14/08/30 09:26:39.76 4K5QRWWf0
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(日本の保育政策を例えて言います)いま、ここに120円のペットボトルのミネラルウォーターがあります。
今日もとても暑く、私はこのミネラルウォーターを120円で買える事に心から満足をしておりますし、
他の人びともやはり満足して買ったに違いありません(そうでない人はそもそも買わないから)。
ところが、ここで政治家達が、「たかが水に120円もの高い価格をつけるとはケシカラン。
低所得者にとって120円は高すぎるではないか。 水は生活にとって必需品であるし、
低所得者等が安心して購入できる為にも、ペットボトルの水は10円にすべきである」と主張して、
ミネラルウォーターの価格を低く固定する「価格統制策」を実施したとしましょう。
しかし、低所得者向けのミネラルウォーターの価格が10円なのに対して、
中・高所得者向けの価格が120円では、あまりに差が大きく不公平です。
そこで、“中・高所得者”向けの価格も30円と、「大幅に安く」してしまいました。
まず、消費者の行動はどう変わるでしょうか。 120円の価格が、大幅に下がりましたから、
これまでよりずっと多くの人がミネラルウォーターを求め、お店や自動販売機に“殺到”する事でしょう。
しかし、当然、供給業者はすぐには対応できませんから、行列ができてしまうことになります。
まさに「水待機者」の発生です。また、あまりに行列が長くなれば、すぐには買えそうにないとして、
あきらめて行列には並ばないものの、水を買いたいと思っている人びとも多くいる事でしょう。
この人たちは「潜在的水待機者」です。
しかし、こうした企業は、これまで市場経済で競争をしていた民間企業と異なり、
明らかに効率性に劣る経営をします。何しろ、大量の待機者がいるわけですから、
つくるそばから飛ぶように売れますので、企業努力をする必要がありません。
補助金漬けの上、経営努力無視で客はいくらでもくるという状態ですから、
だんだんと非効率で高コスト構造に変わってゆきます。
こうしたなか、本来、1本あたり120円で生産されていたペットボトルの水も、
直ぐに200円、300円のコストがかかるようになってしまいました。
消費者は10円、30円で買っていますから文句をいいませんが、じつは、
その裏で1本当りの販売単価の何十倍もの“赤字”が発生し、これは全て“税金”で穴埋めされています。
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実質的に、消費税引き上げ財源を当て込んだバラマキが、既に来年度の概算要求の随所で始まっている。
実際、今年度の概算要求はシーリングのない異例の青天井で、史上最高額の99.2兆円にも達してしまった。
しかも、消費税が引き上げが決断されれば、さらにその予算要求額は膨れることになるという。
これでは、消費増税でせっかく税収が増えたとしても、
むしろ「支出で出てゆく方が多い」ことは明らかであり、財政再建にも何にもならない。
結局、「単年度会計主義」で生きている霞が関の官僚たちは、
増えた財源を、そのままばらまいて浪費してしまうのである。
今年度の概算要求で、特に目に余るのが厚労省であり、
何の効率化努力も感じられない30兆5,620億円もの過去最大の予算要求を臆面なく行った。
消費税引き上げが決まれば、さらに、先日の社会保障国民会議で決まった
「社会保障の充実策」と称するバラマキも加えるという。
この概算要求がいかに焼け太りで、効率化努力を怠ったものか、
その象徴的な予算として「待機児童対策」の項目を見てみよう。
待機児童対策として、厚労省は、来年度の予算要求を4937億円行っている。
4937億円を単純に、7万人で割ると、児童一人当たりで年間「705万円」と言うことになる。
これでは、「保育所に預ける母親達」の“年収を上回る”のではないか。驚くべき高コストである。
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保育料収入とは別に、「待機児童を一人減らす」ために“年間705万円”もの「税金投入が必要」になるとは、
いったい何事なのだろうか。
【『“待機児童”発生のしくみ』『待機児童対策の費用は1人当たり705万円!』学習院大学 経済学部教授 鈴木 亘】