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犯人は大阪人
'84年4月23日。大阪の天満橋に、一台の軽トラックがやってきました。
そのトラックははるばる青森から荷台に赤いりんごを積み、行商にやってきたのでした。
ちょうど桜の季節で、天満橋近くの造幣局は「通り抜けの桜」を見物する人達で賑わっていました。
行商人はそこに一旦車を止め、ちょっとした用事のために車を離れて電話ボックスを探しにいきました。
事件は、そのわずかな間に起きたのです。
ふと通りかかった通行人の一人が、無人の軽トラックの荷台にリンゴが満載しているのに気がつきました。
そこには「試食ができます」と書かれた小さな垂れ幕がかかっていました。
すると、その人は
「試食=ただでりんごがもらえる」
と、りんごを持ち去りました。
すると、その様子を見ていた大勢の通行人が
「りんごを無料で配っている」
と、どっと押し寄せてきました。一つどころか、かかえられるだけの数のりんごを次々に持ち去っていきます。
さらにはスーツ姿の一人の男性が、その場を仕切るかのように軽トラックの荷台に駆け上り、
群集に向かってぽんぽんリンゴを投げて配り始めてしまいました。
そこへ、何も知らない行商人が用事を済ませて戻ってくると、自分の車の周りに大勢の人が集まっています。
何事かと見ると、自分の荷台のりんごが次々に持ち去られているではありませんか。
慌てて「ちょっと、やめてください」と制止しようにも、逆に
「割り込んだらあかんで」
とたしなめられ、やむを得ず警察を呼んだのですが、
警官が駆けつけた時には既に千個以上のりんごはすべて持ち去られてしまった後でした。