04/05/23 02:47
ぎゅっと、両手に力を込めて、広くも無い背中に頬擦りする。日向で乾いたシャツと、少しの汗の匂い。
背中越しに響く声は、いつも聞いてるよりも低く大人っぽく聞こえて、少し鼓動が高鳴った。
「……あのさ、アスカ……………買い物は…ちょっと、遠くのスーパーにしようか?」
「?!…………うん。そう、それが良いわ」
「行きは上り坂なんだけど「アタシは降りないわよ」
「…………だよね」
苦笑するような背中の揺れを、頬と耳に感じる。
「帰りも降りないわよ?」
今度ははっきり、シンジは笑って。グッとスピードアップして、少し頼もしい声がした。
「いいよ。しっかり掴まってて」
“やだって言ってもそーするわよーだ”
Tシャツの背中に、そう染み込ませた。アイスぐらいは…………奢ってやろうと考えながら。
* * * * *
イチャイチャも良いんだけど、こういう微妙な空気感が好き。