ss創作スレat EVA
ss創作スレ - 暇つぶし2ch2:アンデルセン
04/06/19 04:08 CIFFNrrq
最初はただ怖かった。
後は、感情が少しづつ摩耗して磨り減って行き、何も感じなくなった。
シンジは考える。
確かに生きていきたい。
でも、同じように生きていたくない。

隣の部屋ではアスカが大音響でありふれたPOP曲を掛けっぱなしにしているのが、
薄くもない壁を伝わり来る。
泣いている、多分暗い部屋で身をよじらせ、喉の奥から嗚咽の声を上げている。
「…だからどうしたって言うんだ、っ糞…」
理由は分かっている。
今日のシンクロテストの結果が思わしくなかったのだろう。
最近、少しづつアスカのシンクロ率が低下している事実は、知らぬものはなかった。
だけれども、他人を気遣う余裕なんて、今の自分には無いし、彼女だって自分の事
を気遣ってくれたことも無い。
それに、正直他人が不幸に陥る事は、相対的に自分の欲求を満たしてくれる。
露悪的に口元を歪め、軽く嘲笑った。

3:アンデルセン
04/06/19 04:09 CIFFNrrq
それよりもだ。
シンジは目の前の分厚い書類の束に、目をやった。
何故か、今日、部屋に帰ると机の上に無造作とも言える状態で、その書類はおいてあった。
表題は、人類補完計画要綱とだけある。
最初は手にとり、ぱらぱらとめくって拾い読みをしてみた。
EVAという単語やNERVなど、良く知っている単語も頻発するが、平易な日本語でかかれた
寧ろ要綱というよりも、何かの読み物に近い内容だった。
人類補完計画…父さんが、いや父が、リツコさんが何時か口の端に乗せていたその言葉。
シンジは「…人類補完計画…か」とその言葉の韻を確かめるように、言葉を舌の上で
転がした。
韻は悪くない。
だから、読んだ。

突拍子の無い、三流のSFじみた事、それがその書類にかかれている全てだった。
一度はゴミくず入れに投げ捨てようと、手を伸ばしかけた位だ。
だけれども、こんな事を考えるのはキチガイだ。
そして、僕はそのキチガイの息子で、こんな悪夢じみた世界で足掻いて、もがいて生き
ている。
「死んでもいいんだけどね」そう口では嘘ぶくが、彼も又、その父と同じように、最も
弱く、それ故醜かった。
途中、何度か疑った。
ミサトさんや、或いは精神的に追い詰められているもう一人の同居人の仕業では無いかと。
しかし、ミサトはこのように物事を行う人物では無く、アスカはあのザマだ。
現在凍結中の初号機の変わりを勤めるのは、レイになることだろう。
シンジはレイに対し、言葉では上手く言えない感情を抱いている。
それに比べアスカに対する感情は簡単至極。
性欲と、寂しさの穴埋め。
でも、レイに対しては寧ろ、彼女に抱かれながら永遠の眠りにつきたいと思う、そんな
憧憬。
死が常に、シンジの目の前をたゆたっていた。

4:アンデルセン
04/06/19 04:11 CIFFNrrq
等しき死をもって、全ての人間に福音を与える。
このテーゼにシンジは惹かれた。
死ぬのでは無く、他人を恐れる必要もなく、かといって寂しさを抱えていくのでも無く、
全てが充足した世界へ、この肉体を捨て、永遠に。
まるで天国だ。
そう思った。
それから、ミサトにもアスカにも誰にも誰にも秘密に、その要綱が擦り切れる位読んで読ん
で、そして又読んだ。
丁度、何度目かの読み返しの時、シンジは地獄をまた一つ経験した。

始まりは些細な事に過ぎなかった。
ミサトが留守な何時もの夕食後。
その日は何時にもまして、アスカは苛立っていた。
だから、シンジとしても出来るだけ彼女に触れないよう、会話も少なめにし、早々に切り上げ
るつもりだった。

5:アンデルセン
04/06/19 04:13 CIFFNrrq
或いはそれが気に食わなかったのかもしれない。
「何、アンタ、びくついてるのよ。ばっかみたい」ぽっりとアスカがそう吐き捨てた。
食後のコーヒーを、メーカーで沸かしながら、シンジは出来るだけ視線を合わさないよう、な
にげない風を装いながら「いや、その…ただ、癖だから」そして直ぐにこう続ける。
「気に障ったんなら、ごめん」
アスカは苛立たしげに足を揺すり、ふんと鼻をならす。
そして突然、真顔でシンジに問う。
「…アンタ、シンクロ率80を超えたそうね。は!1ヶ月もエヴァの中に溶けてりゃ、当たり前
よね」
「ああ、うん」
「馬鹿にすんじゃないわよッ!」
アスカは突然、いきり立ち、椅子を蹴って立ち上がり、シンジを睨み付ける。
シンジは突然の事で、ただおろおろと立ち尽くしていた。
「馬鹿になんてしてないよ。そんな事…なんで」
「あーあ、もうどーせ私達なんてお払い箱なのよ。ファーストも私もね。要らない人形はゴミ箱
行き。無敵のシンジ様一人で頑張れば。でもね……」
目まぐるしく、おどけて見せたと思うと、目に涙を滲ませ、シンジににじり寄る。
舌で上唇を一回、舐め、アスカは言葉を切り、シンジの目を見た。
シンジはぼんやりと、アスカの唇や胸の辺りに視線をさ迷わせ、性的な昂ぶりを感じていた。


6:偽神 ◆v0PFBKCB8I
04/06/19 04:13
では遠慮無く使わせて頂きます。
…つか書きかけの原稿を何とか汁、自分!
まぁ気楽に行くさ。


7:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 04:14
アンデルセン氏って引退したんじゃなかったけ?

8:アンデルセン
04/06/19 04:15 CIFFNrrq
と、アスカの皮肉まじりの表情は消え、全ての表情を消して言う。
「アタシの下着でオナニーをしている、アタシの体をじろじろ見る、アタシの風呂の残り湯に
浸かる、アタシと同じトイレを使う、アタシと同じ家に住む、アタシと…アタシと同じ空気を
吸う! 吸うなっ! もう嫌ッ! 何もかももう嫌ッ! 死ね、消えてしまえ!」
最初は只管ごめん、申し訳ない、ごめんなさいアスカと繰り返していたシンジだったが、次第
に馬鹿らしくなって来た。
だから何だというのだろう。
同時に、自分の存在の卑小さと醜さに対する怒りと羞恥が外部に溢れ出る。
それでもアスカのように怒鳴り、感情を吐露する勇気も無く、嫌味を連ねる。
曰く、アスカの感情のヒステリーを僕に当てられても困る。
曰く、言われた事をした覚えは無い。
嘘、嘘と甘い砂糖でコーティングした、彼女を傷つける為の棘。
シンジとて、言われて腹が立たない訳ではない。
だから、こうして感情を少しづつ吐き出す。
でも、どうしてだろう。
吐き出した筈の毒が、少しづつ体に蓄積して行くようだ。
沸騰するような怒りを、シンジは感じた。
アスカに対してもそうだが、周りを取り巻く全てに対して。

9:アンデルセン
04/06/19 04:16 CIFFNrrq
「寂しいのは嫌なんだよ。ねぇ、お願いだから僕を嫌わないで、好きでいてよ」
狂おしい視線をアスカに向け、シンジはテーブルに体重を乗せながら、ふらふらと立ちつつ
アスカと対峙する。
「君の事だって、分かろうとした。でもアスカは何も話してくれないから、分かるわけない
んだよっ!!」
感情が昂ぶり抑制が外れて行くのが、シンジ自身にも感じ取れた。
けれども、全ては止められない。
行き着く所へと行くまでは。
アスカから、怒りや悲しみは消え、磨り減った心は何者をも拒絶し、拒み、そして…何も無かった。
超然と、シンジを見下ろすように、彼を見ている。
「何か言ってよ。ねぇ…言ってよ!」
けたたましく、フローリングに椅子がぶっかる音。
シンジは自分でも自身を抑えきれず、溢れ出る激情のまま、椅子をなげ、テーブルをひっくり返し、
手に触れるもの、全てを壊していった。

「…哀れね」

そして、シンジはアスカの細首を絞めながら、自分自身に絶望し、同時に他者を自身の手により
壊す喜びに打ち震え、自らが望むように破滅へと突き進んで行く。
破滅こそが、無こそが、自分も他人も全てが居なくなる事を望み。
永遠に安らう、安らう。
シンジは世界に疲れた。

こうして、補完への扉は開かれる。
全ては人類の、ゼーレの御心のままに。

10:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 04:20 CIFFNrrq
ショートショートでした。SS・FF創作スレが無かったので
立てました。
まさか立てられるとは思わなかったので、適当な1で申し訳
ありません。

>>7
一応引退してます。
エヴァに対する興味はまだあるんで色々オチしてましたが、
板の活性化を願い、このようにスレを立てました。
当方も、気が向いたら何か投下出来たらと考えています。
では。



11:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 12:29
私物化…

12:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 12:57 +jtyvpgY
まぁ私物化といっても 糞スレ立つよりは良いんじゃない?
つーか 面白ければ認められるし つまらなければ叩かれる そんな感じ。

13:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 12:59
つーか、他に誰か書けよ

14:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 13:02
趣向が違うので書けない。

15:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 13:07
趣向なんて関係ないじゃん。
誰か、断罪スパシンとか甘LASとかを書いちゃえ。

16:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 13:12
ぬるぽ

17:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 13:43
こんなエヴァ小説が書いてみたいスレでいいんじゃね?

18:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 14:15
>>17
そこ、連載みたいなことをすると叱られちゃうじゃん

19:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/19 14:36
短い短編でしたね
また新しいの書いてください
個人的には断罪ものが読みたいです

20:ぶっちゃけパクリ!
04/06/20 08:48
純愛3才

幼稚園に行き始めてイロイロ報告するシンジ

シンジ「あのね  レイちゃんがね レイちゃんがすきー」

ユイの話では告白されたらしい

ゲンドウ「ほほう レイちゃん好きか?」

シンジ「すきー ちゅうするよ」

ゲンドウ「いいなぁシンジ」




21:ぶっちゃけパクリ!
04/06/20 08:49
数日後

更に別の女からも告白されたらしい

シンジ「アスカちゃんがね すきーって いってた」

ゲンドウ「ほほう」

シンジ「ちゅーしたよ」

ゲンドウ「やるなシンジ。 でさ、レイちゃんとアスカちゃんどっちがすき?」

シンジ「…エー」

ゲンドウ「どっちがすきなんだ?」

シンジ「マナちゃん すきー」

ゲンドウ「ドロドロしてきたな 何角関係?」


更に数日後

シンジ「あのねーマナちゃんよりねーカヲルくんがすきー」

ゲンドウ「おホモだち?なんでもありかよ!」

元ネタ
URLリンク(flash2chjp.hp.infoseek.co.jp)

22:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/20 11:07
>>21
                                   ,,,,_    ._,_                     _,,,,,,,_     
      _,,,,,,,,,,,_      _           _、    ,,,,, X.゚'┐  |,.゙'┐        |,'''=,、  l,''r, ,,r″._ .゙┐   
    ,,r・゙~`    ̄'=,  ゙l. =' ,     ,,ト~''x,   .゙l, ゙'l,|  ゙L  ,″.゙l,,,v-x,,、    } リ  } ”  .ifネ  ゙l    
   i″  ._,,,,vv,,,,,、  .゙ト  〕  ゙l   .,,r''°  リ   〕 ″ ‘'=,,.,i´  ゛   ゙゚┐   |   ゙l,, {  |レ_,,,,,, 、 |   
  i´  .,r″    ゚'L .,″ |   | ,,v''°  .,,v・''° .,i´ ,  .m,ケ  .,,,,,〟.でヘ┘2 ̄   .゙'t|  g,゙~^`  |    
  |   〔       .~| .゚L  |   .″   ,v'"     .l、 .,《  りケ  l" ,l゙  亅  ゙ヘv、  |゙゚',lト|,pilllll''广  .゙゚'x,  
  |   |        ,!  〕 |    ._,,  ゙!i、      ~''',,l゙   ,ri,__,,、゙゚'″ ,″    |  | .|, `  ._,,,w*!!llp,,,ト  
  〔   ヒ         ,l° .〕 |   .|゙^.゚L  ゙'ッ,    〔''″  .l″``゙'li、  .,l゙    ,,,,,|  レ゚lレ'  'ヴ゛  ,, ゙ト   
  L  ゙=,,_  ._,,r″ .,l° |   |   ゙┐  ゙''r,,、  ゙l, ,〟 |   ,r°  ゙''i、  ,「.,〟  ._` .,、 ji、 ]|  .}  
   ゙'x,、   ̄~″  ,,r° |   .|    ゙'x,   .,レ  ゚'li゚"  .|  ,r″ .,it,  .゚L .} “゜ .,r'゚゚!,,ll゙’ ,l″ .『  亅  
    ゚'ヘx,,,,,,,,,,,,,,vr・°   ヽ,,,,〃     ゙''=,,,,,i″   ゙l  ,|,r″ ,,r″ ゚!i,,  .〕 ゙L .,x'"  lこ ,ill° ,r  .,l゙   
                                   ゚'''''″~゚"'゙″   ゙¬″  ~″   ~'″゙゙‐'″゚'''''°   

23:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/20 11:49
>>21 GJ。しかし、ゲンドウの口調がちょっとな…

24:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/30 12:01 J8GwHhG+
保守&職人募集age

25:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/06/30 16:05
ストーリーだけ考えて自己満足な落書きさらして、よく恥ずかしくないね。
表現が稚拙すぎる。

26:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/07/01 11:43
評価板でいいじゃん…

27:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/07/04 23:25
あそこ派閥ひどいからな

28:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 02:57
暇なんで、ちょっとss書いてみた、閑古鳥が鳴いてるみたいなんで枯れ木も山の賑わいということで



29:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 02:59
日曜日、シンジとアスカは一日フリーだった。
ハーモニクステストは一昨日、定期検診も前日に受け完全な休暇を取ることが出来る予定になっている。
二人の友人、トウジ、ヒカリ、ケンスケの3人は、普段あまり休日が取れない二人がフリーだということがわかると早速、二人の休日に予定を入れた。
たまには自然の中が良いということで、よくケンスケがミリタリーごっこをする近くの山で、アウトドアの計画を立てた。
ハイキングして昼には飯盒炊爨して、という平凡な計画だった。
確かに平凡だが、友人たちとのそれは大変楽しいもので、五人はクタクタになるまで遊んだ。
夕方になり時刻は五時を回った、五人は疲れながらも山を下り、帰宅を始める。
もし、今日のハイキングが昨日であれば、五人は六時過ぎには自宅に着き、風呂にでも入りながら今日の疲れを癒したのだろう。


30:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:00
山のふもとまで45分、ふもとの駅から自宅の最寄り駅まで10分、六時くらいに帰宅。
五人はそのように予定を立てていた。しかし、これまでと違い、最後の予定は消化できなかった。

「はあ、疲れたな、山は下るほうが疲れるわ」
「もう、鈴原ははしゃぎすぎなのよ」
山を下る途中の会話、トウジは遊び疲れていた。
「でも、楽しかった」
アスカの言葉に、一同黙る。
「今日みたいな日が、あるのはいいわ、ありがとね」
礼を言われた3人は少しはにかんだ。
「ほら、バカシンジも楽しんだでしょ、企画してくれた鈴原たちに礼くらいいいなさいよ」
シンジは多少照れたように
「うん、楽しかった、ありがとう」
「センセにそう言ってもらえると、うれしいわ、なケンスケ」
「そうだな、普段シンジたちには世話になりっぱなしだし、俺たちにできることなんてこんなことくらいだから」


31:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:01
そのときである、急に強い揺れが五人を襲った。
五人は、一瞬で立っていられなくなり、山道に座り込んだ。
アスカはすぐに使途を思い浮かべ、状況の把握に努めようと立ち上がろうとした。
近くで使途が闊歩しているか、攻撃を受けて大地が揺れているか。どちらにせよ、使途を確認せねば、そう思った。
他の四人も、一瞬、頭が真っ白になり揺れから地面にしがみつこうとしたが、そのあと使途をイメージした。
一番初めに、異変に気づいたのはケンスケだった。使途が出現したとなると、アスカとシンジの二人がここに一緒にいることがひどく奇妙に思えたからである。
普段なら、使途が来る前に警報がなり二人は、第三新東京で一番速やかに本部に向かう。ネルフから連絡が来ていないということは、使途じゃない?
揺れが始まって2秒くらいでこのことに気づく
じゃあ、この揺れは
「地震?」
ひどい揺れの中で、ケンスケが自信なさそうにつぶやいた。

そのまま立っていられないほどの揺れが数秒間続いた。一番ひどいときには体が空中へ放り投げだされるような強い揺れだった。
揺れが収まり、五人は蒼白な顔をして地面にへたり込んでいた。


32:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:04
「いまの、何、使途じゃないわよね」
座り込んだまま、アスカがつぶやいた。
「使途が歩くにしては振動が大きすぎる、攻撃にしても同じ、使途だからわからないけど、これまでとは大きさが違うし、揺れが断続的じゃなかった。ずっとゆれが続いてたわ」
「地震かもしれない」
ケンスケが思ったことを口にした。
一同がケンスケの言葉"ジシン"を理解しようとした。
「ジシンってあの地面が揺れるっていう?」
シンジが最近理科の授業で習ったことを思い出し聞いた。

セカンドインパクトで地球は大きく地殻変動を起こした。それこそ、地面が割れるほどの。
もちろんそのとき地震は世界各地で起こり、津波や海面の推移の上昇とともに、多くの人がこの自然災害で命を落とした。
先の二つと違い、地震は内陸部の人や、高地に住む人たちの命も関係なく奪ったため、全世界で地震の被害は広まった。
ただ、セカンドインパクト後、めっきり地震は起きなくなった。まるで地球がセカンドインパクトで満足したかのように。
セカンドインパクト以降、地震は世界で数回も起きていない。しかも、どれも規模はそれほど大きくない。
もちろん、大地の活動というものはセカンドインパクト後もあるので、人間が感じられない微小な大地の揺れというものはある。
ただ、人間が地震と感じるものはほとんど皆無だった。

五人も、地震を経験したことはないといっていい。
知識として、理科の教科書に載っているのを知るだけである。
それも、昔の人が苦労した自然災害という程度の認識しかなかった。
セカンドインパクト以降の子供たちが、秋や冬、春などの四季を知らないのと同じようなものだった。


33:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:05
「うん」
ケンスケがシンジの言葉に自信なさげに頷いた。
「地震って、昔の自然災害のあれよね」
アスカがすぐに自分の記憶のなかから引っ張ってくる。
たしかに、昔はそういう自然災害があったらしい。地面が揺れて、建物が壊れるなどの被害が起きる。
「でも、地震ってもうずっと起きていないんでしょう?」
洞木ヒカリが先ほどの恐怖を感じながら言った。
「でも、パイロットの二人に連絡は来ないし使途じゃないとすると・・・」
ケンスケの言葉に、一同は考えた。
揺れが収まってすでに1分近く経ち、少しみんなの心は落ち着いていた。
「まあ、なんにせよ、ネルフ本部かミサトさんに連絡とってみたらどうや?」
「う、うるさいわね、いまから連絡しようと思ってたのよ!」
携帯のことを失念していたアスカは、すぐに携帯を取り出そうとする。
「ほら、シンジも、あんたはミサトの携帯にかけなさい、私は本部にかけてみるわ」
「うん、わかった」
二人は短縮を押した。

「だめ、本部にはつながらない、コールがかかっていないみたい」
「こっちもダメだ、コールはかかるけど、ミサトさんが出ない」
二人の言葉に、一同が落胆したそのとき、山道を黒服の男が二人駆け寄ってきた。

34:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:06
「保安諜報部のものです、お二人ともお怪我はありませんか」
「あんたたち、遅いじゃない、いままで何やってたの」
「申し訳ありません、今の地震で、今日の警備メンバー八人のうち五人が負傷いたしまして」
「え、やっぱりいまの地震なの?」
「はい、まだ確認をとっていませんが、いままでのところ、使途出現の連絡は受けておりません。最近はなくなりましたが、セカンドインパクト前はよくありました。」
30代前半の男はセカンドインパクト前の地震を何度も経験している。というか、規模の大小はあれ、セカンドインパクト前は、特に日本では、地震は年中起きていた。
「あの、負傷した方は大丈夫なのでしょうか」
シンジが心配そうに聞いた。
「動けない状態ですが、命に別状はありません、今無事なもう一人のメンバーが本部と連絡を取っている最中です。みんな隠れてお二人を警備していたのですが、地形上、怪我をしてしまいました。」
山道以外は斜面が急だったりしたためだろう。
「とにかく、みなさんが無事でよかった。この上、警備対象が負傷していたら、上司に怒られるところでした。もうすぐ迎えが来るはずです」
と、いつもは怖いイメージの黒服が笑って話したので、五人は安心し、その場にまた座り込んだ。


35:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:10

同時刻、日曜日の夕方
ネルフ本部では、多くの機能がマヒしていた。

戦術作戦部部長執務室
葛城ミサトと偶然そこにいた加持リョウジは気を失っていた。
二人の上には、大きな書棚とそこに収めてあった大量の書籍、机の上にあった膨大な書類は部屋中に散乱していた。
部屋の電気は切れていて暗い室内だった。


現在、最新技術の粋を集めて作られた第三新東京市およびネルフ本部は機能を著しく低下した状態になっている。


36:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/20 03:13
とりあえず、ここまで
>>25
の言った状態だと思うので、これ以降はちょっと反応待つです

37:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/07/20 06:02
>>36
とりあえず、ということは続きがあるの?
あっさり目の文体で個人的には好みなんだが、オチもあっさり目な所はちょっち残念。
ということで、ぶうぃしっとしたオチをキボンヌ。

38:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/07/20 08:24
「~た」ばかりじゃなく、たまには「~る」とした方がいいとオモタ

39:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/23 23:58
じゃ、ちょっと続きを

40:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/24 00:00
>>35の続き

本部内実験場

「実験中止!状況把握に努めて」
赤木リツコが叫んだと同時に伊吹マヤは緊急停止プログラムを送るボタンを押した。
エヴァが使用できる武器の強度実験の最中、巨大な揺れが彼女たちを襲った。
立っていたリツコは地面に尻餅をつき、そばにあったコーヒーメーカも倒れ、こぼれた熱いコーヒが湯気を出している。
確認は出来なかった、実験場はもちろん観測ルームも停電に陥っており、明かりがなかった。
「だめです、モニター類全部落ちています」
オペレータの誰かが報告
「先輩、大丈夫ですか」
マヤが暗闇で席から動けずに、リツコの無事を確認した
「誰か明かりを、足元に非常用の懐中電灯があるはずよ」
リツコの言葉で、各自は自分の足元を探り始めた。
そのとたん、観測ルームに明かりが戻った、各種モニターも回復して、オペレータが状況を報告し始める。
「電源は正、副両方とも落ちたみたいです、現在は予備電源にて本部内の電力を供給」
「発令所との連絡が取れました、パターン青は検出されてないようです」
「強度実験は、緊急停止に成功しています、実験データは電源が落ちる直前までのものを確保」
報告を聞きながら、リツコは立ち上がった。
「先ほどの揺れの原因はいまだつかめず、発令所内も混乱しているみたいですね」
マヤの言葉を聞いてかどうか
「発令所に向かいます、実験場はこのまま状態を維持して、発令要員は私と一緒に発令所へ、それ以外は本部内の機能回復に努めて、非常時のマニュアルにそって行動してください」


41:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/24 00:05

第一発令所 地震発生時

発令所は静かなものだった。使途襲来時と違いオペレータたちの多くは、センサーなどの監視で、2週間に一回の日曜勤務をだるそうにこなしている。
外部との交信もほとんどなく、唯一あるのが前回の戦いで倒した使途の回収作業班との交信くらいである。
「コーヒ飲むか?」
青葉シゲルが同僚の日向マコトにマグカップを差し出した。
「お、サンキュ」
「何やってんの?」
「前回の戦術の検証と、新迎撃システムを使用した作戦案の作成」
「おお、作戦部らしい仕事じゃないの、葛城三佐は?」
「葛城さんは自室で、前回の使途戦の残務処理」
「まだ終わってなかったのか、あの人も毎度仕事ためるよな」
「残務処理なんて多少遅れてもいいんだよ、あの人は作戦中の仕事が人一倍できるから」
ニヤっとシゲルの顔が笑った
「で、有能な部下のマコト君としては上司の残務処理をやってあげないのかね?」
「もう十分やった」
「ふーん」
よほど仕事に熱中してるのか、あっさりした返事にシゲルは少々面白くなかった。
「あれ、副指令は?今日出勤じゃなかったっけ?」
「副指令は本日お休みだそうです。先ほど連絡がありました、体調を崩されたご様子でした」
マヤの代わりのオペレータが答えた。
「そうか、大丈夫かな」
とりあえず、上司の健康に心配するシゲル
「お前みたいな部下を持つから心労だろ」
マコトの指摘にそうかもしれない、とつい考え込んだ。

揺れは、それから少しして起こった。
初めのうちは、発令所の人間に混乱は少なかった。
揺れの原因を使途と決め付けていたからだ、停電もつい最近経験している。
だから、一分もせずに電源が予備に変わって回復した後は、使途迎撃の手順を速やかに踏もうとしていた。


42:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/24 00:06

「パターン青の検出がない」
そう言うシゲルにマコトは怪訝な顔をした。そして
「検出器の誤認識じゃないのか?映像や各種観測はどうなっている?」
下の専任オペレータに聞いた。
「どの防衛ラインにも、使途の影すら映っていないようです」
オペレータたちの報告はどれも使途の存在確認できず、だった。
「とにかく、復旧していない箇所の電力の復旧を急げ、葛城さんと赤城博士に連絡はついたか?」
「赤木博士とは連絡つきました、実験を中止してこちらに向かっています。葛城三佐とは連絡がつきません、執務室にコールしていますが出ないようです。」
マコトは自分の部下を直接向かわせることにした。
「指令は二日前から出張、副指令はお休み、とにかくどちらか1人には来てもらわないと」
シゲルはモニターをチェックしながら上がってくる報告を聞いていた。
ネルフが誇る状況把握能力が、徐々に何があったのかを見せ始めた。
使途ではない相手なのだが、第三新東京市が受けた被害を目にするごとに深刻な状況が浮かび上がってきた。特に、市内の状況が映し出させれたモニターは、忙しく働く発令所スタッフの足を止めるほどだった。


43:名無し,が氏んでも代わりはいるもの.
04/07/24 00:08
「で、やはり地震なのね」
中央作戦司令室でネルフの幹部メンバーによる、今回の震災の分析と対応策が練られていた。
といっても、メンバーの集まりは悪く、赤城博士を筆頭に各部の現時点での責任者数人だった。
「はい、震源地は芦ノ湖の向こう側、白銀山のふもと、地震の強さを表すマグニチュードは8.1だそうです」
「8.1か大きいわね」
マヤの報告にリツコがつぶやいた。
「8.1とは、どれくらいの大きさなんでしょうか?」
シゲルが聞いた、他のメンバーもいまひとつ地震に対する知識は薄いようで、マグニチュードを聞いても実感がわかない。
「地震の規模としてはかなり大きいわよ、もちろんセカンドインパクト時の冗談に比べたらまともな値だけど、
セカンドインパクト以前の記録として、1923年の関東大震災時がM7.9、1995年の兵庫県南部沖地震が7.2だったかしら、
もちろん建物の耐震性や技術の向上で被害の状況をそのまま比べるのは間違いだけど」
「しかし、上の被害は尋常じゃないですよ。使途と市内戦をやってもああは被害が出ない」
「セカンドインパクト以降、地震はさほど起きなかったし、地震に対する耐震性や免震性の技術は、
セカンドインパクト直前の1999年以降ストップしていると言っていいわ、それにここは使途に対する防衛構造を第一に考えられているし、
耐震性なんてひどいものだわ、装甲ばかり厚くしていった都市だから、
どんな状況になっているのか、これからどんな二次災害が出てくるか予想しにくいわね」

