06/09/06 23:41:39 tHCex/eO
「ユキ、警察の人が、冥の行きそうな場所に心当たりはないかって」
「冥の行きそうな場所は全部見たよ・・・あのこ引っ込み思案であんまり遠出はしなかったのに・・・・待って。なにをやってるの?」
「とりあえず川を捜索するって」
「やめて」
ママは大きな声で叫びました。それは泣き声のように響きました。
それからそれを小声で何度も繰り返しました。
「やめて。やめて。川さらいなんて。あのこが沈んでるなんて言うの!?」
「おちつけ、ユキ! もしかしたらほんとに川に落ちたかもしれないだろ!?」
ママは頭を横に振りつづけ、声を出さずに唇を動かしています。みるからに息苦しい様子です。
そんなママの肩をパパはきつくつかみました。焦点の定まらない目をまっすぐに覗き込みます。
「そしたらオレたちが探してやらないで誰がさがしてやるっていうんだよっ」
「ああ・・・」
ママは両手で顔を覆いました。
「冥くん、冥くんごめんね許してね・・・ボクがうちの子じゃないなんて言ったから」
「ユキ・・・」
パパはママの肩をきつく抱きしめました