06/02/10 18:26:46 OUhZX5Dl
たった一人生き残った少女。
自分たちのミスが大勢死なせたことには代わりがない。
なぜこうなったのか。すべては自分のミスのせいだ。こうなったのも全部。
生涯忘れないだろう。忘れられるはずがない。
一人生きている。そう彼は言った。
一人でも。
その子は生きて。奇妙な運命をたどった。
戦士となり、反逆者となり、そして日常の世界へ。
彼にとってその子は希望だった。そしてもう一人の少年も。
希望。私は希望をもっていない。
「あなたは強くていいわね。」
そう言ったら、彼は少し困ったように笑った。
「もう…そんなに強くない。それに戦えない。」
彼だって、あのときのことは忘れてなどいない。
自分ばかり傷ついているように思うのは間違いだ。
私は彼の背に頭を寄せた。
「ごめんなさい。意地悪が言いたかったわけじゃないの。」
彼と生きていこう。
彼は本当に素敵な人だから。
過去は消えないから。生きていくことで希望は見つかるのだから。