04/08/08 16:44
「アスカー、ごはん出来たよー・・・」
エプロンで手を拭きながら、同居人を呼んでいた少年の、
スリッパのパタパタという音がぴたりと止まる。
長い西日の陽だまりに両足を突っ込んで、夕焼けに負けじと鮮やかな髪を
大きく扇型に広げて眠る少女の姿が、少年の視線の先にあった。
音を立てずにそっとスリッパを脱いで、少女の脇にひざを付き、
数瞬だけ、寝顔を見つめてからそっと声をかけた。
「アスカ、起きて。ね、ごはんできたよ」
うーんとうなってから、少女は右目だけをわずかに開けて、
至福のひと時を邪魔した者の顔を確認してすぐ目を閉じた。