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中国で日本への損害賠償・謝罪請求、訴訟準備相次ぐ
【上海=河崎真澄】中国で日中戦争に関する民間の損害賠償や謝罪要求の訴訟が相次いで準備されていることが14日、分かった。
いわゆる強制連行問題とは別に河北、海南の両省で旧日本軍に住民が殺害されたとして、
日本政府を相手取って訴訟を起こす意向だ。日本は1972年の「日中共同声明」で
請求権問題は存在しないとの立場だが、訴訟を支援する団体は「民間や個人の請求権は放棄していない」と主張している。
民間団体「中国民間対日賠償請求連合会」の童増会長が産経新聞に同日明らかにしたところによると、
河北省唐山市豊潤区で41年1月に、住民ら1298人が旧日本軍に殺害されたとして遺族ら約30人が原告となり、
日本政府に対して総額60億元(約1千億円)の損害賠償と謝罪を要求する訴訟を近く起こす方針だ。
河北省内で提訴する見込みだが時期は未定。
同区潘家峪村の村民代表が遺族ら205戸から署名を集めて先月、
同連合会に提訴の手続きを正式に委託した。
これとは別に、海南省文昌市東閣鎮で43年春、1カ月間で住民ら73人が旧日本軍に殺害されたとして、
生存者らから証言を集めた地元弁護士が、日本政府を相手取って総額1億4600万元(約24億3千万円)の損害賠償と謝罪を求める
訴訟準備を進めており、同省高級人民法院(高裁)に近く提訴する方針という。
中国では今年3月、戦時中に強制連行されたと主張する中国人元労働者や遺族が
日本企業2社に損害賠償を求めた訴状が、北京の裁判所で受理されたため、
各地で民間訴訟の動きが活発化している。ただ旧日本軍の戦争行為で、中国国内で日本政府を相手取る提訴は異例だ。
同連合会の童氏は、「民間賠償請求はなんら日中共同声明に抵触せず、
ほかにも訴訟案件を検討中だ」と話した。童氏はまた、日露戦争後の1908年に、
日本が遼東半島の旅順から「鴻臚井碑(こうろせいひ)」という
唐時代の石碑を略奪したとして日本政府に返還を要求したことも明らかにした。
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