地震発生から10分、ネルフはこの震災と戦い始めた。


44:電脳プリオン
04/08/29 13:39
SSが何の略か知りたい。。

45:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/29 16:19
サンデーサイレンス

46:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/30 23:09
>>44
SPECIAL
SEX-MACHINE

47:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/31 15:05
台本だけだが書いてみた。


アスカ「本当にあんたってバカよね」

シンジ「バ、バカとかいうやつが本当のバカさ」

アスカ「プッ、なに必死になって言い返してんの。もしかしてあんた知障?」

シンジ「そ、そんな差別発言。いくらアスカでも許さないぞ」

アスカ「てゆーかさ、あんたって人一倍トロいくせになんでいつも人一倍必死
なの? 自分で才能ないってわかったら、さっさと降りちゃえばいいのに」

シンジ「な、なんてことを……アスカ! 前言を撤回しろ。さもないと」

アスカ「キャハハ、なにマジレスしてんのよ。あんたキモすぎwww そんな
の冗談に決まって……え?」

シンジ「アスカァ! 僕をバカにするな、バカにするな~!」

アスカ「な、なにすんのよ。やめてよ、息が苦しい。あぐっ……」





シンジ「ハァハァ……ア、アスカが悪いんだぞ。アスカがあんなひどいことを
言うから。ハ、ハハハ……ぼくは間違っちゃいないよね……ハハハハ、そうさ、
そうに決まってる……」

48:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/31 16:32
>>47に続き作ってみた。

「アスカ、待ってったら」

 学校からの帰り道。ひとり早足で帰宅の途につくアスカを追いかけるように
シンジが後ろからついてくる。

「近寄らないでよ人殺し」

「そ、そんな言い方って。あれからぼくも間違いに気づいてちゃんと救急車を
呼んだんだから」

「聞く耳持たないわよ。それ以上近づいたら警察に通報するからね」

「勘弁してよ、警察なら昨日嫌ってほど聴取を受けたよ!」

「はい近づいたわね、通報決定」

「待ってよ、アスカったら。話くらい聞いてよ」

「ほんと、ちょっとからかったくらいで人の首絞めるなんて、いったいどうい
ったご家庭で育てられたんでしょうね」アスカは携帯を片手に警戒の眼差しで
シンジを横目に見る。「……あ、もしもし警察ですか。いま気味の悪い男に付
きまとわれて困っているんです……はい、そうです。昨日の件で……すごく恐
いんです。お願いします……はい」

 通話を終えるとひとり歩き出すアスカ。シンジが後を追う。


49:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/31 16:36
「ほ、本当にするなんてひどい!」

「少年犯罪ってことで起訴すらされないだけでもありがたいと思ったら?なん
なら民事に訴えてもいいのよ。あんたのことは今回の件ですっかり愛想がつき
たわ。今後プライベートでは一切わたしに関わらないでくれる? 仕事のとき
はしようがないけど、極力わたしと顔を合わせないようしてよね」

「そ、そんな。アスカ、ぼくを見捨てないでよ」

「わたし嫌いなのよ。あんたみたいに男のくせにイジイジしてるのって。ダサ
いしキモいしウザいし。あーもう、二度と顔も見たくない」

 シンジが立ち止まる。敗残兵のように頭をうつむけたまましばらく思い悩む。

「わかったよ。アスカ、もう君につきまとったりしないよ……」

 シンジが立ち止まったことに気づくアスカ。振り返り相変わらず高圧的な眼
差しでシンジを見る。

「わかったんならさっさと消えてよ。……あんたみたいな人間はね。はじめか
ら誰も望んじゃいなかったのよ。あんたみたいにネガティブとペシミズムの塊
みたいな人間、誰がかわいがってくれる? 誰もいないでしょ」

「……わかってる。誰もぼくを愛してくれないことなんて。かといってぼくに
は死ぬ勇気すらないんだ」

「それじゃ、シンジ。もしもわたしがあんたの死を望んでいるとしたら。あん
た……死ねる?」

 アスカの意外な発言に驚くシンジ。はっと顔を上げる。

「アスカ……君は本当にそう望んでいるの?」

50:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/31 16:38

「ええ……マジレスでイエスよ。正確には死んでほしいというより、わたしの
記憶から消え去ってもらいたいんだけど。さすがにそれは無理でしょ。だから
せめてわたしのために死んでもらいたいの。それ、あなたにできる?」

「ぼくが死んだら……君はうれしいんだね。いままでもそう思っていたんだね」

「別にうれしいとは思わないわ。だって人が死ぬんだもの。でも胸がすっきり
するでしょうね。厄介な荷が下りて」

「ぼくは邪魔者じゃない! アスカ、お前もぼくを厄介払いしようというのか!」

 シンジがアスカに飛びかかる。だが、えり首をつかみながらもシンジの顔は
なぜかうつむいている。



51:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/08/31 16:40

「もうそんなのはたくさんだ。そんなのはたくさんだ……たくさんなんだ」

 アスカの胸に顔をうずめるようにしながら、そのえり元を強く握りしめるシ
ンジ。アスカは放心したような表情で抵抗することなくシンジを見つめている。

「シンジ……あんた泣いてるの? 泣いてるのね」

 その言葉に反応するシンジ。ゆっくりと顔を上げ、アスカと目が合ったとき
急にアスカを突き飛ばして背中を向ける。

「あっちへ行け! ぼくに近づくな」

 だがその言葉には耳を貸さず、アスカはゆっくりとシンジの方へ歩み寄る。

「あなた……わたしが嫌い?」

「……嫌いだ」

「あなた……わたしが憎い?」

「憎い」

「いっそ殺してしまいたい?」

「殺してしまいたい」

「そう」アスカは何かを見放すようにため息をひとつついて言った。「じゃあ、
好きにすれば」


52:何処かの793
04/09/17 21:26:02
「アスカの日記」で書いていたものなので、話が途中からになっています。ご了承ください。


53:何処かの793
04/09/17 21:26:44
買月物日

今日は楽しい一日だったわ。
ファーストの部屋に置く生活必需品や、その他の雑貨を買い漁ったの。

「アスカ、そんなの高くて買えないよ…」
「大丈夫よ。ファーストが何を買ってもいいって言ったんだから」
「ええ、大丈夫よ」
「ごめんね、綾波…」
「気にしないで」

費用は全部ファーストが出してくれたわ。ファーストって意外とお金持ちだったのね。
私もお金くらいは持ってるけど、ミサトがうるさくて好きに使えないのよ。

「あの…アスカ、綾波、少し腕を放してくれないかなぁ…なんて」
「何よ。アタシと腕を組むのが不満なの?」
「碇君は嫌なの?」

ショッピングの間中、シンジと腕を組んでいたわ。だって、ファーストが腕を放さないんだもの。

「嫌じゃないけど、みんながこっちを見てるんだよ…」
「見させておけばいいのよ」
「問題ないわ」
「そんなぁ」

なぜか、私たちはじろじろと見られたのよね。
やっぱり、かわいい女の子二人に囲まれていたのが、冴えないシンジだったからだわ。
ファーストは髪と目の色を除けば普通にかわいいと思うし、私だって負けてないよね?
情け無いシンジはどうでもいいとして、人の注目を集めるのって気持ちがいいわ。ファーストはどう感じていたんだろう。

続く

54:何処かの793
04/09/17 21:27:32
続き

ショッピングの荷物は、すぐに増えるのよね。

「アスカも…少しは持ってよ…」
「駄目よ。荷物を持ったら腕が組めないでしょ?」

どんどん増える荷物はシンジとファーストに持たせて、私はシンジの腕を放さなかったわ。やばい、少し癖になってるかも……

「腕よりも荷物を持ってくれた方が嬉しいかも」
「なんですって!?」
「う、うわぁ!」

それにしても、シンジのデリカシーの無さには参るわ。せっかくのいい雰囲気が台無しよ。……って、「いい雰囲気」って何よ。私がシンジと?今のは無しね。
とにかく、シンジが荷物をばら撒くもんだから、周りの注目を集めていい恥さらしだったわ。

「何やってるのよ」
「アスカが叩くからだろ?」
「……仕方がないわね。私も持ってあげるわ」

でも、こんなに楽しいショッピングは初めてだったわ。
またシンジを荷物持ちにして行こうかな。

55:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/17 21:30:10
なんでこっちくんだよ。そのままそのスレで続けりゃいいだろ。

56:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/17 21:32:10
>>55
氏ね

57:何処かの793
04/09/17 21:36:39
すみません。理由はアスカの日記が荒れると思ったからです。
あちらに謝罪の書き込みをしましたが、こんなに早く見つかるとは思いませんでした。
もう、引き返せません。

58:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/17 21:43:59
あのスレを抜けたんだから
日記形式にこだわる必要無いんじゃない?
まあ、今のままでも日記形式ではないとは思うけど
冒頭の○月○日とかいらないだろうし
もし良ければ、たまに視点をアスカ以外の誰かに変えても面白いかも

がんがってね
応援してるよ

59:何処かの793
04/09/17 21:47:50
書き上げてしまっていたので、そのまま書き込みました。
次からは日付を無しにしますね。

60:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/17 21:50:36
最初からの発言など様子を眺めた限り、793ってのはとことん空気読めないタイプな。
日記スレ自体はどうでもいいが。

61:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/17 22:16:18
793さん、がんばってね
応援してるよノシ


62:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/17 22:39:35
GJ おいらも応援ノシ 続けてくれて本当良かった。
>視点をアスカ以外 
あ、なんか綾波視点で読みたくなってきた。
でも、これはこれでアスカ視点だからこそって気も。

63:何処かの793
04/09/18 20:30:38
今夜はやっと普通に暮らせるようになったファーストの部屋でお泊り会なの。

「なんか、別の部屋みたいだね」
「いい感じでしょ?」
「うん。前とは比べ物にならないよ」
「前と比べてもらっても困るけど、このアタシがレイアウトしたんだから、気に入って当然よ」

この部屋は改装時にも見てるから、今日が初めてじゃないわ。だけど、前の部屋の状況を知ってるから、何度見ても驚かされるわ。

「綾波も気に入ってくれた?」
「ええ、碇君と買った物がたくさんあるから」
「何よそれ」
「そ、そう…それじゃ、夕飯でも作るね」

シンジが食事の用意をしている間、私はファーストと二人きりになったの。
最初は買ったばかりのテレビを無言で見てたわ。なんとなくだけど、ファーストに聞いてみたくなったの。

「ファーストはシンジが好きなんでしょ?」
「好き?……良く分からない」

ファーストにシンジが好きかと聞いたら、ファーストは困ってたわ。

「分からないって……じゃあ、シンジのことをどう思ってるのよ」

続く

64:何処かの793
04/09/18 20:32:00
続き

問い詰めたら、ファーストが素直に白状したわ。

「……とても大切な人。失いたくない人。そばに居て欲しい人。それが碇君」
「はぁ…それを「好き」って言うのよ」
「これが「好き」‥‥私は碇君が好き‥‥」

なにかファーストの様子がおかしかったけど、予想通りの答えだったわ。ここまで素直に「好き」と言えるのも珍しいわね。
私もシンジのことは、それなりに大切だし、居ないよりは居た方がいいし、そばに居ると何かと便利だから居て欲しいとは思うわ。
でも、これが「好き」とは言えないよね?

「ご飯ができたから、そっちに持っていくよ」
「う、うん」

食事の用意ができるまで、私は何かを考えていたみたい。気づいたら、シンジの声が聞こえたわ。
リビングのテーブルにお皿を並べて食事を始めたの。

「アスカ、もしかして不味かった?」
「そ、そんなことないわ。いつもどおりよ」
「ええ、おいしいわ」

食事中、シンジを変に意識しちゃって、料理の味なんて分からなかったわ。
ファーストがやけにゆっくりと味わって食べていたのは覚えているけど。

で、食後の今、リビングでくつろいでるんだけど、夜はこれからなのよねぇ。
なんだか今日は緊張してきたわ。

65:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/19 12:54:31
>>55 60
お願いだから氏んでくれ。

793さん GJ!


66:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/19 13:15:11
お前が氏ね

67:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/19 17:29:44
落ち着いてLAS小説を投下するスレ
スレリンク(eva板)
こっちでやったら?
カプ系が我慢なら無い向きもあるようだし。

68:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/19 18:49:03
ここでいいじゃん
向こうはLAS
LARSはお呼びじゃないだろ

69:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/19 19:02:40
別に移らんでいいけど、仮に移動するならLARSスレかハーレムスレになるわな。
LAS専門のスレに行ったんじゃ荒らしになっちまう。
ま、ここでやればいいだけだ。

70:何処かの793
04/09/19 20:35:44
まずいわ。非常にまずいわ。
馬鹿ファーストに合わせて、私も同じ馬鹿をやったものだから、私たちの関係が学校中の噂になってるわ。まぁ、半分は本当の事なんだけど……
今日もヒカリに聞かれたのよね……

「ねぇ、アスカ。碇君とはどうなってるの?」
「どうもなってないわよ」
「うそ。そんなはずないわ。最近のアスカは変わったもの」
「どんなふうに?」
「なんていうか……そう、きれいになったっていうか。前はかわいいって感じだったけど、今はそんな感じ」

ヒカリも意外と鋭いのよ。私自身も前より落ち着きが出てきたかな、とは思っていたけど。

「ヒカリだけに教えるけど、これは秘密よ」
「……ええ、友達の秘密は守るわ」
「ヒカリはこの前のユニゾンの訓練を知ってるわよね?」
「ええ」
「これも訓練なのよ。少し前に地中深くで使徒が確認されたのよ」
「え!?使徒が?」
「し―声が大きいわよ」
「ご、ごめん」
「それで、場所が場所だけに、使徒が動くまで、こちらは何もできないのよ」
「うんうん」
「だけど、その使徒の弱点は分かっていて、今度は三人で同時攻撃なのよ」
「そうなんだ」
「分かった?だから、このアタシが仕方なく、あの二人と仲良くしてあげてるのよ」

続く

71:何処かの793
04/09/19 20:36:53
続き

あまりにしつこいから、根も葉もない話が口から飛び出しちゃったわ。
それにしても、使徒の威力は絶大ね。ヒカリも信じきっていたようだし、たまには使徒も役に立つわね。

それと、「秘密が守られた例が無い」と言われるのは本当ね。

『今日のニュースです。まず初めに、使徒が発見されたという噂が流れていますが―』
「アスカ、また使徒がくるのかな‥‥」
「くく……むふ……」

夕方のニュース番組で、私の嘘と同じ報道がされた時には、笑いを堪えるのに必死だったわ。

「ご飯が喉に詰まったの?はい、お茶」
「ぷはっ―」
「うわぁっ!」
「―アハハ、あぁおかしい」
「おかしくないよ。顔も服もベタベタだよぉ…」
「ふふ…わ、悪かったわ…ふぅ」

結局、食べている物を思いっきり吹き出しちゃったけど。直撃を受けたシンジは本当にタイミングが悪いんだから。

でも、おかげで学校の噂も消し飛ぶってものよ。
これで大手を振ってシンジと歩けるわ。

72:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/20 20:41:12
シンジが帰ってこない。
シンジが使徒の影に沈んでから、数時間が経過した。
シンジは沈む私を庇って、使徒の影に呑み込まれたの。
エントリープラグ内のモニターに映った、シンジの最後の顔が忘れられない。
シンジは恐怖で脅えていた。最後は私やファーストやみんなに助けを求め、叫びながら沈んでいった。
思い出すだけで、顔を手で覆いたくなる。

使徒の分析を進める中、私とファーストは外で待機していたの。
ファーストの感情の少ない表情が目に付く。

「ファーストはアタシを責めないの?」
「どうして?」
「どうしてって……アタシのせいなのよ?」
「何が?」
「シンジの事よ!シンジがここに居ない事よ!」
「……あなたのせいじゃないわ」

最低ね。私はファーストに当たり散らしていた。ファーストも私と同じ筈なのに……

続く

73:何処かの793
04/09/20 20:42:20
続き

しばらくして、リツコから次の作戦内容を言い渡されたの。

「使徒の本体は影よ。この本体にN2爆雷を投下し、爆発の瞬間にエヴァのATフィールドで干渉するわ」

作戦内容にシンジの救出が無かったの。すぐに私は確認したわ。
リツコが一瞬だけ苦渋の表情を浮かべて答えたわ。

「初号機は、シンジはどうするの?」
「シンジ君は……可能性に賭けるしかないわ」

可能性って何?私はこの作戦への疑念を訴えたわ。

「この作戦に可能性があるの?」
「本当に答えを聞きたいの?」

だけど、リツコの一言で私は黙り込んでしまった。だって、答えなんて聞かなくても分かるもの。
私はシンジの死を覚悟したわ。でも、実感なんて無かった。
シンジの遺体があるわけでも、初号機の残骸が残っているわけでもなかったから。

続く

74:何処かの793
04/09/20 20:42:58
続き

弐号機に搭乗した私は、作戦前の静けさの中に身を置いていた。
今回の作戦では、この静けさが一段と身に染みる。
こんな時は、ミサトのうるさい指示でも聞きたくなる。

「リツコ、作戦まであとどれくらい?」
「予定に変更は無いわ。時計を見れば分かるでしょ。もうすぐ、N2爆雷も用意できるわ」

なぜか今回の作戦担当はリツコだったの。リツコに無駄話を求めるのは無理よ。

静寂は突然に破られたわ。
目の前の使徒から血しぶきが上がったかと思ったら、けたたましい咆哮が耳をつんざいたの。
私は使徒を凝視したわ。そうしたら、本当に初号機が咆哮してたのよ。
その時、私はシンジが帰還した事も忘れて、初号機の異様な姿に恐怖してた。

でも、シンジが助かった今では、初号機に感謝している。
今、私は病室にいるの。
目の前のベッドには、シンジが眠っているわ。
なんだか、目の前の光景が夢のような気がする。

75:何処かの793
04/09/21 18:45:17
私は朝昼晩とここに居る。
ここはシンジが入院している病室よ。
シンジは衰弱が激しいようで、入院して丸一日経っても目を覚まさないの。

「ファーストも少しは寝たら?」
「いい」

ファーストもシンジの付き添いで、朝から晩まで私と一緒に居る。
私とファーストはベッドの脇に置いた椅子に座って、シンジが目を覚ますのを待っていたわ。
付き添いを始めてから、ファーストはシンジの手を握って離そうとしないのよ。しかも、不眠不休で食事も取ってないわ。
シンジが居ない間、ファーストは冷静を装っていたのね。今のファーストを見れば分かるわ。
おかげで、私はシンジを眺めることしかできないけど。

「どこへ行くの?」
「トイレよ」

だけど、ファーストが病室を離れる時間も少しだけあるわ。
その時間を使って、私はシンジに触れるの。

続く

76:何処かの793
04/09/21 18:45:54
続き

「シンジのくせに、無理するんだから‥‥」

前にファーストが離れた時は、助けてくれたお礼としてキスしちゃった。染み付いたLCLの匂いで気持ちが沈んだけど……
だから、シンジが目を覚ましても、お礼なんてしないわ。さっきので十分よ。
シンジが目を覚ましたら、一発殴ると決めているの。次から、こんな無茶は控えて欲しいから。
そろそろ、ファーストが戻ってきそうだから、シンジから離れようかな。

「……ここは…助かったのかな…」

私がシンジから離れようとした時、シンジが意識を取り戻したの。

「……馬鹿…馬鹿シンジ!」

抑えていた感情が溢れ出すようだった。
私は感情に身を任せて、シンジに抱きついたの。
溢れる涙を止める事もできなかったわ。涙なんて、シンジが使徒に消えてから、一度も見せなかったのにね。

「ごめん。心配かけたかな…」
「馬鹿‥‥馬鹿‥‥」

私の声は何一つ会話にならなかった。私は同じ言葉を繰り返すだけなの。

続く

77:何処かの793
04/09/21 18:46:37
続き

「碇君、目が覚めたのね」
「あ、綾波も来てくれたん―だあ!?」

いつの間に戻ってきたのよ。ファーストの声で自分を取り戻した私は、思わずシンジを突き飛ばしちゃったじゃない。
もう手遅れかもしれないけど、私は急いで涙を拭ったわ。

「シンジ!アンタが勝手に死ぬのはいいけど、アタシの代わりに死ぬような真似は許さないから!いいわね?」
「う、うん…」

う~、私って本当に素直じゃないんだから。
恥ずかしさを隠す為とはいえ、シンジに酷い事を言っちゃったわ。助けてもらっておいて、これは無いわよねぇ。
でも、当初の予定通りに殴らなかったから、今回は良しとしよう。うん、そうしよう。

それにしても、シンジが目覚めた時の私の行動には、我ながら驚きを覚えるわ。
思い出すと恥ずかしいけど、私があんなに感情的になるなんて、新しい自分を見た気がするわ。

78:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/22 00:25:24
GJ!
>「……ここは…助かったのかな…」
をアスカの台詞で、布団をめくってちんこが無事か確かめてるとこを想像したw

79:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/22 00:45:02
↑うはっ 読み返したら文章支離滅裂
アスカの台詞と勘違いして、布団をめくってちんこが無事か確かめてるとこを想像した
と書きたかったんだよぉ
寝起きだったんだよぉ

80:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/22 04:04:42
保守

81:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/22 04:15:18
寝起きの頭で何を想像してるんですかw

82:何処かの793
04/09/22 20:56:17
シンクロテストがあったのだけど、良く分からないのよね……

「最近、シンジ君とアスカの数値が落ちてるようだけど、何か心当たりでもある?」

調子はいいと思うのよ?だけど、数値は下がっているみたいなの。上り調子だったシンジも同じように下げていたわ。
私もシンジも下げ幅は小さいから、心配はしてないけど。
リツコに心当たりを聞かれたけど、そんなのは一つしかないわ。
だから、ファーストの数値を聞いてみたの。

「ファーストはどうなの?」
「……そうね。レイは特に変わり無いわ」
「うそ?データを見せてよ」
「本当よ。それより、どうして嘘だと思うの?」

リツコは変わり無いと言っていたけど、何か引っ掛かるものがあったのよね。
でも、ファーストに変化が無いとなると、私とシンジの数値低下の原因は何かしら。
もしかして、私のエヴァに対する情熱が薄らいだとか……
そんな筈は無いわ。今でもエヴァが一番に変わり無いもの。

こんな感じで一日中考えていたけど、答えなんて出そうにないわ。

続く

83:何処かの793
04/09/22 20:57:06
続き

授業中に使徒が来たわけでもないのに、ネルフに非常召集されたの。

「ミサト、使徒でも出たの?」
「違うわ。使徒じゃないけど、緊急の用件ができたから呼んだのよ」
「用件ってなんですか?」

シンジが非常召集の理由をミサトに聞いたの。それで、その理由が釈然としないものだったわ。

「用件を伝えるわ。……レイ」
「はい」
「あなたは本日付を以って、ファーストチルドレンの資格を凍結されたわ。期間は無期限。司令の許可が降りるまでは、エヴァに乗せられないわ。いい?」
「分かりました」

本当に理由が分からないのだけど、なぜかファーストがパイロットから降ろされたのよ。

「ちょっと、どういう事?」
「用件を言い終わるまで黙って。……アスカとシンジ君はエヴァ二機での作戦の確認とシミュレーションに力を入れてもらうわ。いい?」
「ミサト、どうして」
「返事は?」
「分かったわよ!」
「分かりました」

続く

84:何処かの793
04/09/22 20:58:01
続き

それで、ミサトに理由を求めたのだけど、ミサトも分からないの一点張りなのよ。

「どうしてファーストが降ろされたの?」
「知りたいのはわたしの方よ。使える戦力は全て使いたいのに、上から一方的に言い渡されたのよ…」
「ファースト、何かしたの?」
「何もしてないわ」

降ろされたファーストはファーストで、何食わぬ顔でシンジに寄り添っていたわ。全く、意味が分かっているのかしら。

この後の訓練では、シンジをいつも以上に鍛えてあげたわ。
当分はシンジの初号機と私の弐号機だけで戦わないといけないのよね。
シンジにはしっかりしてもらわないと困るわ。

85:何処かの793
04/09/23 20:30:28
今日から四日間、ミサトは松代へ出張なの。

「やぁ、シンジ君。葛城から聞いていると思うが、今日から少し世話になるよ」
「加持さん、いらっしゃい。こちらこそ、お世話になります」

私は子供じゃないのだから、保護者なんて要らないのに、加持さんが呼ばれたの。
以前の私なら喜んだのだろうけど、ミサトと縒りを戻したのを知ってからは、素直に喜べないのよ。私にも色々とあるし。
このところ、シンジが加持さんと親しくなったのよね。
今もシンジが玄関まで出迎えに行ったわ。

「アスカちゃん、お邪魔するよ」
「加持さんも嫌なら断ればいいのに。アタシはもう子供じゃないわ」
「別に嫌じゃないさ。それに、葛城もうるさいからな。断るほうが面倒なのさ」

最近の私はミサトの話が出ると不機嫌になるのよ。
加持さんからミサトの話が出て、私はいっそう不機嫌になったわ。

「ミサトに嫌われたくないからでしょ?」
「正直に言えば、それもある。今日のアスカちゃんはご機嫌斜めだな。やっぱり、二人の邪魔だったかな?」
「そんなわけ無いでしょ!」

加持さんが邪魔だと、私も少しは思っていた。だから、見透かされたような気がして、大きな声で否定してしまったわ。

「それじゃ、僕はお風呂に入ってきます」

続く

86:何処かの793
04/09/23 20:31:38
続き

シンジは取り繕うようにして風呂場に行ってしまったの。まずかったかも。
シンジが風呂場に消えるのを見てから、加持さんが苦笑しながら私に言ったの。

「もう少し、シンジ君に優しくできないのかい?」
「どうしてアタシが」

最近の私はシンジに優しくしてると思うのだけど、加持さんはそうは思わないみたい。
私が腑に落ちない顔をしていたら、加持さんが改まって声を潜めたの。

「実はな。シンジ君から相談されたんだ。アスカちゃんとレイちゃんの事でな」

シンジが私とファーストの事で、加持さんに相談したらしいのよ。
私は我が耳を疑ったわ。だから、もう一度確認したわ。

「アタシとファーストの何を?」
「まぁ、あれだよ。男と女の関係かな」

少しの間、私はショックで何も考えられなかったわ。
よりによって、加持さんに相談することは無いじゃない。私が憧れていたのを知ってるくせに。
シンジの奴、後でとことん問い詰めてやる。

続く

87:何処かの793
04/09/23 20:32:42
続き

「あんの馬鹿…」
「まあまあ、俺の口は堅いほうだから。それに、シンジ君はかなり悩んでいたみだいだし」
「シンジが?」
「ああ。シンジ君は俺と違って真面目だから、アスカちゃんとレイちゃんの両方を好きになりそうだと自己嫌悪してたよ」

