14/08/17 14:37:42.61 saOMWPYj0
(>>72の続き)
ところで、靖国神社への公式参拝に関しては、「国のために戦って命を落とした人たちを、国として慰霊し、哀悼の意をささげることは当然のことである。」との主張がよくなされる。
これは、一見もっともな主張のようにもみえる。しかしながら、「国のために戦って命を落とした人たちを慰霊し、哀悼の意をささげること」は当然のことであるとしても、
それが靖国神社への参拝でなければならぬのか、という問題は別に存するのである。
そもそも、靖国神社は、米国のアーリントン国立墓地とは異なり、戦没者は埋葬されておらず、墓地ではない。純然たる宗教施設である。
そして、靖国神社への参拝という形式で戦没者の慰霊をするという場合、国難に殉じた軍人などが「英霊」となったのだという靖国神社の教義を当然の前提とするものである。
そうすると、例えば、内閣総理大臣である者が、内閣総理大臣たる立場において靖国神社へ参拝する場合、
国家として、靖国神社のかかる教義が正統なものであるとの認証を与えていることにほかならない。
さらには、国民一般に対し、他の宗教施設ではなく、靖国神社に参拝することこそが、正しい戦没者の慰霊方法であるかのごとき印象を与え、
ひいては、靖国神社があたかも国教に準じた宗教であるかのごとき印象を与えることにもなろう。
上記のとおり、「国及びその機関」は「特定の宗教の援助・助長・促進」にあたる行為をすることは、およそ許されないのであって、
靖国神社という特定の宗教に対し、国家としてその教義が正統なものであるとの認証を与えるような行為は、
まさに「特定の宗教に対する援助、助長、促進」そのものであって、許されないというべきであろう。
米国のアーリントン国立墓地を引き合いにして、靖国神社への公式参拝の正当性を主張する者もいるようだが、
そもそも、まさに墓地であるアーリントン国立墓地とは、前提が全く異なるのである。