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(>>1の続き)
外交的見地からすると、安倍首相がミストラルをめぐるフランスの難題を一挙に解決することを申し出れば、自身がリベラルな国際秩序
の維持に注力している世界的指導者であることを十分に証明できる。国際秩序は世界中で攻撃にさらされている。世界秩序の弱体化を
阻止するのに、道徳的な憤りだけでは不十分だ。世界の国々はそれを守る責任を積極的に負わなければならない。
■中国に対する懸念を共有
安倍首相はミストラルの問題でロシアとの関係が悪化することを気にしているかもしれない。それでも、北方領土問題でより踏み込んだ
協議を行うことを提案すれば、その悪影響は緩和されるだろう。アジアの海域で中国の存在感が高まっていることについてはロシアと
日本は懸念を共有している。安倍首相とプーチン大統領は極めて重要なシーレーンを将来の中国の陰謀から守る方法を議論することも
できる。そうした観点からすると、ミストラルは掲げる国旗こそ違っても、プーチン大統領が考えていた目的で使われることになるかも
しれない。
安倍首相が欧州の小競り合いに直接かかわることにはリスクもあるが、大きな成果を上げる可能性もある。言葉遣いは別にして、
プーチン大統領は中国からの支援に依存し過ぎることに慎重であり、日本はロシアの利益にとって現実の脅威ではないということを
理解している。完全な現実主義者であるプーチン大統領は、見て見ぬふりをするという決断をしながら、日ロ関係の懸案事項をも
取り除いてしまうかもしれない。そうなれば、欧州とアジアの双方にとって利益となるはずだ。
(終わり)