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・街中や電車の中などを見回せばスマートフォンだらけの昨今。今年3月末の総務省の調査によると、
世帯普及率では54.7%となり、過半数を超えた。そんなスマートフォンだが、今年に入ってからの
販売台数が低下してきているというデータも……。
電子情報技術産業協会 (JEITA)の調査によると、今年5月の携帯電話の販売台数は158万台で、
前年同月比93%となったが、スマートフォンは68.6%で、前年同期よりも3割以上の減少となった。
この傾向は、今年に入ってから続いており、1月には前年同期比100.6%となったものの、
2月は38.6%、4月は26.6%だった。また、iPhoneを中心にのりかえキャッシュバック商戦が
過熱した3月でも83.8%に留まっている。
一方、店では隅のほうに追いやられ、すっかり存在感が薄くなったとおもわれていた「ガラケー」と
呼ばれる従来型携帯電話の人気は、意外にも根強い。同調査によると、携帯電話の販売台数全体に
占める従来型携帯電話の割合は、今年1月以降50%を超えており、特に、大手各社からスマートフォンの
新機種の発売がなく、商戦が一段落した4月には91.8%に達していた。
いったいなぜなのだろうか?
スマートフォンの普及度を年齢層別で見ると、情報機器に慣れ親しんでいる人が多い10代、20代を
中心にスマートフォンの所有率は、7割から8割に達しているというデータもある。すでに高い所有率を
維持しているため、伸びしろが少なくなっていることが考えられる。
一方50代、60代の所有率は半分以下だというデータもある。やはり、情報量が多く、操作が複雑で、
なおかつ大手各社の機種ともなれば通信料金も高くつくので、それに抵抗を感じている人も多いのか、
機種変更の際にも再度ガラケーを選ぶ人が少なくないようである。
また、周りの人や店の販売員などにスマートフォンを勧められて購入したものの、「思ったほど
必要がなかった」「操作がしにくい」「通信料金が高い」などの理由で、ガラケーに戻すといった
ケースもあるそうだ。
調査結果をみると、携帯電話会社の新機種はスマートフォンがほとんどである。この状況では、
「ガラケーの復権」とまでは言えないかもしれない。しかし、ボタンの押した感覚がすぐに
分かる物理キーを使用して、電話やメールの操作が簡単に行えるガラケーの需要が根強いのも確かだ。
更に、大手通信各社がこの夏から設けた音声定額プランでは、「ガラケー」用の月額定額料金を、
スマートフォン用よりも500円ほど安く設定してきた。仕事で通話することが多かったり、ついつい
長電話してしまったりする人にとっては、まだまだ「ガラケー」が現役なのかもしれない。
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