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「近く進退表明」を明らかにした木村社長の「みなさまに深くおわびします」
(朝日12日朝刊1面)に、実は見逃せないフレーズがある。慰安婦報道に関連する部分だ。
「誤りを認め、そのうえでアジアの近隣諸国との相互信頼関係の構築をめざす
私たちの元来の主張を展開していく」。これは朝日の変わらぬ「アジア主義」と
批判される部分だ。
戦前の差し出がましい「アジア主義」は侵略戦争に転化して日本の破滅を招き、戦後の
ナイーブな「朝日的アジア主義」は、「贖罪史観」で目が曇らされたあげく、日本の
国際的信用を貶めた。社長談話は、今になっても、この点に気付いていない。一種の
教条主義なのだ。だから「朝日的偏向」は再び繰り返される恐れがある。まさに
「地獄への道は善意で舗装されている」ということなのか。
朝日新聞夕刊の一面を飾るミニコラム「素粒子」(13日)は、朝日の「傲慢」さを
見事に体現していた。
<爪楊枝(つまようじ)ほどの矢でも事実の土台が揺らげば害になる。吉田調書に関する
小欄の過剰な表現を撤回しおわびします。(中略)ご批判はつつしんで。さりとて世には
気にかかることなお山積み。来週からまた輪ゴムの輪ゴムの弦に爪楊枝をつがえん。>
自らのコラムを「爪楊枝」と自称する。こういう態度は、厚顔無恥な「官僚的卑下」
と呼ぶしかない。最悪の文章だ。他のところでいくら「謝罪」(たぶん今後も「謝罪」
を連発して、「良心的新聞社」であることを宣伝するだろう)しても、これが
「朝日の本質」と見なされることにすら気付かない。本当に驚いた。
※本文より抜粋しました。
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