06/08/25 22:51:31 0
悟空たちは翌日も、助けられた妖怪の村にいた。
村人達と過ごしていると、今まで当たり前だった戦いの日々が嘘みたいだ。
かつては「お尋ね者の三蔵一行！」として命を狙われていたのに。
自分達は今「三蔵一行」じゃない、そのことが三人の心に影を落とす。
そこへ彼らを助けてくれた女の子が来て、貴重な水を差し入れてくれる。
丘の向こうにあるオアシスは人間達が占領しているため、ずっと遠くまで水を汲みに行かなくてはいけない。
異変が起こるずっと前からそうなのだという。
そのオアシスにいる三蔵達は、水を狙う妖怪の集落を全滅させる手伝いをしてほしいと頼まれていた。
しかし町の人間の言葉に何かひっかかるものを三蔵は感じる。
その頃、妖怪の村では新たな異変が知らされていた。
川が干上がり、一体の野山もすっかり枯れているというのだ。
妖怪だって水が無くては生きていけない。追い詰められた村人達の妖気が高まっていく。
人間達を殺して水を奪おうと言い出す彼らを、何とか止めようとする悟空たち。
相手が備える武力の大きさに、戦っても彼らが無事ですむ訳ではないことを説き、
自分達は車を持っているから遠くの水場でも調達に行けると話す。
一旦はそれで収まるが、それで問題が終わったわけではない。
よそ者である悟空たちは、いつか村を出て行く。
どこかで人間との戦いに答えを出さなきゃいけないという、一人の村人の言葉が重くのしかかっていた。
つづく