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皇軍のカニバリズム
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一方、千葉大の秦教授は、戦時中の父島事件を中心に、皇軍のカニバリズ
ムを次のように分析しています。
(秦郁彦「昭和史の謎を追う(下)」文芸春秋)
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第二次大戦でカニバリズム(人肉食)が登場するのは、太平洋戦線の日本
軍だけのようだ。大小の離島に置き去りにされ、飢餓の淵をさまよう戦争は、
日本軍にも初経験であった。200万を超える戦没者の7割前後が広義の飢餓
によって倒れたとする試算もあるくらいだが、実数は確かめようもない。
指揮系統が切れ、軍規が崩壊した前線の末端でカニバリズムが横行したと
いう風聞は、決して少なくない。ニューギニア、ガダルカナル、フィリッピン、
インパール戦線の従軍記には、この種の内輪話がよく出るが、事柄が事柄なの
でほとんど間接話法で語られている。
東京裁判には、ニューギニア戦線で1944年12月、第18軍司令官か
ら「連合軍の屍肉を食うことは許すが、友軍の屍肉の場合は処罰する」旨の軍
令が発せられ、該当する4名の兵が処刑された事実が報告された(1946.12.11
法廷記録)。
それ以上の詳細は模糊としてつかめないが、カニバリズムが連合軍の法廷
で裁かれたのは父島事件だけであり、それも飢餓という極限状況下の事件でな
かっただけに人々を驚かせた。
東京裁判で人肉食が免責された影響を、前掲書で田中氏は次のように述べ
ています。
「東京裁判でこの問題を取り扱うことが避けられたため、日本軍の軍指導者
たちのオーストラリア兵、インド・パキスタン人捕虜、ニューギニア原住民な
どの被害者に対する責任がうやむやにされただけでなく、彼らが十数万人とい
う数の自国の兵隊をジャングルに置き去りにし、飢餓に追いやり、『人肉食』
という極めて非人道的な行為に走らせ、その多くを餓死させたという、その重
大な事実を日本人自身が国民総体の共通の認識として獲得する機会を抹殺して
しまった」
「この『人肉食』問題は日本軍指導者たちが日本国民に対して犯した戦争犯
罪と密接に絡んでいる典型的な例の一つである」