05/05/29 06:21:37 0
>>396
プーシキンが創作旅行に出ている間、ナターリアと姉エカテリーナは
3日間にわたる皇帝主催の大狩猟会に出かけていた。
「漆黒の狼」を仕留めようと貴族や見物の貴婦人らが活気づく中、
ナターリア達の元に、移動の伝令としてダンテスがやってくる。
ダンテスはナターリアを見ながら、オランダ大使の忠告を思い返した。
「皇帝のお気に入りの女性に近づかぬよう気を付けろ」
また、大狩猟会は皇帝にとって女性との色事を楽しむ場でもあるとの事。
しかしダンテスは意に介さずナターリアに話しかける。
他の婦人達よりも、ナターリアが固苦しくなくて自然で一番感じがいいと思うダンテス。
(オレの今一番のお気に入りの女性だ)
一方、ナターリアは経験のない想いを持て余していた。
ダンテスが近づいて来ただけで胸が苦しくなるほど意識してしまう。
疲れた、元の自分に戻りたいと願うナターリア。
3日目は午後の狩りは雨で中止、ダンテスがナターリア達を宿泊する館に送ることになった。
意図してナターリアと2人きりになるダンテス。
実はダンテスはこの時、皇帝からナターリアを連れてくるよう密かに命を受けていた。
途中、洞窟で一旦雨宿りをする2人。
自分を意識して緊張するナターリアの様子に、ダンテスは心揺れる。
ただ自分と2人でいるだけでこんなに緊張するような女性。
1年前皇帝からナターリアを守った夫プーシキンがいない今、
皇帝の求愛を避けられず、彼女の意に反して事態が進行してしまうだろう。