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毎日新聞 2014年07月21日 07時30分
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英科学誌ネイチャーのSTAP細胞論文(今月3日号で撤回)に掲載された万能性を示すグラフが、著者らが
過去に投稿したほぼ同じ内容の論文のグラフの一部データを除いた形になっていたことが分かった。過去の
論文のグラフから消えていたのは、万能性が落ちたように見えるデータ。著者たちが不都合なデータを意図的
に削除した可能性もある。専門家は「科学的な判断を誤った方向へ導く恐れがある」と指摘する。
◇過去審査で指摘
毎日新聞が入手した過去の投稿論文と審査(査読)に関する資料を分析した。小保方(おぼかた)晴子・理化
学研究所研究ユニットリーダーら多くの著者が所属する理化学研究所は、掲載論文の再調査を検討しており、
データの扱い方が適切だったか調べる必要性も浮上しそうだ。
問題のグラフは、弱酸性の溶液にマウスの細胞を浸し、細胞内で万能性に関わる複数の遺伝子の働きが変
化する様子を示す。一般に、これらの遺伝子が従来知られる万能細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」レベルに高ま
ることが万能性の一つの証明となる。掲載された論文は、7日目までの遺伝子の働きが高まるデータを示した。
一方、著者らが2012年4月以降に米科学誌セルなどに投稿した論文は、7日目までの同じグラフに加え、1
0日目、14日目のデータも掲載。しかし、10日目以降のグラフは遺伝子の働きが落ちていた。これについて、
過去の投稿時の複数の査読者が「なぜ働きが弱まるのか」と指摘。「細胞が万能性を失ったか、別の細胞に
変化した可能性などを示すグラフだが、著者は注意を払っていない」など批判的なコメントもあった。
実験で得られたデータを論文に掲載しないことは、データの改ざんなどとは異なり、不正とはいえない。しかし、
万能細胞に詳しい中辻憲夫・京都大教授は「万能性遺伝子の働きが弱まったとすると、一時的で不完全な初
期化だったなどの解釈もできた。このデータの有無によって論文の結論への判断が変わった可能性があり、
データの扱いとしては不適切だ」と話す。
掲載論文の執筆にあたった理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長は取材に「過
去の査読内容は読んでいない」と答えた。小保方氏は、代理人を通じた問い合わせに回答しなかった。【須田
桃子、八田浩輔】