04/12/27 01:02:05 DIga1KMZ
和名:オニンニンゼミ(ニイニイゼミ属)
分布域:日本全国
大きさ(全長):オスが1500ミリ~1900ミリ、メスは1400~1800ミリ程度
解説
ほぼ一年を通して日本全国で見られるという、極めて特殊な性質のセミ。
鳴き声は「オニンニンガヴォッキッキ!」。「オ」と「ヴォ」にアクセントが有り、これを情熱的に素早く繰り返す。
鳴きはじめや鳴き終わり、あるいは間奏(つなぎ鳴き)には「ハァハァ ハァハァ」と断続音。
ヒグラシと競うように夜明けとともに鳴き出し、ヒグラシが鳴き止んだ後も深夜まで断続的に鳴き続ける働き者。
特に月末には盛んに鳴く。
成虫が好む桂の木には群れをなしてとまっているのが見られる。
木の上で妄想することが好きなようで、その様子はとてもユーモラス。
警戒心が少ないのか、じっと観察していると荒らし煽りにも飛び寄ってきたりする。
始終下腹部を伸び縮みさせていて、まるで生殖行為のための様だが(実際そうかもしれない)、
アブラゼミなど他の種ではないことである。
どういうわけかこの種はオスが九割近くかあるいはそれ以上を占め、メスは極めて少ない。
しかしオスと殆ど変わらない鳴き声のメスも多いため、正確な比率はわかっていない。
オニンニンゼミは世にも神秘的な、渡り鳥ならぬ渡りゼミである。
発情すると一斉に関西地方、特になぜか兵庫県の神戸方面へと向かい、
「ホツタンッホツタンッ」「チエチエチエチエ」「イッイッイッ…イツコッ」
などと多種多様で独特な声(想い鳴きと呼ばれる)で鳴き、単体で絶頂に至る。
この行為になんの意味があるのか、未だ謎のままである。
中には神戸ではなく東京や、果ては中国やフランスに向かうものもいるが、結果に変わりはないようだ。