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国際収支:経常収支5075億円の赤字転落 14年上半期
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毎日新聞【小倉祥徳】 2014年08月08日 09時33分(最終更新 08月08日 11時01分)
◇半期ベースで2期連続赤字、上半期赤字は85年以降初
財務省が8日発表した2014年上半期(1~6月)の国際収支速報による
と、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は、前年同期の
3兆3131億円の黒字から5075億円の赤字に転落した。暦年の半期ベー
スでの経常赤字は2期連続で、赤字幅は13年下半期(7~12月)の788
億円から拡大し、比較可能な1985年以降、過去最大となった。上半期の赤
字転落は初めて。円安や消費増税前の駆け込み需要で輸入が増えた一方で、輸
出が伸び悩み、貿易赤字が比較可能な96年以降で過去最大となったことが主
因だ。
経常収支は、東日本大震災後の原発停止で火力発電向け燃料の輸入が増加し、
11年下半期から貿易赤字に転落したことを機に悪化。アベノミクスによる
円安が輸入額を押し上げ、海外投資から得られる利子や配当などの「第1次所
得収支」の黒字でも穴埋めできなくなった。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は6兆1124億円の赤字で、赤字
幅は前年同期から2兆6855億円拡大した。輸入は前年同期比14.7%増
の41兆8752億円と9期連続で増加した。火力発電向け燃料の液化天然ガ
ス(LNG)や原油に加え、電子部品の輸入が増えた。駆け込み需要に対応し
た企業の増産に伴い、原料などの輸入が増えたことも影響した。
輸出は自動車などが堅調で、同8.1%増の35兆7627億円と3期連続
で増加した。ただ、伸び方は輸入に比べて緩やかだ。製造業が生産拠点の海外
移転を進めたうえ、円安を値下げにつなげて数量を稼ぐより、価格を一定程度
維持して収益を重視する姿勢を強めているためと見られる。
一方、第1次所得収支は前年同期比4.2%減の8兆3226億円にとどま
った。前年同期に直接投資による配当金の受け取りが大きく伸びていたため、
増勢が一服した。医薬品の特許など知的財産権等使用料の収支が7855億円
と過去最大の黒字となったが、旅行や物流などを含めた「サービス収支」とし
ては1兆5780億円の赤字。税金や労働者の送金など対価を伴わない資産の
やり取りを示す第2次所得収支も1兆1397億円の赤字だった。
同時に発表された14年6月の経常収支も、前年同月の3777億円の黒字
から、3991億円の赤字に転落した。月別の経常赤字は今年1月以来5カ月
ぶりで、6月としては初めて。貿易収支が5371億円の赤字となったことが
響いた。市場では「足元では輸出入とも低迷しており、経常収支は当面黒字と
赤字を行き来しそう」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)と
の声も出ている。