04/11/05 23:18:01 foZxP+kT
むしろだな、ここはあえて言葉少なに…
なお、>>900の一部、引用させてもらいました。
長年の心の傷が、カズキによって癒された斗貴子。
今の彼女にとって、唯一後悔していると言えるものがあるなら、それはカズキを戦いに巻き込んでしまったこと。
場所は降るような星空の下。かつて、二人で朝日を迎えた丘の上。
全ての戦いが終わった今、彼女が言うべきこと…言いたいことは―
自分が何が言いたいのか、そんなことカズキはとうにお見通しだろう。互いに言わなくてもわかる。
しかし、だとしても、ケジメとして言わなければならないことがある。
たった一言。あらゆる意味を込めて―
「カズキ…すまな―」
最後まで言うことなく、言葉は遮られた。他でもないカズキによって。
斗貴子の頭を胸にうずめる形で、カズキは力強く抱きしめる。
全ての戦いが終わった今、彼が言うべきこと…言いたいことは―
たった一言。あらゆる意味を込めて―
「斗貴子さん…ありがとう」
この日この時、斗貴子は泣いた。
嗚咽を堪えようとしても、とても無理な話だった。
あの日以来の、しかしあの時とは全く違う、心の底から暖かくなれる涙を流した。
そこにあるのは、戦士のものではなく、歳相応の少女の顔。
取り繕うものもなく、子供のように顔をクシャクシャにして…カズキの胸の中で、思い切りむせび泣いた。
カズキは何も言わず、ただただ抱きしめてくれた。
今まではどこか申し訳なかった彼の優しさも、今は素直に感謝することができる。
一頻り泣き叫んだ後、斗貴子は目じりの涙を拭い、こう告げた。
たった一言。あらゆる意味を込めて―
「カズキ…ありがとう」