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新型インフルエンザのときの経験が役立つ
ところで、エボラ出血熱の脅威が世界を震撼させている。西アフリカのみならず、ヨーロッパ、アメリカでも患者が出た。東京の
姉妹都市でもあるニューヨークでも患者が見つかったというので、まさに私たち日本人にとっても他人事ではなくなってきた。
感染症と言えば、この夏はデング熱の国内感染が70年ぶりに起こり、東京都も対応に追われた。人、物、金が国境を越えて移動する
現状、そして地球温暖化の影響もあろう。世界中で協力して、感染症を封じ込めなければ、人類の生存が脅かされる。
私が厚生労働大臣の任にあったとき、新型インフルエンザが世界的に流行し、まさに不眠不休の対応を迫られた。幸い、強毒性の
鳥インフルエンザではなく、弱毒性の豚インフルエンザだったので、被害が少なくて済んだ。そのときの経験を振り返ると、
まずは鳥インフルエンザを想定して詳細な対応マニュアルを事前に作成し、国内のみならず、中国や韓国とも協力して訓練して
いたことが役立った。
しかし、実際に陣頭指揮すると、マニュアル通りではかえって弊害が生ずるケースも出てきた。たとえば、発熱外来の設置である。
これが現場での柔軟な対応を阻害したこともある。そこで、私は、大臣として現場に判断を任せ、自分が責任を取ることにした。
その結果、現場での混乱が終息し、事態が改善した。
必要なのは、現場重視ということである。また、地方自治体の首長と緊密に連携し、ここでも自治体に権限を委譲して現場の判断を
最優先にした。感染症の発生というのは緊急事態であるから、権威主義はダメで、能力を持った人材を配置する必要がある。
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