05/12/28 16:50:14 yIxonQDP0
帝国パンプキン許し
ダンス会場の宴より六日後。陸情一課の魔手から部下たちを守りたい少尉だが、
課長より命を受け、職場より離れた料理店を訪れていた。
街のカボチャ料理店。門前にて笑みを浴びせ、悠々と厨房に踏み入ると、
身長より長い巨大な両刃包丁の一降りを見せ付ける。
ほどなく奥へと通されると、店長は包丁指導の礼金なるものを差し出した。
間の月の十五夜近き頃、看板にカボチャ料理と書かれた料理店を巡り、
同様の所作を繰り返す。
これはカボチャ許し鋏参りと恐れられた、若き日の課長の食事調達法であった。
准尉で手分けしていたこの仕事を、この冬は少尉一人で行なわねばならなかった。