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大阪府警は30日、警察庁に報告した刑法犯の認知件数を、2008?12年の5年間で計8万1307件少なくしていたと発表した。
全65署が関わっていた。都道府県別の街頭犯罪の認知件数で、全国ワースト1位が続いた大阪府は10?12年、東京都を下回った
とされたが、実際は最悪のままだった。府警は同日、内規などに基づいて幹部を含む280人の処分を決めた。
府警では、調書や証拠品の捏造(ねつぞう)、誤認逮捕などの不祥事が相次いでいるが、今回は警察の犯罪統計の信頼性を
揺るがす事態となった。
府警監察室によると、処分対象は退職者124人を除く現職280人。吉田健一・現総務部長ら刑事総務課長4人▽署長46人
▽刑事課長と刑事課員各115人(いずれも当時)で、処分内容は本部長注意や指導。これほど大量の警察官の処分は異例と
みられる。
刑事総務課によると、過少報告の件数は▽08年8810▽09年1万957▽10年1万8349▽11年2万2042▽12年2万1149。
この間の実際の認知件数は計約93万件で、その1割弱が減らされていた。07年以前と13年の過少報告はないとしている。
大阪府の街頭犯罪の認知件数は、統計を始めた00年からずっと全国最悪だった。過少報告が始まった08年は、悲願の汚名返上
に向け、大半の署に街頭犯罪の専門班を設けるなど府警が取り組みを強化した時期だった。
過少報告の約65%は街頭犯罪だった。そのうち自転車盗が半分以上を占め、車上狙い、部品狙いなどが続いた。すぐに自転車が
見つかった自転車盗を省いたり、連続発生した車上狙いを1件に数えたりしていた。
警察官は、街頭犯罪を少なくみせかけようとしたり、引き継ぎで独自の計上ルールを踏襲したりしたという。上司が指示した場合も
あった。殺人事件9件を含め、単純な計上忘れもあった。
過少分を反映すると、大阪府の街頭犯罪の認知件数は10~12年、東京都と入れ替わり1位に戻る。10年にワースト1位返上を
発表した際、府警は「行政や民間団体との協力が功を奏した」と対策の成果を強調した。大阪府は13年も最悪で、ワースト1位は
一度も返上していないことになる。
この問題は13年に堺署で発覚し、府警が全警察署を対象に調査していた。安井正英刑事総務課長は「犯罪統計の信頼性を裏切る
行為で遺憾だ。幹部による適正なチェックと職員の指導を徹底し、再発防止に努めたい」とコメントした。
◇刑法犯の認知件数
警察が把握する殺人、強盗、窃盗などの犯罪の発生数。被害届や現場の状況で事件と判断されると、警察官がパソコンで「刑法犯
認知情報票」を作成、警察本部を通じ警察庁に送られて計上される。治安情勢の重要指標で、検挙率の算定や防犯対策に使われて
いる。
ソース(毎日新聞) URLリンク(mainichi.jp)
図表=上位3都府県の街頭犯罪件数の推移
URLリンク(img.mainichi.jp)
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