でも、加持さんからシンジの悩みを聞いて、私は考え直した。
馬鹿は私だ。シンジの気持ちなんて、考えた事がなかった。
良く考えたら、あの小心者のシンジが、今の私たちの関係を簡単に割り切れる筈がないわ。
私だって、時々は分からなくなるもの。それでも、今の関係を終わりにする事はできなかったけど。

「好きという気持ちが大事であって、数は関係ないとシンジ君に言っておいたよ。アスカちゃんが遊びのつもりなら、すぐにやめることを勧めるよ」
「遊びじゃないわ!」

私は加持さんの前から逃げ出した。
この関係を終わりにするなんて考えられない。だって、これを終わりにしたら、シンジが手の届かない遠くに行ってしまうような気がするから。
私はシンジが好きなのか、今は分からない。でも、シンジと離れるのは絶対に嫌。これだけは言える。



今はお風呂に入って、少し頭を冷やしているところなの。
シンジが私を好きになる、か……本当だったら嬉しいかも。でも、ファーストも一緒だったわよね。男はみんな、こうなのかしら。
加持さんに知られちゃったし、私の恋が一つ終わったわ。まぁ、望み薄だったけどね。
これで、すっぱり諦められるってものよ。前向きに行こう。前向き。前向き。
……やっぱり、後でシンジに仕返ししよう。

88:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/23 23:31:06
加持がアスカをちゃん付けするのは激しく違和感・・・

89:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/24 00:00:42
確かに加持の「アスカちゃん」はちょっとひっかかるね
でも三人の関係になんらかの動きが出てきそうですね
がんがってください

90:793
04/09/24 03:44:05
すみません。
加持のアスカの呼び方は、良く調べずに書いてしまいました。
他にも人物の呼び方が間違っていたら、お手数ですが、頭の中で変換してください。
人物の呼び方は、基本的に本編準拠です。
以後、気をつけます。

91:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/24 19:55:29
加持さんのウソつき ( ̄ー ̄)ニヤソ

92:何処かの793
04/09/24 21:22:30
「これが敵…ですか?」
「そうだ」

今度の使徒はエヴァだったわ。

「どうして、エヴァが敵なんですか!?」
「あれは使徒だ。もはやエヴァではない」
「エヴァだよ!人が乗ってるんだよ!?」
「パイロットは意識不明だ。奴は使徒に乗っ取られている可能性が高い」
「そんな…それじゃ、どうすれば…」
「あれは使徒だ。殲滅以外の行動はありえん」

司令も嘘でいいから、人は乗っていないと言えばいいのよ。まぁ、エントリープラグがある時点で、人が乗っている可能性が高いけど。
シンジに人が殺せる筈がないわ。だから、私はシンジに下がるように言ったわ。

「シンジは逃げてなさい。アタシがやるわ」

私なら人を殺せる。誰かを殺せばシンジが助かるのなら、その誰かを私は喜んで殺せると思ったから。

「アスカがやるなら、僕がやる」

続く

93:何処かの793
04/09/24 21:23:22
続き

でも、私が人を殺す事は無かった。私が攻撃する前に、シンジが飛び掛かったから。
使徒と初号機の肉弾戦を前に、私は援護もできなかったわ。
壮絶な殺し合いの末、初号機が使徒の息の根を止めたの。
シンジが初号機から降りて、使徒だったエヴァのエントリープラグをこじ開けるのが見えたわ。
私も弐号機から降りて、シンジの元へ駆け寄ったの。
シンジに近づくにつれて、エントリープラグの中から声が聞こえてきたの。

「嘘だ…嘘だ…トウジだったなんて……嘘だ…」

私はエントリープラグの中を見て絶句した。
そこには、良く知った顔が見えたから。ぐったりとした鈴原の姿があったから。
シンジは怖いのか、鈴原に触れようとしなかったわ。

「ちょっと、生きてるの?」

私はシンジを押しのけて、鈴原の容態を診たわ。

「大丈夫。呼吸はしているわ」

鈴原が無事だというのに、シンジは声一つ出さずに目を見開いていた。
あの目はどこも見て無いわ。相当なショックだったみたい……
無理もないわね。鈴原はシンジの数少ない友人なのだから。
鈴原に目立った外傷が見受けられなかったのが、せめてもの救いね。

94:何処かの793
04/09/25 20:27:42
ミサトが松代への出張から帰ってきたわ。

「シンちゃーん、アスカ、ペンペーン、ただいま~」
「ちょっとミサト、その怪我は大丈夫なの?」
「んー、ちょっち死ぬかと思ったけど、軽い打撲だから、たいしたことないわよ」

ミサトは怪我をしているのに、異様とも思える明るさだったわ。
私はミサトのこういう行動が嫌い。ミサトの好意は分かるけど、本当に笑っていられない状況でこれをやられると、返ってつらくなる事もある。
ミサトには状況に合った行動をして欲しいと思うことが多々あるわ。

「シンちゃんは?」
「自分の部屋でしょ」

ミサトが怪我をして帰ってきたのに、シンジは出迎えに出なかったの。こういう時に、真っ先に人を心配するシンジがよ?
やっぱり、シンジは重症みたい。
この前の使徒を倒してから、シンジは自分の部屋に篭りがちなの。私と会話らしい会話もしてないわ。
ミサトもシンジの事を心配しているみたい。やっぱり、鈴原の事を知っていたのね。
私が鈴原の事を問い質そうとしたら、シンジが部屋から出てきたの。

続く

95:何処かの793
04/09/25 20:28:27
続き

「シンジ君、ただいま。お土産もあるわよ」
「……」

ミサトが声を掛けたのに、シンジは黙っていたの。
これには、さすがのミサトも切り返せなかったわ。普段はおとなしい人が、こういう態度を取ると怖いわね。
しばしの気まずい沈黙の後、シンジが先に口を開いたの。

「ミサトさん、話があります」
「な、何かな?」

ミサトの奴、思いっきり場違いな笑顔を作っていたわ。引き攣ってたけど。
でも、シンジの言葉でミサトもふざけていられなくなったわ。私も黙っていられなくなったわ。

「パイロットをやめます。もう、エヴァには乗れません」
「本気なの!?」
「ちょっとシンジ君、どうしてなの?」

エヴァのパイロットを辞める?私にはシンジの言葉を想像することもできなかったわ。

「乗りたくないからです」

続く

96:何処かの793
04/09/25 20:29:46
続き

だんだん、ミサトの表情も険しくなってきたわ。

「シンジ君、それなりの理由を聞かせてもらわないと、辞めさせる訳にはいかないわ。今はレイも使えないの。私もいっぱいいっぱいなのよ」

ミサトが理由を尋ねたら、シンジは押し黙ってしまったわ。
しばらくして、シンジが重い口を開いたの。

「……分からなくなったんです。僕はみんなの役に立てると思っていた。みんなを守りたいと思っていた。でも、違っていた」

私はシンジの言っている事が分かった。シンジは鈴原を攻撃した事で、自分を見失っているようだったわ。
ミサトもシンジの言いたい事に察しがついたようだったわ。

「鈴原君の事は謝るわ。事前に伝えなかったのはわたしだから。だけど、鈴原君はシンジ君が救ったのよ?」
「違います!僕はトウジを殺そうとしたんです。あの戦いの時、僕は確かにトウジを殺そうとした」

シンジは優しすぎるのよ。あの時、生き残る為には戦うしかなかったわ。誰もシンジを責めたりはしないわ。それでも、シンジは割り切れないようなの。

「やらなきゃ、アンタが殺されていたのかもしれないわ」
「トウジを殺すくらいなら、僕が死んだ方がいい」
「良くないわよ!!」

続く

97:何処かの793
04/09/25 20:30:52
続き

私は瞬く間に激昂していた。反射的に大声で叫び、シンジを引っ叩いていたわ。
自分が死んだ方がましだなんて、私は許せなかった。
私は怒りで震えながら怒鳴り続けたの。

「シンジが良くても、アタシは良くないのよ!シンジは何をしてでも、生き残らないと駄目なのよ!」

肩で息をする私の前で、シンジは当然として、ミサトまで茫然としていたわ。

「怖かったんだ‥‥自分が怖かったんだよ。人を殺せる自分が‥‥」

突然、シンジが泣き出してしまったのよ。
私は悪い気がして何もできなかったわ。だけど、ミサトはシンジを優しく抱きしめたの。

「シンジ君。もう大丈夫だから。鈴原君も大丈夫だから。シンジ君は良くやったわ」

ミサトが優しくするものだから、シンジが泣き止まなくなってしまったわ。
包帯とギブス姿のミサトがシンジをぎこちなく抱いて慰めるのを、私は見ているだけだった。
これで、シンジが立ち直れればいいのだけど……

98:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/09/25 23:07:53
>>89
ジュン氏みたいに名の知れているLAS作家の作品でも
加持がアスカのことをちゃん付けで呼んでいたりする。

99:何処かの793
04/09/26 21:31:32
私とシンジはミサトに連れられて病院に来ていた。目的は鈴原のお見舞いよ。
ミサトがシンジを気遣って連れて来たの。私も暇だったから、一緒に来てあげたわ。
ミサトが病室のドアをノックしたの。

「どうぞー」
「鈴原君、お見舞いに来たわよ」
「うわ、ミサトさん、来てくれたんですか?―って、ミサトさんも入院してはるんですか?」
「わたしは通院よ。いつもの服でしょ?それより、具合はどう?」
「具合も何も、悪い所なんてどこも無いんですわ。やたらと検査ばっかやらされましたけど。ミサトさんこそ、大丈夫なんですか?」

病室の中から、ミサトと鈴原の話し声が聞こえてきたわ。
私は病室の外に居たわ。だって、シンジが入ろうとしないんだもの。

「シンジ君とアスカも来てるわよ」
「ほんまですか?」

シンジが入りづらくなる前に、私がシンジの背中を押してあげたわ。

「ほら、入るわよ」
「うん…」

続く

100:何処かの793
04/09/26 21:32:17
続き

病室に入って鈴原を見たけど、本当に元気そうだったわ。病室のベッドは椅子の代わりになっていたわ。

「おう、シンジ、会いたかったで。ワシはお前に礼を言いたかったんや。なんや、えらい事になっとったようやけど、シンジが助けてくれたそうやないか。ありがとな」

鈴原はシンジを見て、本当に嬉しそうな笑顔でお礼を言っていたわ。
反対に、シンジは俯いたままで、鈴原の顔も見れないようだったわ。

「なんや、元気ないようやな。もしかして、ワシのせいで怪我でもしたんか?それやったら、謝るきに、許してな?」

鈴原が迷惑をかけたことを謝ったら、シンジがようやく口を開いたわ。

「……謝るのは僕の方だ。知らなかったとはいえ、僕はトウジを殺すところだったんだ」

まだシンジは引きずっていたのね。私とミサトも気落ちした顔を隠せなかったわ。
鈴原は意に介さない様子でシンジに答えたわ。

続く

101:何処かの793
04/09/26 21:33:05
続き

「ワシはぴんぴんしとる。それでええやないか」
「でも、殺すところだった」
「それでええのや。もう少しでワシが人殺しになるところやったんや。ワシは嬉しかったで?こういう時に死ぬ気で止めてくれるのが、ほんまもんの友達や。ワシはええ友達を持った。ほんま」
「トウジ…ありがとう‥‥」
「おう、シンジもありがとな。―男が泣くなや」

鈴原がシンジを許したら、シンジが泣き出してしまったわ。
シンジったら、昨日から泣いてばかりね。私も少しだけ、じーんときたけど。

本当の友達か‥‥
少なくとも、今の私には居ないわね。
別に欲しいとも思っていなかったけど、そんなふうに言える友達が一人くらいは欲しいかな。あの二人を見ていたら、そう思えてきたわ。
でも、私に友達を作る自信が無いのよね。ファーストはあんなだし、やっぱり無理かも。

シンジを鈴原に会わせて良かったわ。
お見舞いの途中から、シンジが笑顔を見せるようになったの。
これでシンジは大丈夫ね。本当に世話がかかるんだから。
一応、ミサトと鈴原にも感謝しておくわ。

102:98
04/09/27 13:41:25
>>98
ジュン氏って誰?
読みたい時にてきとーに検索して読んでるだけだから、作者の名前とかあまり知らないんですよ。
そのジュン氏が有名で人気ある人でも、作中で何故加持がアスカちゃんと呼ぶようになったのかが
説明されていなければ私的には納得出来ないです。
二次創作で本編中の関係、設定を崩すのであればそれなりの説明くらい無いとね。

>>何処かの793氏
いつも乙っす。
私個人の意見でひとつ言うべきかなーと思っていた事があります。
ってのは、語尾の「わ」が多すぎてちょっと読むテンポが悪くなってる感じがするんです。
他の人はどうなのかわかりませんが、俺はなんとなく気にかかっちゃうんすよ。
まぁ、私一人だけの意見かも知れませんが。

103:89
04/09/27 13:42:06
↑うげっ 名前間違えた。 89っす。
すみません。

104:QA
04/09/27 18:04:48
>>102
URLリンク(www5d.biglobe.ne.jp)
ここの管理人がジュン氏。

ジュン氏のことではないが
89氏の違和感の原因は
「本編設定を崩す」ではなく
「設定を細かくチェックしてない」だけかと。
ちなみに自分は
「EVA本編を見てないSS作家」が出てきた時点で
あきらめますた・・・。

105:何処かの793
04/09/27 20:47:07
今度の使徒は文句無しに強敵だったわ。

「シンジ君、しっかり使徒のATフィールドを打ち消してるの!?」
「やってるよ!」

弐号機と初号機の二機で出撃したのだけど、使徒に大きなダメージを与えられなかったわ。
ふざけたことに、あの使徒はATフィールドを破られても、通常兵器の攻撃が無効だったのよ。
私たちは有効な手段が見つからないまま、使徒の強力な攻撃から逃げるしかなかったわ。

