04/04/01 14:50 mZ/mDgSF
>>807
1巻あとがき
私は物語を考えるにあたっていくつかの選択肢を設ける。
例えばカイト。性格は一本気で任務に忠実。義理を重んじ師のために命を投げ出す任侠気質。
この設定は変わらずにジンを追う理由を3つ考えた。
1.最終試験
2.ジンを殺すため
3.ジンを捕らえるため
結局1を選んだが、未だに2と3の場合を想像し一人で微笑する。「ものもこんな設定だったら」
を考えるのは楽しい。
わずかな一挙一動の違いが物語の未来を微妙に、時には大きく変えていく。そのずれが想像力を
高めるのだ。
この物語もそんな快楽中枢を刺激してくれる。こちらの世界ではミトがジンの妻の妹ということに
なっている。それによってミトがハンターを憎む理由が大分違っている。
そしてハンター試験に新しい競争相手が登場してくる。
こちらのゴンはそれに対しどう反応するのか?
それは読んでいただければわかる。ではこの先のゴンは?想像の余地は充分ある。
読んでくれた人の数だけ物語があるのだ。
冨樫義博
2巻あとがき
今回のノベライズは、「ミステリー」的要素が色濃くでている。
犯人は?
その動機は?
トリックは?……
謎めいたその展開は、一旦読み始めてしまうと、最後の一行を読み終えるまで、もうページを閉じる
ことはできない。
その事件の謎の深まりとリンクするように、ゴンのハンター最終試験もクライマックスを迎えていく……。
勝者は?
その動機は?
決め手は?……
そう思うと、原作の「ハンター試験」も、ある種の「ミステリー」だったような気がする。試験結果も、その経過も、みんなの予想と全く違う展開になったと思う。
この事件でみんなが追い求めた「犯人」は、最後に明らかになる。
しかし、ゴンが追い求める、夢という「犯人」はまだまだつかまりそうにない。
これからの展開に期待してほしい。
冨樫義博