06/08/21 23:25:22 0
★ヴァンパイア騎士バレ⑥★
涙を流す壱縷に優しく手を差し伸べ、
「 子供みたいに泣いて… お前本気で私を好きだったのか…
一人になるのが怖いなら…一緒にいてやろうか…? 」と優しいまなざしを向ける閑。
狂い咲きの桜の下で、閑と壱縷が出会った頃の回想シ-ン
-- みずから私に懐いてきた人間はお前が初めてだ… お前も生きる意味を失ったのか…?
滴り落ちる血、壱縷の後を追ってきた零は、閑の血を口にしたらしき壱縷を見て驚愕する。
閑は、壱縷の腕の中で砕け散ってしまう。
「 お前が殺したんだ… 零… お前と… この黒主学園が… 」
そう言い残すと壱縷は窓から逃げ出して行った。
架院は優姫の制止を振り切り、閑の部屋に向かっていた。
閑の部屋に辿りついた架院が目にしたものは、
閑が砕け散った後に残された欠片と、ブラッディーローズを手にしたまま呆然と佇む零だった。
「 錐生… まさかお前が…? 」と疑いの言葉をかける架院。
場面が変わり、枢はチェス台の上で短剣に貫かれた女王の駒を見下ろしていた。
「 …終わりましたね… 貴女とのゲームが… …閑さん… 」
そうつぶやきながら、女王の駒に触れ、昔に記憶に思いをはせる。
檻に閉じ込めらた今より若い閑と、その場を通りかかった幼い枢。
「 可哀相に… 坊や 」と話しかける閑、「 あなたが檻で育った 狂い咲き姫…? 」と言葉を返す枢。
「 玖蘭の次期当主などに生まれてしまって 可哀想… 」と閑はつぶやく。
昔を思い出しひとり枢は「 貴女も… 」とつぶやくのだった。 終わり