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【経済快説】「許されるコピペ」の境界線 小保方論文はアウト
2014.08.14
小保方氏の無断コピペ論文はやはり許されない
最近「コピペ(コピー&ペースト=原稿などの切り貼り)」が話題になる。安倍晋三首相が「原爆の日」に
行ったスピーチ内容の相当部分が、昨年のスピーチと同じだったことが問題とされた。
また、今年最大の話題の一つといっていいSTAP細胞問題に関連して理化学研究所の小保方晴子氏が
科学誌に投稿した論文や、さらには博士論文にまで、相当量のコピペ部分が含まれていたことが露見した。
筆者は、ある大学で授業を持っているが、先般行った試験の答案に、かなりの割合で、ほぼ同文の
言い回しの誤答が大量にあった。出題は事前公開しているので、学生が答案の下書きを作成する際に
インターネットの同じページからコピペしたものと思われる。
安倍さん、小保方さん、学生君のコピペは、どこが違っていて、それぞれどの程度許されるか。
コピペの善しあしを考える上では、(A)元ネタとの関係と(B)情報の受け手との関係、の2つの
視点があり、先ほどの三者はそれぞれ性質が異なる。
安倍首相は、古いとはいえ自分のスピーチをコピペしたのだから、元ネタとの関係は、全く問題ない。
たぶんスピーチライターがいるのだろうが、いたとしても彼は文章を安倍さんに渡すことに合意している。
「この演説原稿は、すべて私が自分で書いたのだ」などと、安倍さんが独自の嘘をつかない限り問題はない。
しかし、受け手の心情を考えると、聴衆が「昨年と言っていることが同じで、心がこもっていない」と
思うのは自然な反応だ。スピーチとしては大失敗だった。また、話しながら「同じスピーチでまずいな」と
気づき対処できないことには、首相の能力上の問題がある。
小保方さんの論文は、論文というもの自体が、自分が付け加えた知識と過去の業績との関係を述べる
ものなので、少なくとも出典の相当量を無断でコピペした段階でアウトのはずだ。これは、科学者では
ない物書きでも、おおむね常識だ。
彼女の場合、読み手のレベルによって、一時的には成功できた。しかし、大きく注目を浴びたことで、
コピペとそれ以外の難点も含めて、致命的な問題がばれてしまった。もっとも、大量のコピペが露見
したのに、研究の根幹に関係ないので、博士号取り消しに及ばずと判断した早稲田大学の調査委員会の
判断は相当に不可解だ。
一方、学生君は、答案で問題に対する正解を書けばいいのだし、文章のオリジナリティーを主張する
必要はない。コピペ自体は何ら問題にならない。内容が正答なら満点だ。
ただ、学生君は心がけとして、小保方さんは義務として、引用部分の出典を正直に書くといい。
「出典は○○です。私は、この内容に賛成します」という文章でもいい。
だが、コピペの文章は書いていてつまらないはずだ。 (経済評論家・山崎元)
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