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(>>1の続き)
■直撃された南ア委員「重要でない」
こうしたなか、ひとりの「普通」の主婦が立ち上がった。16日の審査終了後、傍聴したスイス在住の日本人主婦、大坪明子(めいこ)
(57)は、審査で日本を批判した南アフリカの委員、ゾンケ・マジョディナにこう質問した。
「あなたが『慰安婦は奴隷』と言ったのでとてもショックを受けました。本当に彼女たちはお金をもらっていなかったんですか」
慰安婦が旧日本軍兵士の数十倍の月収を得ていたことは、米軍資料などでも記録されている。なぜ国連の場で日本ばかりが標的に
されるのか、大坪は疑問に感じ審査に足を運んでいた。
マジョディナは答えた。
「お金を受け取っていたかいないかは重要ではない。奴隷的な扱いを受けていたかどうかが問題で、『奴隷』に該当する」
なおも事実関係をただそうとする大坪にマジョディナはこう言い放った。
「その質問は重要ではないので答えない」
短時間のやりとりだったが、大坪はたちまちほかの委員や日本のNGOメンバーらに取り囲まれた。「やり過ぎだ!」などといった
日本語も飛び交った。
(敬称略)
◇
慰安婦を「性奴隷」とする表現を90年代から取り上げ、世界に発信してきた国連は左派・リベラル勢力からどのように利用されて
いるのか。現地に飛んだ田北真樹子記者が自由権規約委員会を通じて検証する。
■クマラスワミ報告書 国連人権委員会の「女性に対する暴力」特別報告官に任命されたスリランカ出身の女性法律家、ラディカ・
クマラスワミ氏が日本や韓国を訪問し、戦争被害者らから聞き取りし、まとめた報告書。北朝鮮には代理人が訪れ調査した。慰安婦に
関する記述は「付属文書1」として添付された。日本政府に対し法的責任の受け入れと被害者への補償など6項目を勧告している。
■自由権規約委員会 国際人権規約に基づき、締約国の規約順守状況を監視する委員会。締約国は167カ国。日本は1979年に
批准した。死刑、差別撤廃、表現の自由などの権利を包括的にカバーする。18人の委員によって締約国は6年に1度、人権状況に
ついて審査を受ける。審査終了後に「最終見解」とする勧告が出されるが、法的拘束力はない。
(終わり)