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日本マクドナルドとファミリーマートは、中国・上海の米国系食品会社「上海福喜食品」が品質保証期限の切れた
鶏肉を使った疑いがあるとして、同社から仕入れた関連商品の販売を中止した。
上海のテレビ局の報道で、上海福喜が期限切れ肉を使用していた問題が明るみに出た。
従業員は「期限切れを食べても死ぬことはない」などと話し、上層部の指示で長年の慣行になっていた可能性もある。
中国当局は同社の幹部ら5人を刑事拘束した。安全軽視の実態を解明した上で、再発防止に向け、
食品業界全体に厳格な衛生管理を指導するべきだ。
厚生労働省によれば、7月までの1年間に上海福喜製の食肉加工品約6千トンが輸入され、
流通先は日本マクドナルドとファミリーマートの2社だけだったという。
健康被害は出ていないようだが、厚労省は中国政府とも連携し、追跡調査を徹底する必要がある。
2008年に発覚した中国製冷凍ギョーザによる中毒事件を契機に、中国産食品の安全性への懸念が強まった。
その後、日本の食品関連企業は、中国の取引先の工場を定期的に立ち入り検査するなど、
品質管理を厳しくしてきたはずだ。
ところが、今回は組織ぐるみの不正が常態化していた疑いがあるのに、見抜けなかった。
健康にかかわるだけに、日本企業の責任も重大だ。
多くの企業が、食材や人件費の安さを理由に中国を調達先に選んでいるが、
低コストを追求するあまり、安全面に目をつぶることは許されない。
チェック体制を再検証し、費用はかかっても、監視要員を現地に常駐させるといった踏み込んだ対策を検討するべきだ。
消費者への情報開示の方法にも改善の余地がある。
食品表示法が来年施行される予定だが、加工食品の原料原産地表示の対象品目拡大や、
外食での表示方法などが検討課題として残されている。
輸入食品への依存度が高まった現在、消費者が原産地などの正確な情報を求めるのは当然だ。
必要な情報の提供を「消費者の権利」と明記した新法の趣旨を尊重し、所管する消費者庁は表示の充実を図らねばならない。
企業にとっては負担になるだろうが、消費者の判断材料を増やす努力を必要なコストとして受け入れる姿勢を求めたい。