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東京新聞 2014年8月3日 朝刊
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九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)が再稼働を前提にした審査に事実上合格したこ
とを受け、同県と原発の半径三十キロ圏の九市町に共同通信がアンケートした結果、「原発の安全性が
保証された」との回答はなく「どちらかと言うと保証された」も五市町にとどまった。また再稼働に四市町が
「条件付きで賛成」と回答。他は「判断する立場にない」などとし、反対する自治体はなかった。
地元経済を後押しするとして再稼働への期待感がある一方、安全対策への懸念が根強い実態が示され
た。防災面では、入院患者など要援護者の避難に六市町が不安を抱えていると回答するなど、対策が追
いつかない現状も浮き彫りになった。
再稼働の同意が事実上必要な地元の範囲は、県と五市町が立地自治体だけとした一方、いちき串木野
市が三十キロ圏も加えるよう回答。調整が必要になる場面もありそうだ。国は具体的な地元の範囲や同
意の手順を示しておらず、今回の対応が他の原発の再稼働手続きに影響する可能性がある。
正式に審査に合格した場合の安全性は、「どちらかと言うと保証された」とした五市町以外は選択肢を選
ばなかった。
阿久根市が「一定の安全性が担保された」とコメントするなど、合格後も安全性の確保が万全ではないと
の姿勢をにじませた。鹿児島県は「安全性の確保が大前提」などとし、立地する薩摩川内市は「可能な限
り確保されていると考える」とした。
再稼働の賛否は、薩摩川内市など四市町が「条件付きで賛成」。条件に「手続きの透明性や住民の理
解」(いちき串木野市)などを挙げた。
国や県、薩摩川内市が判断すべきだなどとして四市町が「判断する立場にない」と回答。
県は選択肢を選ばず「国の説明や県議会の意向などを総合的に勘案したい」とした。
原子力規制委員会が七月十六日に事実上の合格証となる審査書案をまとめた後、鹿児島県と三十キ
ロ圏の九市町に調査票を送付。七月中に回答を得た。
<川内原発> 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉。2基あり出力は各89万キロワ
ット。1984年と85年に営業運転を開始。東京電力福島第一原発事故時は運転中で、2011年9月までに2基
とも定期検査入りし停止中。原発の新規制基準が施行された13年7月、九電は2基の審査を原子力規制
委員会に申請。今年7月、規制委が合格証の原案となる審査書案を了承し、事実上新基準に初めて適合
した原発となった。