AIKa TRIAL・4 パンツ丸見え~at ANIME
AIKa TRIAL・4 パンツ丸見え~ - 暇つぶし2ch53:まったくの初心者
03/03/30 11:17 bia4XYXB
副官さん、御丁寧なレスどうもありがとうございました
大いに参考になりました

では、これから初回版探しの旅に行ってまいります

54:nao
03/03/30 13:13 1zJaLoMS
副官様 こちらではお久しぶりです。

以前アイカの画像+MP3を拾ったHPでみつけましたPDFデータです。

URLリンク(animeomiyage.net)
もうご存じだとは思いますが、りおんのカレンダー。これは自作なんでしょうか?

ところで昨日秋葉原でAIKAパーフェクトファイルを見つけた本屋へ寄ったらまだ
在庫が残ってましたが、なぜか18禁パソゲー資料集の棚に並んでました。定員さん
ここにあるから売れないと思うのですが...。つい勝手にアニメコーナーの棚へ
移そうかと思いましたよ。

55:nao
03/03/30 13:19 1zJaLoMS
>>35
>DVDの初回限定
(1)ジャケットが「シー・スルー」仕様
  ケースの上に、更に、プラスチック・カバーが掛けてあります。
    ケース・ジャケットは下着姿。

そーいえば昨日中古ショップにありましたよ。なにげに売り場で見つけましたが。

   

56:副官
03/03/30 15:39 Hhceoq+w
>>53
お役に立ちましたでしょうか。

>これから初回版探しの旅に行ってまいります
どうぞ首尾よく、ご入手されます様。


57:副官
03/03/30 15:42 Hhceoq+w
>>54
nao様、お久し振りです(w
先程、したらばのURLを拝見しました。有難うございます。

>りおんのカレンダー。これは自作なんでしょうか?

う~ん、初めて知りました。
ご紹介有難うございます。
いろんなグッズがあるものです。

>ところで昨日秋葉原でAIKAパーフェクトファイルを見つけた本屋へ寄ったら
>まだ在庫が残ってましたが、なぜか18禁パソゲー資料集の棚に並んでました。
>定員さんここにあるから売れないと思うのですが...。

ゲーム・ファンの方も「こんなゲーム知らないヤ」と、相手にしないでしょうネ。
以前他の方が「レンタル・ビデオ店で見当はずれの棚にある」と投稿しておられました。
可哀相なAIKa。


58:副官
03/03/30 15:45 Hhceoq+w
>>55
>そーいえば昨日中古ショップにありましたよ。なにげに売り場で見つけましたが。

nao様はAIKaレア物発見の達人です。
して、お値段はいか程で?

私はDVD「初回版」「通常版」を各1セットずつ所有しております。
更に「初回版」については、第2巻・3巻を余分に所有しており、
第1巻を追加購入して「初回版の2セット目」を、と考えています。
中古ショップに「第1巻・初回版4,780円」(消費税込5,019円)が
並んでいるのですが、値段が相場より1,000円程高く「どうしようか」と
迷っております。


59:風の谷の名無しさん
03/03/30 18:10 npmmRc9y
AIKAはパンチラを抜いても
もっと評価されるべき作品じゃないだろうか

60:副官
03/03/30 21:02 Hhceoq+w
>>59
>もっと評価されるべき作品じゃないだろうか

仰る通りです。
AIKaは実質7話で、完結から4年を経過しました。
しかるに今もって、皆様から濃い内容のレスが投稿され続けるのは
「ストーリー」「人物描写」が秀逸であるからです。
売りがパンツだけでは、とっくに飽きられてしまいます。


61:副官
03/03/30 21:35 Hhceoq+w
AIKaの新しい画像です。
近々、CD発売予定だそうです。

HPのトップ
URLリンク(yamagiwa-art.axisz.jp)

近々発売予定のCDのジャケット?
URLリンク(yamagiwa-art.axisz.jp)

収録見本画像
URLリンク(yamagiwa-art.axisz.jp)

収録見本画像の左上。
HPのトップ画像が「その全身像は、実は思いもよらない格好である」と、判ります。


62:研究所
03/03/31 01:35 E+DeP9as
こんな時期に「Aika」専門の画像集発売とは!?
今「Aika」に何がおこってるんでしょうか?
この作品は「エイズ」みたいに潜伏期間を経て発病するタイプなのかも
(人の事は言えませんが..笑)

63:風の谷の名無しさん
03/03/31 21:37 ZKm3/WXO
>>54
>ところで昨日秋葉原でAIKAパーフェクトファイルを見つけた本屋へ寄ったらまだ
>在庫が残ってましたが、なぜか18禁パソゲー資料集の棚に並んでました。

>nao様
2週間前秋葉原で探したけどBしか見つかりませんでした。
この在庫というのはAのことなのでしょうか?

