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植草一秀
安倍氏がゴルフを始めた時刻には、すでに甚大な災害に発展していた。
危機管理の鉄則に従えば、ゴルフに興じるのをあきらめて、直ちに首相官邸に向かうべきであった。
一緒にゴルフを楽しんだのが森喜朗氏であった点がポイントである。
2001年2月10日8時45分(日本時間)に、アメリカ合衆国ハワイ州のオアフ島沖で発生した、
愛媛県立宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」が浮上してきたアメリカ海軍の原子力潜水艦「グリーンビル」と衝突して沈没した事故(えひめ丸事故)では、
事故の一報を聞いた森喜朗首相(当時)がゴルフ場に留まったことが大きな問題となり、その後、辞任に追い込まれた。
国内で発生した甚大な災害であり、安倍氏が一報を知った時点で、現在進行中の惨事である。
この状況下でゴルフに興じることができる神経は並大抵のものでない。
しかも、冒頭の朝日記事が示すように、
「関係省庁に対し、「政府の総力を挙げて救命・救助などの応急対策に全力で取り組む」ことなどを指示した」
上で、ゴルフをスタートさせたのだから、驚きを禁じ得ない。
多くの参加者がいたから、ゴルフ場に集合するところまでは理解できる。
メンバーがそろった時点で、安倍氏が状況を説明して、ゴルフを中止して解散。
その上で、安倍氏が首相官邸に直行するというのが、常識的な危機管理のあり方であると思われる。
1時間で切り上げたから良いということにはならない。
一国の首相として、国民の、「生命、自由および幸福を追求する権利」
を、安倍晋三氏は極めて重視しているようなことを、いつも国会で述べているように感じてきたが、
それほどは重視していないということなのだろうか。
災害だけでなく、日本はいま、いろいろなことで大変な状況に陥っている。
安倍氏はアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、
福島の状況について、“The situation is under control.”と述べた。
すべての日本人がビックリ仰天した。
また、汚染水について、「汚染水の影響は港湾内0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」
と述べたが、汚染された地下水を凍土壁で遮断する工事も失敗しつつある。
景気は大崩落。
シリアでは邦人が拘束されている。
ゴルフ三昧を公言できる環境にはないように思われる。