「初号機、右足の膝から下を切断!身動きが取れません!」

やっぱり、いつまでも逃げ切れるわけが無いわ。
シンジがのろまだから、初号機の右足を失くしちゃったのよ。

「シンジ!!」

使徒がシンジに止めを刺そうと、腕らしきものを振りかざすのが見えたわ。
私は無我夢中で使徒に突進したの。

「このっ!!このぉっ!!」

私は使徒に馬乗りになり、渾身の力で何度も殴りつけたわ。
でも、使徒の分厚い体には傷一つ付かなかった。
次の瞬間、使徒の体内が光るのが見えたの。

「うそ?」
「アスカあああっ!!」

気づいた時には遅かったわ。
私の視界が真っ白に包まれたの。
最後に、シンジが私を呼ぶ声を聞きながら、私の意識は途絶えた。

106:793
04/09/27 21:01:50
>102
一人称で書くのは不慣れでしたので、全てを語り口調で書いていたのですが、これで良いのか私も分からないんです。
語尾の「わ」はできるだけ減らしてみようと思いますが、今から作風を変えるのも少しまずいと思いますので、すみませんが少し我慢をお願いします。

107:何処かの793
04/09/28 20:32:16
「天国かな‥‥」

私は生きているのが信じられなかった。
目に入る景色をぼんやりと眺めていた。
しばらく眺めていて、その景色は病室の天井だと分かった。
動こうとしたけど、全身が痛くて動けそうになかったわ。
私の傍に誰か居るみたいだったけど、首を回すのも面倒だったから、確認しなかったわ。

「アスカ‥‥良かった。もう駄目かと思ったよぉ‥‥」

傍に居たのはシンジだった。
横からシンジの声が聞こえたと思ったら、寝ている私に抱きついてきたのよ。
シンジは私の胸ですすり泣いていたわ。この前の私もこうだったのかな……
体の痛みも手伝って、私は冷静に今の状況を見ていたの。

「ぐ……い、痛いって。馬鹿シンジ…」
「ご、ごめん!」

あまりにシンジが強く抱きしめるから、私は痛みを我慢できなかったのよ。
私が痛みを口にしたら、シンジは慌てて飛び退いていた。シンジらしいわね。
私は痛みが治まってから、シンジに使徒の事を尋ねたの。

「使徒はシンジが倒したの?」
「倒したのは私よ」

続く

108:何処かの793
04/09/28 20:32:57
続き

だけど、返事はファーストからのものだったの。
気が付かなかったけど、最初からファーストもこの部屋に居たのね。
ファーストがあの使徒を倒したらしいけど、私には信じられなかった。
ファーストは凍結されていた筈よ。それに、あの使徒をファーストが倒せるとは思えないわ。

「ファーストが?パイロットを凍結されてたんでしょ?」
「弐号機が沈黙した時点で、凍結は解除されたわ」
「でも、どうやって倒したのよ」
「普通に倒したわ」
「普通にって…」

ファーストは普通に倒したとか言っているけど、あの使徒は普通じゃなかったのよ?

「シンジは見てたんでしょ?どうだったの?」
「なんていうか…普通に殴り倒していたよ。一撃でコアを砕いていたけど……」
「マジなの?」
「うん…」

シンジに聞いたら、コアへの強打で倒したらしい。シンジが嘘をつくとも思えないから本当らしい。
この時の私は、ファーストのラッキーパンチが当たった程度にしか考えていなかった。

続く

109:何処かの793
04/09/28 20:34:00
続き

使徒の脅威が過ぎたら、今度は自分の体が心配になってきたの。

「それより、アタシの体はどうなってるの?」
「そ、それは、すぐ良くなるから、大丈夫だよ」

私が自分の容態を尋ねたら、シンジは取り繕うように「大丈夫」を連呼したわ。余計に不安になるわよ。
容態を詳しく尋ねたら、ファーストが答えてくれたの。

「大丈夫じゃ分からないわよ。具体的にどうなのか教えてよ」
「その痛みはエヴァのフィードバックによるものよ。弐号機は全身を損傷したから、弐号機パイロットの全身の神経に影響したの」

弐号機の全体が破損したから、私の全身も痛いのね。
そうだ、弐号機はどうなったのだろう。

「弐号機はどうなったの?」
「弐号機は装甲も含めて大部分が大破したわ。時間は掛かるけど、修復はできるそうよ」

弐号機もどうにか無事みたい。かなり危なかったみたいだけど。
守ってくれた弐号機には感謝しないとね。

「アタシはどれくらいで動けるようになるの?」
「フィードバックによるものだから、傷の度合いが目に見えないわ。正確な予測は無理よ」
「そうだったわ。まぁ、この感じなら、全治二、三週間ってところかな」

参ったわね。命は助かったけど、一週間は動けそうにないわ。
これも全部、シンジを助けたせいよ。シンジに責任を取らせてやる。

110:何処かの793
04/09/29 21:01:45
一日中、私は病室の天井を見ている。
だって、痛くて寝返りも打てないんだもの。

「シンジ、お水をちょうだい」
「うん」

私の世話はシンジがしてくれている。シンジのおかげでこうなったのだから、そんなのは当然よ。
だから、私は遠慮なくシンジに頼み事をする。シンジの右足の具合なんて関係ないわ。

「シンジ、雑誌を買ってきて」
「うん」
「シンジ、雑誌を見せて」
「うん」
「シンジ、何か歌ってみて」
「え?歌?えーと…」
「冗談よ」

それでも、シンジは私の頼みを嬉しそうに聞いてくれる。シンジが嬉しそうに見えるのは、見間違いじゃないと思う。
私は気になって聞いてみたの。

続く

111:何処かの793
04/09/29 21:02:21
続き

「シンジはアタシの世話が好き?」
「どうして、そんな事を聞くのさ」
「だって、シンジが楽しそうだから」

シンジが嬉しそうにしていると私が言ったら、シンジは気まずそうな顔をしたわ。余計なところで気を遣うんだから。

「ごめん。アスカが大変な時に、いけないよね……」
「そんなんじゃないわ。私が聞きたいのは、私の世話の何が嬉しいのかよ」

何が嬉しいのか尋ねたら、シンジはごにょごにょと答えたわ。

「それは…僕がアスカの役に立てるから。アスカが僕を必要としてくれるから…」
「そ、そう。アタシも嬉しいわ」

聞くんじゃなかったわ。
私は恥ずかしくて顔を真っ赤にしてた筈よ。
おまけに、全身が痛むせいで、シーツを被って顔を隠すこともできなかったわ。

続く

112:何処かの793
04/09/29 21:03:17
続き

私は我侭を言い放題だったけど、この後にシンジの逆襲があるとは思わなかった。

「アスカ、ご飯を持ってきたよ」
「それじゃ、ファースト、お願い」

食事はファーストに食べさせてもらっていたの。ファーストも私の病室に居座っているのよ。

「アスカ、あーん」
「なんの真似よ」

なのに、今回はシンジが食べさせようとしたのよ。

「アスカも嬉しいって言ってくれたから、僕が全部やるよ」
「アンタ、馬鹿?」
「はい、あーん」
「ちょっと、んむ?」

シンジの奴、私が動けないのをいい事に、口元に食事を突きつけてきたのよ。
結局、一口目を食べた私は、最後までシンジに食べさせられたわ。う~、恥ずかしすぎる。

「弐号機パイロット、排泄物の処理は私がするから」
「アンタは黙ってなさい!」

こいつらに世話をさせると、余計に疲れるわ。
早く体を治さないとね。

113:何処かの793
04/09/30 21:03:36
どうにか体が動くようになり、私は前回の使徒の戦闘記録を調べようとしたの。

「ミサト、この前の使徒との戦闘記録を見せて欲しいんだけど」
「わたしもアスカに聞きたい事があるの。一緒に見てくれない?」
「いいわよ」

ミサトに頼んだら、一緒に見る事で承諾してくれた。

「何これ……本当にファーストがやったの?」

私は映像記録を見て言葉を失くした。
モニターの零号機が使徒を滅多打ちにしていたのよ。
倒されているのが使徒だと分かっていても、虐殺にしか見えなかったわ。

「パイロットはレイよ。それより、こっちを見てよ」
「……ありえないわ!」

私はミサトがモニターに表示した記録を見て驚きの声を上げた。
そこには、戦闘中のファーストのシンクロ率が表示されていたわ。だけど、その数値が異常に高かったのよ。

「このデータはすでに消されているわ。わたしはレイの凍結と、このデータが関係あると見てるの。最近、レイと親しいアスカなら、何かレイから聞いてないかと思って」
「何も聞いてないわ。ファーストが自分の事を話す所なんて、見たことが無いもの」
「それじゃ、何か気づいたことは?」
「それも無理よ。ファーストは普段は表に感情を出さないもの」
「そっか……」

続く

114:何処かの793
04/09/30 21:04:55
続き

ミサトはファーストの事を調べているみたい。
良く考えたら、私もファーストの事を何も知らないのよね。
最近はファーストと居る事が多いから、あまり気にしてなかったわ。
私が人より知っている事は、ファーストの夜の顔くらいかな。夜は素直でかわいいんだから。
……こんなのじゃ駄目ね。

それで、ファーストに変化の原因を聞いてみることにしたの。

「この前の戦闘記録を見たわ。あれは以前のファーストと違うわ。何をしたの?」
「何もしてないわ。ただ、分かっただけ」
「何が分かったの?」
「私は私。死んだら碇君を感じられなくなる事よ」
「そんなの、当たり前でしょ?」
「そうね…」

ファーストは答えてくれたのだけど、意味がさっぱりだったわ。
「私は私」なんて、自分以外の自分なんてあるはずが無い。死んだら何も感じられないのも当然よ。
だけど、その後の憂いに満ちた顔は何だったのだろう。
私なら使徒を圧倒できて喜ぶのにな。

115:何処かの793
04/10/01 20:28:47
私は汚された。

「嫌ぁ!見ないで!アタシに入ってこないで!」

シンジも汚された。

「やめろ!僕から出てけ!もう忘れたいんだ!」

使徒の攻撃で汚された。
使徒は遥か上空から、私とシンジを覗いていた。
私とシンジは攻撃に耐えるだけだった。

「シンジ…」
「アスカ!」

私とシンジはエヴァに乗っているのも忘れて抱き合ったの。
少しでもシンジを感じたくて、力強く抱きしめたわ。

「レイ、槍を使え」
「はい」

攻撃が止んだ時には、恥ずかしくて初号機を蹴り飛ばしてしまったけど。
使徒はファーストが倒したみたい。

続く

116:何処かの793
04/10/01 20:29:53
続き

私とシンジは病院で念入りな検査をさせられたわ。
検査が終わって、シンジと自宅に帰ったのは夜遅くだった。
ミサトは後始末に追われて、ネルフにお泊りだったの。

「アタシ、汚されちゃった‥‥」
「僕もだ‥‥」

使徒の攻撃を思い出したら、無性にシンジが恋しく思えたの。
だから、私はシンジを強く抱きしめた。

「お願い。忘れさせて…」

傷の舐め合いなんて、以前は最低の行為だと思っていた。
でも、弱い部分を見せられる相手が居て良かった。シンジが居て良かった。今はこう思うことができる。
私も変わったのかもしれない。

117:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/02 17:41:30
ひょっとしてエロいのキターッ!



のか?
いや、エロくなんなくても全然OKなんだが、
こんなところで続きとなると、どうなるかますます気になってくるじゃねーか。
これまで以上に次回が非常に楽しみでつ。

118:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/02 17:56:46
面白い!
お気に入りスレが1つ増えたよ。


119:何処かの793
04/10/02 21:22:48
「綾波っ!」
「駄目…来ないで」

零号機が使徒に取り付かれた。
最初から、あの使徒は零号機を執拗に追い掛け回した。

「嫌だ!綾波を助けるんだ!」
「来ては駄目…碇君と一つになりたがってる」
「そんなの知るもんか!」

ファーストは助けに来るなと言ったのに、シンジは助けに向かった。

「初号機も使徒に侵食されました!」

あの馬鹿、助けに行って自分も同じ目に会っているのよ。
零号機と初号機が繋がって、ファーストとシンジは苦痛から解放されたみたい。
二人は恍惚とした表情を浮かべていたわ。

「これが…綾波の心‥‥」
「碇君が…私に入ってくる‥‥」

何か知らないけど、まずい状況に変わりはないわ。
使徒は零号機と初号機に繋がって動きを止めていた。
その隙を突いて、私は使徒を両断した。

「エヴァ二機への使徒の侵食が止まりました。使徒の活動は停止した模様です」

とりあえず、これで使徒の動きは止まったわ。

続く

120:何処かの793
04/10/02 21:23:38
続き

使徒を倒した私たちはネルフに帰還した。
そこで見た光景に、私は驚きを隠せなかった。

「綾波‥‥ごめんよ。何も気づいてあげられなくて‥‥」
「そう…知ってしまったのね‥‥」

私が弐号機から降りて最初に見たのは、シンジがファーストを抱いているところだった。
シンジは泣きながらファーストを抱きしめていたの。
あのシンジが人前で抱き合うなんて、私には信じられなかったわ。

「嫌いになんてならないから…綾波のこと、ずっと好きだから‥‥」
「変ね…どこも痛くないのに、涙が止まらないの」
「いいんだ…それで、いいんだよ‥‥」

ファーストが普通に泣いているところなんて初めて見たわ。
分かっていたけど、私は耐えられなかった。
私は逃げるようにシャワールームへ向かった。

私は落ち着くまでシャワーを浴びていたの。
シャワーのお湯で分からなかったけど、私は泣いていたのかもしれない。
でも、大丈夫。こうなる予感はしてたから。
きっと、大丈夫。

121:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/02 21:39:10
一人称の地の文が話し言葉、女の子言葉なのって好きじゃない。


122:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/02 21:43:16
なら読むな

123:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/03 16:18:53
793氏の文体、好きだな

124:何処かの793
04/10/03 21:49:36
今、私の機嫌はこれ以上無い程に悪い。

「どうして、アタシの弐号機を使うのよ!」
「仕方ないでしょ。試作機の零号機と初号機を使っても、今後の役に立たないんだから」

なぜなら、私の弐号機が他人に使われそうだから。

「惣流さん、ごめんね。僕のために我慢してよ」
「アンタのためなんて、尚更にごめんよ!」

しかも、使うのが本当に他人のフィフスチルドレンなのよ。
フィフスチルドレン渚カヲル―そう、フィフスチルドレンが、なんの前触れも無しにやってきたのよ。
実験とはいえ、見ず知らずの他人を弐号機に乗せるなんて、我慢ならないわ。

「後でお礼をするからさぁ」
「絶対に駄目!」

このフィフスチルドレン、見た目はレイに似ているのよ。赤い瞳に真っ白な髪なの。
でも、性格は正反対なのよ。いつもへらへらと笑っていて、誰にでも馴れ馴れしいの。
シンジは誰にでもいい顔をするから、こいつに付き纏われているわ。

「アスカの我侭は通用しないわ。渚君、実験を始めるわよ」

結局は弐号機を使って実験されたの。
このままでは、私の腹の虫が収まらないわ。

続く

125:何処かの793
04/10/03 21:50:22
続き

「フィフス、お礼をしてもらうわ」
「覚えていたのかい?」
「当然よ。お礼は食事をご馳走になるわ」
「お安い御用さ」

それで、私はフィフスに食事を奢らせたの。
「お安い御用」なんてぬかしたから、値の張るレストランに連れて行ったわ。

「いいお店だね」

フィフスの奴、お店を見ても顔色一つ変えなかったわ。案外、こういう場に慣れているのかも。
シンジなら、間違いなく挙動不審に陥るわね。
今の服装を考えると、お店に入るのが躊躇われたけど、ここまで来て私が引くわけには行かないわ。
私たちは注文をそつなくこなして、食事を始めたの。
私は無言で食事を進めたかったのだけど、フィフスが次から次へと話し掛けてくるのよ。

「惣流さんはシンジ君と暮らしているんだよね?」
「ええ」
「シンジ君は本当に優しくて、エヴァのパイロットに見えないね」
「ただのお人好しよ」
「そうかなぁ、みんなに好かれているみたいだけど」
「表向きの顔がいいだけよ」
「惣流さんは普段のシンジ君を知っているのかい?」
「もちろんよ。普段のシンジは馬鹿でまぬけで我侭で情けない男よ」

続く

126:何処かの793
04/10/03 21:51:13
続き

しかも、フィフスの話はシンジの事ばかりだったわ。一緒に食事までしている私の事は、一切聞いてこなかったのよ。
私の事を詮索されるよりはましだけど、少し失礼ね。

「ふふ、惣流さんはシンジ君が好きなんだね」
「な…どうして、そうなるのよ!」

フィフスがとんでもない事を言うから、大声を上げちゃったじゃない。こんな所で恥ずかしいったら。
私がシンジを好きだなんて、今は考えたくもないわ。

「隠さなくてもいいよ。僕もシンジ君が好きだから」
「もしかして、さっきの「好き」は「普通に好き」ってことなの?」
「どうだろうね。僕はどちらでも構わないけど」

フィフスはシンジが好きなんだそうよ。本気かどうかは知らないけど。
なんか、こいつと話すのもあほらしくなってきたわ。

「アタシ、もう帰るわ」
「まだ半分も食べてないよ?」
「よかったら、あげるわ」

私は食事もそこそこに、早々と帰宅したわ。

続く

127:何処かの793
04/10/03 21:52:15
続き

「ただいまー」
「おかえり、アスカ。夕飯の用意ができてるよ」

帰宅したら、シンジが食事の用意をして待っていたの。

「シャワーの後で食べるわ」
「それじゃ、その間に温め直すね」

少しだけど食べてきたから、食べなくてもよかったのだけど、なぜか食べないのが惜しく思えたのよ。

「うん。今日のご飯は傑作だ」
「どこがよ。これなんか、火の通しすぎよ」
「温め直したからだよ!」
「はいはい」

シンジの料理がレストランに到底及ばないのは当然だけど、どこか安心できる味なのよね。
もしかしたら、これが家庭の味なのかもしれないわね。

128:何処かの793
04/10/04 20:48:38
それは、私がネルフから帰宅する最中に起こった。
日が沈んで暗くなった夜道を、私は一人で歩いていた。
街灯もまばらな人通りの少ない道を歩いていると、前方の街灯の下に人影が見えた。
人影は立ち止まっていて、こちらを見ているようだった。
私は気味が悪くて、歩く足を速める。
その街灯に差し掛かった時、私は溜め息を漏らした。

「……アンタ、こんな所で何をしているのよ」
「君を待っていたんだ」

その人影はフィフスだったのよ。こんな所で待ち伏せなんて、悪趣味にも程があるわ。
私はフィフスに用件を尋ねたの。

「驚かさないでよ。それで、何か用なの?」
「用件はね……君が邪魔なんだ」
「邪魔はアンタよ!」

そうしたら、フィフスが私を邪魔者扱いしたのよ。
私は条件反射的にフィフスを張り倒したわ。

「何よ、これ!?」
「君は直情的だね」

続く

129:何処かの793
04/10/04 20:49:25
続き

張り倒そうとしたのだけど、私の手はフィフスに届く前に止まったわ。それも、何も無い空間で手が止まったの。
私はエヴァに乗っている時の感覚を思い出したわ。

「まさか、ATフィールド!!」
「君たちリリンは、そう呼んでいるね」

間違いない。これはATフィールドよ。
私は目の前の人物が使徒である事と、私に絶対的な死が訪れようとしている事を理解させられた。

「そうやっておとなしくしていれば、君もかわいいのに。最後に言い残す事はあるかい?」
「どうして、使徒が人の姿をしているのよ」

フィフスが最後の一言を許してくれたから、私はなぜ人の姿なのか尋ねた。

「簡単な事だよ。リリンも使徒も生まれが同じだからさ。君たちリリンも、心の壁たるATフィールドを持ち合わせているんだよ」

そうしたら、私たち人間も使徒と同じだと言ったわ。
分からない事だらけだけど、もう考える時間は無さそうね。
フィフスが私を殺そうと、手をかざしたの。

「もう一度、シンジに会いたかったな‥‥」

私が最後に考えていたのはシンジのことだった。
シンジの顔を思い出そうとしても、細かな所までは思い浮かばなかったのよ。
もっと良く見ておくべきだったと、今更ながら後悔した。

続く

130:何処かの793
04/10/04 20:50:17
続き

死を覚悟して目を閉じた時、私の前に人影が立ちはだかったの。

「弐号機パイロット、私から離れないで」
「ファースト?」

私は信じられなかった。こんな所にファーストが飛び出してくるなんて。

「綾波さん、少し席を外してくれないかな。僕は惣流さんに用事があるんだけど」
「席を外すのはあなたよ。今なら見なかった事にしてあげるわ」
「もう遅いよ。力を使ってしまったからね」

私はファーストに危険を知らせようとしたわ。

「ファースト、逃げて!こいつは使徒よ!」
「知ってるわ」

でも、ファーストはフィフスと睨み合ったまま、動こうとしなかったの。

「仕方が無いな。強引に行くよ」

しばらくして、私は恐ろしい光景を目にした。
フィフスとファーストの間に、ありえない光の模様が見えたの。あれはATフィールドが何かにぶつかってできる物よ。

続く

131:何処かの793
04/10/04 20:51:07
続き

「なぜ、君はリリンの味方をするんだい?」
「私は人が好きだから」
「君は面白い事を言うね。僕は君に興味が湧いたよ」

フィフスの言葉を最後に、ATフィールドは消滅した。
後には、二つに分かれたフィフスの体が転がっていたわ。

「ファーストがやったの?」
「そうよ」

あのフィフスをファーストが倒したのよ。普通の人間が使徒を倒せる筈がないわ。

「アンタも使徒なの?」

私は間違いである事を祈って、ファーストに使徒なのか確認したの。
ファーストは見るからに苦しそうな表情をしたわ。

「そうかもしれない…私は作られた人なの。人ではない人。それが私なの」
「それ…シンジは…」

続く

132:何処かの793
04/10/04 20:52:05
続き

ファーストは自分が人間ではないと言ったわ。
私はシンジも知っているのか尋ねようとして、この前の光景を思い出した。ケージで抱き合う二人の言葉を思い出したの。

「あの時……この前の戦闘で、シンジも知ったのね?」
「ええ。碇君は私を受け入れてくれたの。とても嬉しかった‥‥」

やっぱり、この前の使徒の時に、シンジはファーストの事を知ったのよ。
シンジも知っていると聞いて、私は不謹慎にも安堵したわ。あの時の言葉が完全に否定されたわけではないけど。
シンジに受け入れられて、私ができないわけがない。私もファーストを受け入れることにしたの。

「ファーストが何だっていいじゃない。大事なのは心よ。あれだけ感じ合えたんだもの。私はファーストのことが今でも好きよ」
「ありがとう‥‥私も弐号機パイロットが好きかもしれない」
「そうね……もっと人間らしく呼び合いましょ。アンタを「レイ」って呼ぶから、アンタもアタシを「アスカ」って呼ぶのよ」
「わかったわ」

ついでに、ファーストとは名前で呼び合うようにしたわ。やっぱり、人は名前で呼び合うものよね。
それにしても、シンジが話してくれなかったことには腹が立つ。後でお説教しなきゃ。
私は少し前から鳴っていた非常召集のベルに気づいた。私はベルを止めて、ネルフの誰かが来るのを待ったわ。

続く

133:何処かの793
04/10/04 20:53:16
続き

私とレイはネルフに戻って、ミサトに報告をさせられたの。当然、シンジも呼び出されていたわ。

「それじゃ、フィフスチルドレンが使徒だったのね?」
「そうよ」
「どうやって倒したの?」
「倒してないわ。あいつが勝手に自滅したのよ」

私はフィフスが自ら命を絶ったことにしたわ。似たようなものだったから、これでいいでしょ。

「カヲル君が使徒だったなんて、嘘だよね?」
「嘘じゃないわ。アタシは殺されかけたのよ?」
「そんな‥‥」

お人好しのシンジは、フィフスが使徒だと信じられないようね。
少しは私の心配をしなさいよ。

134:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/05 19:29:02
カヲル君しんじゃった・・・

135:何処かの793
04/10/05 21:43:58
私たちチルドレンは第三新東京市に閉じ込められている。
理由は敵が迫っているから。
敵といっても、今度の敵は使徒ではない。相手は日本の軍隊よ。
どうして、こんな事態に陥ったのか、私には分からないけど、敵が攻め込もうとしているのは確かよ。
エヴァで人に認めてもらおうなどと考えるのは夢物語なのだと、私は思い知らされた。
今、第三新東京市は完全に包囲されている。
加持さんが情報をくれたおかげで、相手の奇襲だけは防げたのよ。
それで、私たちネルフは威嚇の為に、エヴァを見張りに立てているの。
絶えず三機のエヴァが交代で見張りをしているから、相手も簡単には攻め込めないわ。
今はシンジと見張りに就いているの。

「シンジ、覚悟はできてるんでしょうね」
「……」
「アタシたちがしっかりしないと、みんな死ぬのよ?」
「……分かってるよ」

私はシンジが心配なの。
もし、眼前に展開されている部隊が突撃してきたら、エヴァで蟻の群れを踏み潰すようにして迎え撃たなければいけないのよ。
蟻でもできそうに無いシンジが、迷わずにできるかが心配だわ。

続く

136:何処かの793
04/10/05 21:44:58
続き

だけど、私の心配は杞憂に終わったわ。

「アスカ、何か来る!」
「あれは……エヴァ量産機!?」

なぜなら、業を煮やした相手さん方が、エヴァ量産機を投入してきたからよ。エヴァにはエヴァというわけね。
ここからは、戦闘と呼ぶにはあまりにも醜い戦いだった。まだ、使徒を相手にしたほうが、いくらかきれいな戦いができると思えたわ。

「こいつら、どうして起き上がってくるのよ!」

量産機は倒れても再生して起き上がってくるのよ。まるで、映画のゾンビみたいに。

「綾波、よけて!」
「きゃあっ!!」
「綾波っ!!」
「槍のコピーか!?」

しかも、量産機の使う武器にATフィールドが通用しないのよ。
無敵の強さを誇っていた零号機が、全ての槍を受けて動きを止めたわ。

続く

137:何処かの793
04/10/05 21:45:52
続き

量産機も醜かったけど、極めつけは初号機よ。

「初号機、活動を再開しました!」
「ありえないわ!電源は切れているのよ!?」

私が量産機に囲まれて、もう駄目かと思った時、活動停止の初号機がまたもや暴走したのよ。
助けてもらった私が言うのもあれだけど、今回の暴走はとても直視できたものではなかったわ。

「エヴァを食べているの?」

初号機は倒した量産機を食べていたのよ。初号機が口でぼりぼりとね。思い出すだけで吐き気がするわ。
その後も初号機の動きは常軌を逸していた。武器を持たない筈なのに、離れた敵を八つ裂きにしていた。

