06/10/06 09:18:05
ネギま!とDのクロス書いている人が、おそらくこのスレをみて、なんとなく思いついて書いたらしい
>アルクェイドの描写
それでも女性は巨木の影から出た。月の蒼い光を遮る黒から飛び出た女性は、純粋に美しかった。肩の当たりまで伸びた金色の髪は、まじりっけの無い黄金を無二の名人が縒った様に細くしなやかだった。
その名人も、二度は同じものを縒ることは出来ないだろう。白く色づく肌は、薄絹の手触りとしっとりとした柔らかさを併せ持っているに違いないと見えた。傾城の美女も、顔を赤らめるかのように美しい肌だ。白い色は、万年雪のもっとも純粋な部分だけで敷き詰めたようだ。
瞳に色づく赤は、最も鮮烈な血の色を思わせたが、不思議とおぞましさも恐ろしさも無かった。人類の歴史上、最も才能に恵まれた画家の筆からなったであろう顔立ちは、一目で心奪われても仕方がなかった。男は恍惚と見惚れ、女は羨望と敗北を認める。
どちらかと言えば西洋的な顔立ちといえた。
白いタートルネックのセーターに、紫のロングスカート。足元は意外とありふれたパンプスだろう。華美な装飾も無く、地味といえる衣服のコーディネートだが、それでも身に付けた女性の美しさと活力とが輝きを与えていた。
>Dの描写
男? そう、新たな影は男だった。鍔広の旅人帽(トラベラーズハット)を目深に被り、そこから緩やかに波打つ黒髪が、風に踊る絹糸のように零れていた。170センチ弱あるアルクェイドよりも、拳一つか二つ分くらい背が高い。
逞しくしなやかな体躯を、黒いロングコートで覆い、腰に戦闘用の万能ベルトを巻いている。黒い上下は首元も手首も覆っている。月の光も太陽の光も吸い付いて離れまいとするような肌は、わずかに露出した首から上の顔と、手首から先しか見えない。
天上の職人が厳選した闇と氷とを血管と骨に形作り、夜そのもので肉体を作ればこうなるかもしれない。あるいは、美を司る神が造詣の神と契り、万も子をなせば生み出すこと適うだろうか。
どこまでもはるか彼方を見ているようなまなざしを湛えた黒い瞳に、青年はアルクェイドを映した。
長文失礼しました