03/06/06 20:17
冬月の求婚1/3
「コウゾウさん 起きてください。もう七時ですよ。」
「今、起きるよ。」愛するシンコ君(仮)の声を聞いて
ベッドから起き上がる。
「コウゾウさん、いつも寝起きが悪いんだから。」
「そんなこと言わないでくれ。朝は苦手なのだから。」
「もう、本当に子供みたいなんだから。もっと早く
寝れば良いのに。」シンコ君(仮)は唇を尖らし、
儂煮抗議する。
「そんなこと、言われても儂をいつまでも寝かせてく
れないのは君のほうじゃないか。」儂がそう言うと
彼女は顔を真っ赤にしてしまった。
「もう、知らない。」シンコ君(仮)は若々しい
足取りで台所に消えていった。儂はシンコ君(仮)
の後ろ姿を見ながら今までのことを回想していた。
一人寂しい晩年を送るはずだった老後。
それが碇の娘を嫁に娶り今までの人生に
無い穏やかな日々を満喫している。
さすがに碇のところに「娘を下さい。」
と儂が言ったときの奴の顔は忘れないだろうな。
「碇、いやこの場合はお義父さんだな、
娘さんを私に下さい。」儂は土下座するなり碇にそう伝えた。