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ワタミ前会長の渡邉氏、ブラック批判に憤慨「ふざけるな」「赤字は風評被害」
居酒屋チェーン「和民」を展開するワタミは6月29日、東京・品川のTKPガーデンシティ
品川で株主総会を開催した(詳細は、6月30日付商事専門サイト「さくらフィナンシャルニュース」参照)。
総会は大きな波乱もなく、会社が提案した取締役の選任など4議案は賛成多数で可決された。
桑原豊社長は96.89%の賛成を得て取締役に再選された。
質疑応答の時間に、教員をしているという株主が、生徒から頼まれたとして次のような質問をした。
「『24時間365日死ぬまで働け』というスローガンは、今でも理念集に入れているのか」
この質問に対し、清水邦晃・常務取締役は「創業者の想いは、(居酒屋の)お客様や(介護施設の)
入居者のことを忘れるなという意味だ」と説明した。ちなみに、5月に外部の有識者委員会からの
指摘を踏まえ、創業者で現参議院議員の渡邉美樹氏がまとめた理念集から「365日24時間死ぬまで働け」
という文言が削除され、「働くことは生きることである」と改められた。
ワタミの労働環境が社会的に問題視されるようになったのは、同社の女性社員が過労自殺したことがきっかけだ。
2008年6月、和民・京急久里浜店(横須賀市)で働いていた当時26歳の女性社員が、入社のわずか
2カ月後に自宅マンションから飛び降り自殺した。亡くなる1カ月前の日記には「体が痛いです。体が
つらいです。気持ちが沈みます。早く動けません。どうか助けてください。誰か助けてください」と、
心身の限界に達した彼女の悲痛な叫びが記されていた。
遺族の求めにより審査していた神奈川労災補償保険審査官は12年2月14日、「時間外労働で適応障害を
発症したのが原因」と業務と自殺の因果関係を認め、次の内容を主因として労災と認定した。
「午後2時から翌朝5時までの勤務が1週間続く長時間労働により、1カ月当たりの残業が140時間に達し、
2カ月間の残業は227時間に及んでいた。休日には午前7時からの早朝研修会やリポート執筆が課され、
休日や休憩時間が不十分で極度の睡眠不足の状態に陥った。さらに、不慣れな調理業務の担当となり、
強い心理的負担を受けた」
審査官が過労自殺と正式に認定したにもかかわらず、当時会長だった渡邉氏は謝罪をせずに、
「労務管理ができていなかったとの認識はない」と、開き直りとも取れる発言をしたことから、
渡邉氏への批判が広まった。
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