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日本中を震撼させた六本木クラブ「フラワー」襲撃事件からもうすぐ2年。
事件の首謀者とされる見立真一容疑者(35)は現在も海外逃亡を続けている。
そんななか、この事件ですでに逮捕され「懲役11年」の判決が出た(控訴中)石元太一被告(32)と、
関東連合の元幹部で『いびつな絆』の作者である工藤明男(筆名)の2人が、立て続けに本を出版。
にわかに事件の周辺が騒がしくなっている。
これらの本に先立って発売された『遺書』(太田出版)で、事件が起きた真相や、
人違いによって被害を逃れたK兄弟の素顔を初めて明らかにした、作家の瓜田純士氏が語る。
「子供のような、小さな意地の張り合いが原因で、こんなことになったのです」
これまでの報道では、事件の原因は関東連合の関係者である金村剛弘さんが
西新宿で撲殺された事件(‘08年)の首謀者がK兄弟で、その報復とみられていた。
「僕が警察から聞いている情報では、K兄弟は現場にいなかったし、両者のいざこざは、
もっと昔から続いていました」
殺害された男性は報じられたとおり、完全に人違いだった。
だが、本来狙われたK兄弟がどんな人物なのかはほとんど知られていない。
K兄弟が関東連合と決定的な決裂に至った“現場”に、瓜田純士氏は唯一立ちあっている。
「僕はK兄弟の兄とは同い年で、16歳のときに新宿で知り合ったなかです。
半端じゃないイケメン。敵とみなした人には凶暴だけど、決して自分から喧嘩を売ったりはしない。
そして1個下の弟との兄弟愛は誰よりも強く、自由気ままに生きている。
そういう性格だから、関東連合にけっしてなびかなかった。そんなK兄弟のことを、見立君をはじめ、
取り巻きの関東連合幹部たち全員が面白く思っていなかった。
そんななかで、兄と関東連合の幹部だった工藤明男が揉め事を起こした。
成り行き上、僕が立ち会って“手打ち”をし、今回のトラブルは誰にも言わないと3人で約束した。
ところが工藤は関東連合の先輩にしゃべってしまい、そのことで関東連合とK兄弟は深刻な対立状態になるのです」
あれほど凄惨な事件は、驚くほど些細な感情のもつれが発端だった。
そして杜撰(ずさん)な計画は実行される。
「ここが重要なんですけど、弟の顔は僕と工藤明男、石元太一の3人しか知りません。
工藤と石元は犯行時『フラワー』にいなかったんだから、誰も確認できない。間違えるのは当たり前ですよね。
フィリピンに潜伏中といわれる見立容疑者を、瓜田氏は後輩として慕っていた。
「かわいそうだなと思ってます。下の連中が下手打って勝手に人を殺してしまい、フィリピンから出られ
なくなっているわけですから。実際のところ、本人の指示なのかもわからないのに『残虐王子』なんて言われて。
それよりも、見立君を焚き付けた卑怯者こそ、もっとも責任が重い。
かつてK兄弟のことを恐れ、若いころにタイマンで勝負をつけられなかった男。
その人間は、今ではベストセラーになった暴露本まで書いている。
そいつがそもそもの原因です。プライドが高く、K兄弟が怖いからこそ、対立を煽った」
“狙われた”K兄弟は今、何をしているのだろうか。
「今でも六本木や繁華街を普通に歩いていますよ。昨日も(編集部注・取材日の前日)新宿で兄と会いました。
何を話したかは言えませんが、ひとつ言えるのは見立君がいなくなって肩の荷が下りたということ。
だって一時は殺されかけたのに、『ウリ坊(瓜田氏)、本、何万部売れた?』なんて聞くくらいですから(笑)」
最後に瓜田氏は、関東連合の“今”を断言した。
「今回の事件をもって関東連行は終わりました。もう抗争なんてない。やっぱり暴力団=ヤクザにはかなわないんです」
(週刊FLASH7月29日・8月5日号)
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