04/04/13 02:24 n6NadezZ
書き出しだけでいいなら晒せたりします
勇者と呼ぶにはレベルが低い気もしますけどw
腐女子設定です、はい
天気雨の夕暮れの事だった。太陽がビルの屋上に沈み、ビルの屋上に配されたネオンライトが下品な光を放ち始めた夕暮れに、ある高等学校の屋上に少年が壁を背にして座り込んでいた。
壁に「立ち入り禁止」と関われていたであろう看板が、幾重にも塗り重ねられた殴り書きをされた状態で設置されていた。転落防止用のネットが屋上の4辺を囲んでいる。
よどんだ色の酸性雨が、彼の頭の上ではじける。幸い屋上には天井がある。
ネットの上部同士を繋ぐアクリル板が天井の代わりを果たしている。アクリルを叩く雨音に少し身じろぎしながら、太陽の輪郭が透けてみえる天井を見上げた。
快晴に近い曇り空だった。
影が差した。光をさえぎる何者かが少年と太陽の逢引を妨げている。
少年はうっすらと瞳を開いた。眼前をさえぎるワンピースを見つめ、それから上を向いた。曖昧な笑みを浮かべた少女が、ワンピースに麦藁帽子をかぶり少年を見下ろしていた。
梅雨時の湿り気がシャツをべたつかせていた。しかし少年の体は、湿り気とある種の興奮によって汗ばみ始めていた。
サイズの合っていない半袖シャツから覗く腕は、細く青白い。日光を好まない人間特有の肌だ。少年はターコイズグリーンの髪を掻き揚げ、少女の顔をじっと凝視した。
これから忘れようとしていた顔だった。忘れようと努力していた顔だった。少年は気落ちしたように目を伏せた。
かすかに焦げた麦わら帽子の臭いを漂わせながら、少女は少年の横っちょに立った。少年は、壁に背中を預けながらゆっくりと立ち上がる。こうして並んでみると少女はいかにも華奢で小さい。
少年も華奢ではあるが、少女よりも頭2つ分ほど大きいせいだろうか、体躯は細くともひ弱には見えない。
「ここから飛び降りた飛び降りた子、どこいったんだろうね」