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◇神鉄タクシーに妨害行為の差し止めを命じる
神戸電鉄沿線の駅前タクシー乗り場で、同電鉄系列の神鉄タクシー（神戸市北区）が他のタクシーの乗り入れを
排除したことの違法性が争われた訴訟の控訴審判決が３１日、
大阪高裁であった。水上敏裁判長は、神鉄タクシーが組織的に妨害行為をしたとして、独占禁止法違反と認定。
妨害の差し止めを認めなかった１審・神戸地裁判決を変更し、神鉄タクシーに差し止めを命じた。
原告は神戸市の個人タクシー運転手３人。２０１１年４～５月、北鈴蘭台駅（同市北区）前のタクシー乗り場で
神鉄タクシー側に妨害されて営業できなかったと主張。同駅と鈴蘭台駅（同）での営業妨害差し止めなどを求めて提訴した。
１審判決は、損害賠償を求めた２人への慰謝料など計約１１万円の支払いだけを認めた。
控訴審判決は、神鉄タクシー乗務員らが立ちふさがったり、ドアの横に座り込んだりし、車の発進や客の乗降を妨害したと指摘。
妨害行為に社長も加わるなど会社の方針だったと認定し、「今後も原告の利益を侵害する恐れがある」として差し止めの必要性を認めた。
２人への損害賠償については「精神的損害はなかったが、少なくとも１回は乗客を得る機会を失った」として、
初乗り料金の半額となる計６５０円と大幅に減額した。
神鉄タクシー側は訴訟で、約４０年間専用乗り場として使っていたと主張し、妨害もしていないと反論していた。
親会社の神戸電鉄は「コメントは控える」としている。【服部陽】