「敵部隊、撤退を開始しました」

量産機を失った敵の部隊は、早々と撤退を始めたわ。
初号機が雄叫びを上げる中、私は病院に運ばれた。

138:何処かの793
04/10/06 21:42:39
また私は病室で寝ている。

「静かだな‥‥」

この病室には私しか居ない。
以前の入院よりも体の調子はいいのだけど、気分は優れない。
多分、あいつが居ないから。シンジが居ないから。認めたくないけど……

「シンジの奴、お見舞いくらいは来なさいよ」

不意に私は独り言を始めるの。
病室が静か過ぎて耐えられないから。不安に耐えられないから。

「シンジはレイのお見舞いかな‥‥」

あの戦いでシンジがどうなったのか、私は知らない。でも、私は考えないようにしている。
もうすでに、シンジが私に会いに来ないのがおかしいから。

「アスカ、体の具合はどう?」

続く

139:何処かの793
04/10/06 21:43:58
続き

最初に私のお見舞いに来たのはミサトだったの。
私は真っ先にシンジの事を尋ねたわ。

「シンジはどうしたのよ。もしかして、シンジも入院しているの?」
「え…ええ。シンジ君も別室で入院中よ」

そうしたら、シンジも入院していると教えてくれたわ。
それで、シンジの容態を尋ねたのだけど、その答えを聞き、私は脱力して卒倒しかけた。

「シンジはどうなの?大丈夫なの?」
「……なんとも言えないわ」
「それって……やばいって事なの!?」

ミサトの答えだと、シンジは生死の境をさまよっている事になる。
私は正気で居られず、ミサトの腕に掴みかかった。そして、シンジに会わせるように頼んだの。

「シンジはどこよ!今すぐに会わせなさいよ!」
「ごめんね…できないのよ‥‥」
「できないって何よ!一目でいいから、会わせなさいよ!」
「ごめんね‥‥」

ミサトはシンジに会わせられないと言った。
だから、何度も私は声を荒げて頼んだ。
だけど、ミサトは私に腕を引っ張られながら、何度も謝るだけだった。

140:名無しが氏んでも代わりはいるもの
04/10/07 00:17:00
めちゃくちゃいいところで止まったな・・・
期待してます

141:何処かの793
04/10/07 22:15:35
ミサトのお見舞いの後、私は病室を飛び出した。ミサトが見ている間は、私を病室の外へ出させてくれなかったから。
私は体が痛むのも忘れて、発令所に向かった。そこでシンジの情報を聞き出すために。

「アスカちゃん、もう大丈夫なの?」
「アタシは平気よ。それより、シンジはどうなってるのよ」

シンジの情報はすぐに聞き出せたわ。
発令所に居る日向さんと青葉さんが教えてくれたのよ。

「聞いてないの?」
「ええ」

二人は少し見合ってから、私に教えてくれた。

「シンジ君はまだ初号機の中さ」
「出られなくなったんだ」
「どうしてよ」
「初号機に取り込まれてしまったんだよ」
「シンクロ率400%以上の代償がこれさ」

続く

142:何処かの793
04/10/07 22:16:41
続き

シンジは初号機から出られないと言っていた。初号機に取り込まれたと言っていた。
でも、私には何の事だか理解できなかった。

「それで、シンジはどうなってるのよ」
「プラグスーツだけを残して消えてしまったよ」
「これがエントリープラグの中さ」

私は初号機のエントリープラグ内の映像を見た。
そこにシンジの姿は無い。あるのは、薄っぺらなプラグスーツだけだった。
私は二人の言いたい事が分かり始めた。
でも、私は現実を認めたくなくて、ヒステリーを起こしたようにわめき散らした。

「取り込まれた?何を言ってるのよ!人を馬鹿にするのもいい加減にして!!」
「アスカちゃん、落ち着いて」
「シンジ君は救出できるから」
「今、サルベージの準備を進めているところなんだよ」

シンジが助かると聞いて、私は発令所を後にした。

続く

143:何処かの793
04/10/07 22:17:58
続き

私はシンジを捜そうと思い、初号機のケージを目指した。
シンジが消えたなんて、そんな事実を簡単には受け入れられなかった。

「レイ…」

ケージの初号機の前にはレイが居た。レイは初号機のコアの前で、膝を抱えて座っているの。
レイも病室を抜け出してきたみたい。包帯姿が痛々しさを際立たせていた。
レイは私が隣に来ても、初号機から少しも視線を動かさなかった。

「レイ、何をしてるの?」
「碇君を見ているの」

レイに何をしているのか尋ねたら、シンジを見ていると答えたの。レイは初号機を見たままで……

「本当だったんだ‥‥」

私は体中の力が抜けるのを感じた。そして、レイの隣にお尻を着いたの。
私とレイは黙って初号機を眺めている。
いつまでも、初号機を眺めていた。

144:何処かの793
04/10/08 22:05:04
「馬鹿‥‥シンジの馬鹿ぁ‥‥」

私は初号機の前で泣き続けている。
私の手にはシンジのプラグスーツが握られている。
そうよ。シンジの救出は失敗に終わったのよ。
いつから泣いているのかも忘れたわ。
そうしたら、レイが初号機のコアの前で服を脱ぎ始めたの。

「レイ、何をしているの?」
「碇君の所へ行くの」
「何をする気?」
「さよなら」

レイがお別れを言った後、私の目の前で消えた。レイはコアに触れた瞬間に消滅したの。

「嘘でしょ!?何をしたのよ!アンタまで消えてどうするのよ!アタシも連れてってよ‥‥」

私はコアに駆け寄って、何度も呼び掛けた。
どれだけコアを叩いても、当然のように返事はなかった。

続く

145:何処かの793
04/10/08 22:05:36
続き

私が泣き崩れていると、不意にコアの辺りから物音が聞こえたの。

「シンジ!」

私は幻を見ているのかと思った。
なんと、コアの前にシンジが裸で倒れていたのよ。

「レイなの?」

シンジに重なるようにして女の子も倒れていたけど、レイではなかったの。
すぐに二人は病院に運ばれた。もちろん、私も同伴したわ。
今、私はシンジの病室で付き添いをしてるの。
隣のベッドには、エヴァから一緒に出てきた女の子が寝ている。
でも、ここにレイは居ない。
レイはどこに行ったのよ。最後の言葉が気にかかるわ。
もしかして、本当にお別れなの?そんなの許さないから。

それにしても、この女の子はレイに似ているのよね。シンジにも似ているような気もするけど……

146:何処かの793
04/10/08 22:06:14
私は病室でシンジの目覚めを待っている。
隣で眠っていた女の子は、少し前に意識を取り戻したの。
その女の子は意識を取り戻すなり、眠るシンジに駆け寄って手を握っているわ。
見ず知らずの女がシンジの手を握っているのよ?当然、私は気に食わなかったわ。だけど、私が間に入れるような雰囲気ではなかったの。
でも、それもシンジが目を覚ますまでのことよ。

「ん……あ、量産機は?ここは?」
「よかった!碇君、目を覚ましたのね。会いたかった‥‥」
「なっ!?」

あの女、シンジが目を覚ますと真っ先に抱きついたのよ。

「あ、綾波!?じゃないの!?」
「忘れてしまったの?あれだけ愛し合ったのに‥‥」

性格がちょっと変だけど、私は気づいたわ。

「ちょっと、レイ!離れなさいよ!」
「え?やっぱり、綾波なの?」
「そうよ。でも、放さないわ」
「離れろっての!」

あの女は綾波レイだったのよ。髪と瞳の色が普通の日本人になってたから気づかなかったの。心配して損したわ。
私たちが病室で騒いでいたら、司令と副指令が血相を変えて飛び込んできた。

続く

147:何処かの793
04/10/08 22:06:52
続き

「何をしている!」
「ユイ君から離れなさい」

事情が飲み込めなかったけど、司令と副指令に逆らうのは得策ではないわ。私はレイから手を離したの。レイの馬鹿は、これ見よがしにシンジと抱き合っていたけどね。後で覚えてなさいよ。
だけど、この後の司令と副指令の態度には本当に驚いたわ。

「ユイ、良く帰ってきてくれた」
「ユイ君なのだろう?お願いだ。そうだと言ってくれ」

あの司令と副指令が、レイみたいな小娘に涙を流して語りかけたのよ?そりゃ、驚くわよ。
それ以上に、レイの言葉に驚いたけどね。

「あなた、冬月先生、私は帰ってきてしまいました。やはり、人は他人のいない空間では幸せになれないようです。エヴァの中でシンジと一つになって分かりました。私は他人を求めていたのだと‥‥」
「それが分かっただけでも、良かったではないか」
「そうだぞ。ユイ君」

レイが別人のように話していたのよ。
なんか話が飛躍しすぎて、私は思考する事も忘れていたんだけど、次のレイの言葉で驚きを実感したわ。

「それと、私は碇ユイですけど、同時に綾波レイでもありますから。その事を肝に銘じておいてください。碇司令、それと、副指令」
「まさか…」
「全部、知っていると言うのか!?」
「もちろんですよ。綾波レイ…いえ、私が生まれた理由もね」

続く

148:何処かの793
04/10/08 22:07:22
続き

どうやら、レイは二つの人格を擁しているらしいのよ。後で聞いて驚いたんだけど、その人格がね……
それにしても、司令と副指令が青ざめているところなんて初めて見たわ。よほど、ユイって人が大事だったようね。
みんなが驚いて静まり返っていたけど、シンジが我慢できずにレイに本人か確認したの。

「あ、綾波じゃないの?」
「碇君、私は綾波レイよ?なんなら、今から碇君との思い出の全てを話しましょうか?」
「い、いや、後で聞くよ…」

レイの奴、何かにつけてシンジに抱きつくのよね。今度は前とは違う意味で苦労しそうだわ。
抱き合う二人を見て、司令と副指令は力無く病室を去ったわ。

「レイ、いつまでも抱き合ってないで、説明しなさいよ」
「もう、涙の再会なんだから、好きにさせてよ」
「涙の再会なんて、とっくにぶち壊しよ。いいから、説明して」
「しょうがないわね」

私はレイに説明を求めたわ。だって、異常な事が多すぎるんですもの。

「私がエヴァのコアに消えたのをアスカも見たわね?」
「ええ」
「それは、私も碇君と一つになろうと思ってした事なの」
「それで?その体はどうしたの?」
「今、説明するから。……それは、初号機には碇君以外にもう一人、碇ユイが閉じ込められていたからよ」
「碇ユイ?」
「それは後で説明するとして―じつは、エヴァの中での事はあまり覚えてないの。気が付いたら、ベッドの上で私が碇ユイになってたわ。あの中で、碇君に触れたいと思っていたような気がするけど……」

続く

149:何処かの793
04/10/08 22:07:56
続き

レイの説明によると、初号機の中にはシンジ以外にも「碇ユイ」という人が居て、その人と重なっちゃったらしい。相変わらず、ふざけてるわね。
あと、「碇ユイ」って人だけど、この人も凄いのよね……

「僕のお母さんも「ユイ」って名前だ…」
「シンジ、覚えていてくれたの?お母さん、嬉しいわ」
「お母さん!?」
「馬鹿な事を言ってんじゃないわよ。どこに同い年のママが居るのよ。それより、さっさとシンジから離れなさいよ!」
「嘘じゃないわ。肉体年齢は綾波レイに合わせられたみたいだけど」

後で調べて分かったけど、「碇ユイ」は本当にシンジのママだったのよ。
信じられないわ。だって、見た感じの年齢は私たちと変わらないのよ?というか、髪と瞳の色を変えたら、まんまレイと同じよ。

「お、お母さんなの?」
「そうよ」
「それじゃ、綾波は?」
「それも私よ」

シンジなんか目に見えて混乱してたわ。無理もないわね。
これからレイはどうするのだろう。私たちの関係も終わりかな……
これを機に、シンジに告白でもしようかしら。

150:何処かの793
04/10/08 22:08:46
最近のレイには、ほとほと疲れさせられる。

「碇君、あーん」
「い、いいよ。自分で食べるから」
「あーん!」
「あーん…」

以前のレイもシンジにべったりだったけど、自分から行動を起こすようなことは無かったわ。
今のレイは新婚夫婦もびっくりの甘えようね。当然、犠牲者はシンジよ。
レイはシンジの部屋に押しかけて、シンジの世話の何から何までしているわ。

「アンタたち、時と場所を選びなさいよ」

先日の日本軍とエヴァ量産機の侵攻を受けて、私たちチルドレンはネルフに待機を余儀なくされているの。
食事はネルフの共同食堂を使っているんだけど、二人の馬鹿のおかげで食事が億劫なのよね。

「あーん」
「レイ!聞いてるの!?」
「んもう、怒鳴らなくてもいいじゃない。アスカもする?」
「な…なんで、アタシもやるのよ!」
「だって、アスカも碇君が好きなんでしょ?」
「く……」

レイが所構わずシンジに甘えるものだから、おちおちと食事もしていられないわ。
ただでさえ、レイの性格と見た目の豹変で注目を集めるのに、このあつあつぶりよ?ネルフの職員で、この光景を知らない者はいないわ。
ちなみに、レイは「綾波レイ」としてネルフに扱われている。髪は染めて瞳の色はコンタクトをしていることになっているの。真実を知る者は少ないみたいね。

続く

151:何処かの793
04/10/08 22:09:23
続き

今日は違う意味でレイに疲れさせられたわ。

「アスカ、今度はいつするの?」
「するって何を?」
「意地悪しないで。あれよ。エッチな事よ」

レイから誘ってきたのよ。色々な意味で驚かされたわ。

「アンタ、自分が何を言ってるのか、分かってるの?」

私は二人の事を考えると、簡単には応じられなかったわ。
でも、レイは懸命になって懇願してきたの。

「分かってるわ。けど、どうしようもならないの。私の中の綾波レイが止まらないのよ」
「後悔するかもしれないわよ」
「後悔したっていいわ。私には碇君しかないもの」
「仕方がないわね…」

だけど、レイはレイのままなんだなって気づいたら、不安なんて小さな物に思えたのよ。
私はレイの頼みに応じる事にした。

シンジはレイとしたことで吹っ切れたみたい。最近、レイとの付き合いがぎこちなかったけど、自然に振舞えるようになったわ。
私はどこかほっとしたかな。レイに変わりないって確認できたから。
でも、これで更なる深みに落ちたような気がする。
今日は疲れたから、考えるのをよそう……


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