスフザイさん
(17)を銃撃したことで知られるパキスタンの武装組織「パキスタン・タリ
バン運動(TTP)」が分裂の度合いを強めている。中東で勢力を広げる過激
派組織「イスラム国」支持に傾くメンバーが出ているためだ。専門家からは
「TTPは今後も分裂を重ねて弱体化していく」との見方も出ている。
「カリフ(イスラム国指導者のバクダディ容疑者)への忠誠を宣言する」。
地元メディアなどによると、TTPの報道官ら幹部6人は先月14日、声明で
イスラム国に加わることを表明した。TTPはその後、この報道官を解任した
という。
パキスタンでは8月ごろからイスラム国支持を訴えるパンフレットが拡散す
るなど影響が広がっていた。TTPは先月上旬、イスラム国に「可能な限りあ
らゆる支援を行う」との声明を発表したが、数日後には支持を撤回。直後に幹
部6人のイスラム国への参加表明があり、イスラム国への対応を巡って内部で
意見が割れている状況をうかがわせた。
TTPは、ファズルラ師が昨年に最高指導者に選ばれてから、分裂傾向が加
速したとされる。パキスタンの軍事アナリスト、ハッサン・アスカリ・リズビ
氏は「ファズルラ師に不満を持つ集団がイスラム国支持に向かっている。イス
ラム国の過激思想はTTPと似ており、共感しやすいのだろう」と分析する。
TTPはアフガニスタンの旧支配勢力タリバンの最高指導者で、パキスタン
西部クエッタ近辺に潜伏しているとされるオマル師に忠誠を誓ってきた。オマ
ル師は世界のイスラム教徒の頂点に立つと主張している。
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