04/04/26 23:46 TMgPiNcK
まったく流れを読まずに投下。SSっぽいので苦手な方はスルーおねがいします。
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雨の放課後。昇降口。
「…しまったなあ」
まさか傘を忘れてくるなんて。らしくない。結構土砂降りだ。
「…やあ」
「…あ」
六枡センパイ。
「まひろちゃんたちは?」
「先に帰ってもらいました。私仕事があったので。先輩は」
「委員会の仕事があったんで、カズキたちには先に帰ってもらった」
「私と同じですね」
「そうだね」
…
「なにしてるの?」
「あ えと」
「傘がないんだね」
「はい」
さすが鋭い。しかもセリフが出てくるまでタイムラグがなかった。
「使う?」
す、と差し出される黒い折り畳み傘。飾りっ気のないのは六枡センパイらしい。
「センパイは」
「大丈夫」
脚が走る気満々だ。
「ダメですよ、風邪をひきます」
「そこまでだよ」
「私もそこまでです。ていうか同じ寄宿舎じゃないですか」
傘を開く。
「どうぞ」
「…じゃあ、お言葉に甘えて」
それから他愛も無い話をしながら帰った。武藤兄弟のこととか。二人の共通項だから。
六枡センパイはカズキ先輩のことが大好きなんだなあと思った。
私もまひろのことは大好き。
「ええと、キミ」
「さーちゃんでいいですよ。まひろたちと同じように呼んでください」
「わかった、さーちゃん♪」
まひろだ。六枡センパイは物まねがすごく上手いんだ。
あと、今まで知らなかったけれど、
六枡センパイの笑顔は、すごく可愛い。