05/01/30 20:51:27
第百十一話ネタバレ
其の四 神剣をつくる
ジエメイの父とギリョウは剣鍛に入り、ジエメイは母にうしおに助けられたときのことを話す。
そしてとらは何かこの国を懐かしいといって外に出て行ってしまった。
いまだ上半身に何も着ていなかったうしおに上着を羽織らせるジエメイの母。
それが嬉しくて気恥ずかしくなり、うしおも外に出て行ってしまう。星空の下、にやけるうしお。
朝、伸びをしているうしおの下に血塗れのとらが帰ってきた。周辺の妖怪の返り血だという。
とらが言うには強力な妖が近くにいるため、おびえているのだという。町の中に…白面の者がいる。
そこにジエメイが現れ、自分たちは町から追放されたのだと語る。
再び町に戻るためにジエメイの父は今回の神剣を鍛えた者に神職を与えるという君命に臨んだ。
しかしジエメイの父は優れた鉄を上手く纏めることができず悩んでいた。
するとギリョウが修行で学んだ暗黒の術なるものを知っているという。
問う父にギリョウは干将と莫邪の逸話を伝える。それを聞いて喜び勇む父親。
妻のコウシは躊躇うことなくそのきれいな髪を切り、夫に渡す。意気揚々と火事場に戻るジエメイの父。
しかしギリョウはその光景を複雑な表情で見ていた。そして四日の時が流れ、ついに神剣が完成する。
それをジエメイの家族と共に喜ぶうしお。だが――
だが、うしおは忘れていたのだ。あの男の姿を―
血の涙を流しながら剣をうつ男。
それはこの家族の行く末を暗示していたのではなかったろうか。
そしてまた―とらのいった通り、城の奥で、最強の妖が、息づいていることを―――