14/09/28 01:36:13.41 0
「本当に生きた心地がしなかった」。
御嶽山が噴火した際に頂上付近にいた長野県飯島町の山岳ガイド、小川さゆりさん(43)は、興奮した様子で当時を振り返った。
朝からガイドの下見のため御嶽山に登っていた小川さん。
午前11時40分ごろ頂上に到達し、火口を回る「おはち巡り」をしていたところ、突然「ドカン」と大きな音がした。
驚いて音がした方向を向くと、石を空中に飛ばしながら、一気に煙が噴き出していた。
まもなく強い硫黄臭が漂い、嘔吐する登山客もいた。
火山灰とともに、周囲に直径1メートルぐらいの大きさの石が飛んできたため、急いで岩陰に隠れた。
まもなく、もう一度「ドカン」という音が鳴り、今度は軽トラック大の石が飛んでくるようになった。
巨大な石は地面にぶつかって割れ、破片が四方八方に飛び散った。
黒い雨が降り始め、雷も鳴った。
灰はひざ上まで積もった。
「もうダメだ」そう思った。
噴火当時、頂上には50人ぐらいの登山客がおり、女性4人組のグループの1人は、
飛んできた石が左足に当たり、骨折してパニックになっていた。
「救助してあげたかったが、どうにもできなかった」
噴火の勢いが一時的に弱まったすきに、普段通らないルートをまっすぐ突っ切り、
一目散に走って9合目にある石室山荘まで下りて助けを求めた。
依然として石も飛んできたが、頂上付近にいたような巨大な石はなく、ほっとしたという。
「もう、生きて帰れないと思ったけど、なんとか生還することができた」
そう語る小川さんの髪には灰や粘土状の火山灰が付いたまま。
リュックは灰色の火山灰に覆われていた。
黒沢口の7合目にある山小屋「行場山荘」経営者の田ノ上徳延さん(67)は突き上げるような音で噴火に気づいた。
灰は1時間近く降り続き、「数センチにも達した」という。
噴火当時は土曜日の昼前という最も登山客が多い時間帯。
8合目の山小屋「女人堂」には一時100人超が避難した。
中には骨折していた人もいたという。
木曽町のペンション「ロッジ上天気」では、宿泊客の1人が噴火当時、頂上付近にいたという。
「命からがら逃げた」とペンションに連絡があったが、その後は携帯電話が通じなくなった。
「噴火する山だということは知っていたが…」経営する寺本勝司さん(52)は肩を落とした。
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