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時事通信 8月28日(木)2時6分配信
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遺伝子操作したマウスを使い、「嫌な記憶」を「楽しい記憶」に書き換える実験に、ノーベル医学生理学賞受賞者で、
理化学研究所の脳科学総合研究センター長を務める利根川進博士らの研究チームが成功した。
論文は27日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
人間やマウスの脳では、海馬と呼ばれる部分が出来事を記憶。それが不快だったか、
楽しかったかはへんとう体と呼ばれる部分に記憶されると考えられている。
利根川博士らは以前、光に反応するたんぱく質を組み込み、狙った神経細胞群に光を照射して活性化させ、
記憶を思い出すようにした遺伝子操作マウスを生み出した。
実験で雄のマウスを小部屋に入れて弱い電気ショックを与えると、海馬の特定の神経細胞群が活性化し、
「小部屋は怖い」と記憶する。この細胞群を光で活性化させると、小部屋の外でも思い出し、恐怖で身をすくめる反応を示した。
ところが、同じ神経細胞群に光を照射しながら雌のマウスと一緒に過ごさせると、今度は「楽しい経験」として記憶。
小部屋に入れても恐怖反応を示さなくなった。
一方、へんとう体では「書き換え」は生じず、楽しい記憶と嫌な記憶を受け持つ細胞群が異なることが判明。
海馬にある記憶が楽しいか不快かは、へんとう体につながる神経回路の行き先が変わることで変化すると分かった。
うつ病などでは、嫌な出来事しか思い出せない状況に陥り、楽しい経験を想起させる心理療法が効果的なケースもある。
利根川博士は「こうした方法に科学的根拠を与えると同時に、記憶と情緒の関係を突き止める一歩になる」と話している。