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ソース(東洋経済オンライン) URLリンク(toyokeizai.net)
今の日本は、保守化、右派の影響力が高まっている。その背景には、韓国、中国への感情悪化だけでなく、リベラル、左派の魅力の
なさ、ストーリーのなさがある。今の日本のリベラルに、欠けているものは何か、どうすれば国民の心をつかむことができるのか。
社会活動家として最前線で戦ってきた湯浅誠氏が、論客との対談を通じて、「真のリベラル」の姿を探る。3人目の今回は、「純粋なる
保守主義者」であり、ネット上の最強の論客として知られる、やまもといちろう氏との異色対談。
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■集合知で解答にたどり着く可能性を探った
湯浅:やまもとさんは、どうして「2ちゃんねる」をつくったのですか。
やまもと:えっ、湯浅さん、そ、そこの話からですか?
湯浅:だめ?(笑)
やまもと:いや、いいですよ。(笑)。あれはね、もともと西村(西村博之氏)が作ったもので、私はそれに乗っかっていただけです。
彼は頭の回転の速い、非常に優秀な男です。だけど当時からその場限りの瞬発力で行動するところがありまして、ビジネスをする
にはあまりにも不安定すぎる。だから私は、とりあえず協力みたいな感じで関わっていました。
湯浅:「2ちゃんねる」は、やまもとさんにとっては、どういう目的だったのですか?
やまもと:当時は肩書きに関係なくフラットにものごとを話し合える場がなかったので、インターネットでの匿名掲示板が、(集合知)で
一つの解答にたどり着く場になる可能性があると思ったんです。私自身も、パソコン通信の「ニフティーサーブ」で土地勘のある世界
でしたし、ネットが作る匿名性によるフラットなコミュニケーションが築く未来ってどういうものなのか、一度見ていたいという夢が
ありまして。
湯浅:フラットに?
やまもと:「2ちゃんねる」には、社会悪を誰でも告発できる場にしたい、弱い人たちを助けるプラットホームにしたいという狙いもあった
んです。匿名であれば、ある程度言いたいことが言えるじゃないですか。西村は、際どい情報が増えればそれを読みに来る人間も
増える、と考えていました。
湯浅:へえ。知りませんでした。
やまもと:弱い人ほど自由にものが言えない。ブログなどが出てくるもっと前は、人がものを伝えることに関して、まだかなり制限が
ありましたから。西村が匿名制にこだわっていたのは、いろんな人がものごとを議論していくためには、肩書きが邪魔だと考えたから
です。勤め人だったら特にね。私も、個人情報と切り離された言論空間があったほうがいいと当時は思っていました。
湯浅: 今は違いますか?
やまもと:今はもう「2ちゃんねる」が何をしようが個人情報は開いてしまうので、本来のユートピア的な機能は失われてしまいましたね。
どう扱っても、誰が何を書いたかわかってしまう。
湯浅:そうでしたか。なぜ(集合知)がつくられていかなかったのでしょう。
やまもと:一部はつくられたと思いますよ。全部が全部だめだったわけではなくて、「2ちゃんねる」だからこそ、できたこともたくさん
あった。ただ、デマの発生源にはなりやすいし、知らない人が集まっている中で、悪意のあるもっともらしいガセネタが流れるとどうしても
信じてしまう人たちが出てしまう。
湯浅:悪意がむき出しになって出てくることも多くあると言われていますが。
やまもと:意外と人間って善でも悪でもない中立なところがあって、悪に偏りすぎたときは必ずそれを是正する動きがあると思いますよ。
その場その場では脊髄反射しても、一定の年月が経つとある程度はあるべきところに収まっているというような、ある種の自然治癒力
みたいなものがあります。
(>>2以降に続く)
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