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建設業で人手不足深刻…３職種の求人６・７４倍
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読売新聞 2014年08月29日 19時47分
２９日に厚生労働省が発表した７月の有効求人倍率で、建設業では基幹職種
のとび工、鉄筋工、型枠大工が６・７４倍に上り、全体の１・１０倍に比べて
突出し、深刻な人手不足に陥っている。
職人の高齢化も進行しており、このまま若年層の就業者が増えず、高齢層の
引退が進めば、国内の建設は立ちゆかなくなる恐れがある。
◆工事に遅れ
「マンション完成が計画より２か月ほど遅れるかもしれない。賃金を上げて
も職人が集まらない」
東京都西東京市のゼネコン「菊池建設」の菊池俊一社長（４４）は表情を曇
らせる。業界で職人の奪い合いが起き、大雨などでいったん作業が遅れると、
回復のための増員ができないため、他の工事も順繰りで遅れるという。同社の
来春卒の大学生の採用活動も、現段階で内定人数は目標の３分の２にとどまっ
ている。
建設業では、東日本大震災後に復興需要が増えた上、昨年から景気回復で民
間需要も増え、急速に人手不足が進んでいる。
対応できずに倒産する業者も出ている。信用調査会社・東京商工リサーチに
よると、今年１月～７月に「求人難」で１５件（前年同期比１１件増）、「人
件費高騰」で１１件（同７件増）倒産し、うち過半数が建設業だった。バブル
期の倒産パターンが復活しているという。
◆進む少子高齢化
国土交通省によると、公共事業や民間投資を合わせた建設投資額は、１９９
２年度にピークに達したが、デフレや公共事業削減で減少し、２０１１年度に
は約半分に落ち込んだ。厚生労働省の労働力調査によると、就業者数もピーク
時の９７年の６８５万人から、１３年には４９９万人に減少した。
より構造的な問題が、職人の高齢化だ。１０年の国勢調査によると、就業者
の年齢構成は５５～５９歳が最多。中間層の４０～５４歳は少なく、仕事が減
った時代に転職したとみられる。
５年後には、ベテランの６０歳代がほぼ引退し、橋や道路の補修など、安全
確保に必要な工事さえスムーズに進められない恐れが指摘されている。
◆技能継承を急げ
技能継承は大きな課題で、建設会社は、若手の確保と育成に乗り出した。
大手ゼネコン大林組（東京）は５月、協力会社と共同で職業訓練校を設立。
協力会社から、とび工、鉄筋工、型枠大工の若手約３０人を集め、３か月ずつ
座学と実技を教える。技術の高い職人に加算金を支給する制度と組み合わせて、
年収６００万円を稼ぐ若手リーダーに育て、他の若者を引きつけたい考えだ。
大和ハウス工業（大阪）も協力会社に対し、入社２年以内の職人の育成資金
を、１人あたり月額７万５０００円支給する制度を昨年から実施。今年は２倍
のペースで申請があるという。
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↑写真：人手不足の中で進められるマンションの建設現場（２５日、東京都内で）＝松田賢一撮影
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↑グラフ：建設業就業者数の年代構成
★1がたった時刻: 2014/08/29(金) 22:43:37.94
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