04/05/18 19:51 c3LIVm9I
それ以後、シンジは一人で部屋にいるときはアスカの似顔絵をマジマジと見つめていた。何度見てもアスカそっくりの見事な絵だ、この絵を罵倒したアスカ本人のセンスを疑いたくなる。
アスカの顔を見つめるようになってから二日後、いつものようにアスカを見つめていたところを惣流・アスカ・ラングレー本人が部屋に入ってきた。
「あら、それアタシの絵?」
「う、うん」
「よくみるとなかなかうまい絵じゃない。返して」
「そんな、勝手すぎるよ」
「別にいいじゃない。ほらっ」
シンジから絵を取り上げたアスカ。立てかけた絵のとなりに絵と同じポーズで並ぶ。
「どう?」
「どうって」
「どっちが本物かってこと。あともう絵は ア ン タ の も の でいいから」
絵と本人を並べてどっちが本物かなどしらける馬鹿馬鹿しい話である。しかし、アスカの言ったセリフの後半、「絵はアンタのもの」これがシンジの鼓動を激しくする。そしてシンジは指を指す。
「こっちが本物のアスカで、こっちが僕のものだよ。そうだよね、僕のアスカ」
シンジの指が指したアスカは何も言えない。「絵といわれたアスカ」が答える。
「そうよ」