14/10/24 22:36:28.93 0
政府は24日、原発事故に備えた国際的な賠償制度を整備する「原子力損害の補完的な
補償に関する条約(CSC)」の締結承認案と関連法案を閣議決定した。
今国会中の承認と法案成立を目指す。条約は加盟国で事故が起きた場合に
損害賠償金の一部を他の加盟国の拠出で補うことが柱。海
外で原発の建設需要が高まる中、日本メーカーの原発輸出にも弾みがつく効果が見込める。
条約では、事故発生国に一定額(少なくとも約470億円)の賠償を義務付け、
これを超えた場合は各国の拠出金で賠償の一部を補完する。
このほか、事故時の賠償訴訟の裁判管轄権を発生国に集中し、
過失の有無にかかわらず原子力事業者が賠償責任を負う。
関連法案には、拠出金を賄うため、東京電力などの原子力事業者から負担金を徴収する規定を盛り込んだ。
日本の拠出金は現状で約40億円、新たに日本で事故が起きた場合、
受け取れるのは約70億円となる。条約は東電福島第1原発の事故など発効前の事故には適用されない。
条約加盟の利点は多い。加盟国のどこで事故が発生しても、訴訟を起こせるのは事故発生国に限定され、
共通の賠償ルールが適用されるほか、賠償資金も充実することから、被害者への迅速で公平な補償が図れる。
福島第1原発など国内原発の廃炉を進める際も、事故の賠償責任は国内事業者が負うため、
廃炉の知見を持つ米企業の協力を得やすくなる。
日本の原発輸出も後押しする。これまでは、国内メーカーが海外で原発を建設する場合、
事故で巨額の損害賠償を求められる恐れがあったが、加盟国内では免責されることになる。
政府は6月にまとめた新成長戦略で、原発を含めたインフラ輸出を「迅速かつ着実に実施」と掲げた。
国内メーカーの安全性に関する技術は海外でも評価されているが、福島第1原発の事故以降、
国内での原発新設は困難で、技術継承の観点からも海外での受注拡大が不可欠になっている。
条約はこれまでに米国、アルゼンチン、モロッコ、ルーマニア、アラブ首長国連邦(UAE)が締結。
条約発効には締結国の原子炉熱出力の合計が4億キロワット以上になる必要があり、
日本が締結すれば発効の条件が整う。日本は米国に締結を求められていた。
日本は今後、アジアの近隣諸国に締結を働きかける方針だ。
URLリンク(www.sankei.com)