64:副官
03/03/31 22:34 JIE1O/S8
前スレはdat落ちしました。
ミラーを作製して頂きましたので、そのURLを貼付します。

 AIKa TRIAL 3 デルモゲニィもよろしく
 (2002/07/07~2003/03/23 レス868)

 URLリンク(2chlog.homeftp.org)




65:超初心者
03/04/01 01:10 GVYxHMZY
>64
 副官様、2ch管理者様、ミラーによる保存、本当にありがとう御座いマスm(__)m
 前スレ容量オーバーの一因でもあった私としてはホッとした気分です。今後とも
 「デルモゲニィも」末永く「よろしく」 と、お願い申しますデス^^


66:副官
03/04/01 01:21 AVnCmUUO
>>65

>前スレ容量オーバーの一因でもあった私としてはホッとした気分です。

何を仰られます。
振り返りますと「TRIAL3は超初心者様の為に用意されたスレ」の感がいたします。

>今後とも「デルモゲニィも」末永く「よろしく」と、お願い申しますデス

前スレにも増して、このスレでもご活躍されますよう、ご期待申し上げます。



67:nao
03/04/01 02:25 uJhMr8vQ
>>63
書泉ブックタワーさんにあります。
A,B。2種類共

それよりもいまだ『AIKa グラフィクス』どこを捜してもありませんよ。
秋葉原で見かけた方いませんか?




68:63
03/04/01 07:15 p0L+nXel
>>67
情報ありがとうございます。

『AIKa グラフィクス』ですがアマゾンを利用されては
いかがでしょうか?



69:副官
03/04/01 21:43 AVnCmUUO
『AIKa グラフィクス』

私は書店に「取り寄せ注文」しました。
「送料」「代金振込手数料」不要の、定価購入でした。

店員に表紙を見られるのは恥かしいことですが、そこは気合で・・・


70:63
03/04/02 01:05 fLcV5Lko
無事パーフェクトファイルAを購入しました。
確かにゲームのコーナーにおいてありました。
情報がなかったら上の階のアニメコーナーだけみて
発見できなかったことでしょう。
nao様ありがとうございました。

71:副官
03/04/02 01:53 P/Ey1Rx2
>無事パーフェクトファイルAを購入しました。

63様、おめでとうございます。
nao様、情報提供ご苦労様です。

掲示板を利用しての情報交換。
その情報が効果を発揮し、見事に目的を達成。

こういうの、とてもいいですネ~。
横から拝見していて、ホノボノとした気分になりました。


72:副官
03/04/02 23:45 P/Ey1Rx2
ageます。
新スレ誕生早々dat落ちしてはかないません。

73:(^^)
03/04/04 03:08 DBJlwtBc
(^^)

74:超初心者
03/04/04 23:19 P0TUFXzM
51の続きデス。白デルモさんは次回、ということで^^;;
~潜入~

時系列で言えば、ここで舞台はデルモ・コーポレーションに移る。時刻は午前0時30分。
KKビルを出発した3台の車のうち2台が、ここ地下3階駐車場に戻っている。あとの1台は
勿論、ビスチェ受取り・回収用として公園へ。法定速度を2割オーバーしながら先に帰還した
黒デルモたちは、気を失っている女たちを、他のデルモ社員たちに見られないようこっそり
社内に運び込む。他の社員、といってもこの時間である、大半は退勤し、深夜残業にかかって
いる者は少数。それでも用心に越したことはないと、社内の監視カメラにさえ写らぬよう
細心の注意を払い、死角を縫って行動する黒デルモたち。先ず仲間の4人を救護室に運び
ベッドに寝かせたあと、りおんを担いで赴く先は5階の研究開発本部フロア。エレベーターを
降りると真っ直ぐニナ・エスコの待つ部屋へ向かう。中へ入り扉閉め切ってはじめて、一人が口早に
報告するが、動揺は隠しきれぬまま。「も、申し訳ありません…」
黒デルモの習性として失敗は即、お仕置きという固定概念がまだしみ付いているのだろう、
細かく全身が震えている。しかしニナ・エスコはネーナとは違う。無条件に優しい訳でも
ないが、常に失敗を一緒になって挽回していこう、という前向きな姿勢に徹していた。
これも課題解決の為の理知に優れている一つの現われ、部下の黒デルモたちも少し
落ち着くと、そうだった、もうこんなにビクつかなくてもいいんだった、と多少は安堵する
のである。白デルモは、黒デルモたちをねぎらいながら、最後まで頑張ろうと励ます。
勿論、ビスチェを手に入れハーゲン兄妹をメタルの繭から解放するまで、とは決して口に
出さないが。彼女の励ましに発奮する黒デルモたちも、元気に応答すると指示された部屋へ
りおんを担ぎ去っていく。その後ろ姿を見送りながら、もう後戻りはできない、と思う…
知らず、唇を噛むニナ・エスコなのであった。
(続きマス↓)

75:超初心者
03/04/04 23:21 P0TUFXzM
再びKKコーポレーションの所在地に戻る。書面に指定されたとおり、徒歩で会社を出た藍華は
ビスチェを身に付けている。一体どこにあったのか。答えは簡単、それは車のダッシュボード
にあった。いつものことではない。常日頃は、デルモたちが睨んだとおり会社の衣類ロッカー
に入れてあったもの。マンションに一人暮らしの藍華としては、その方が安全に思えたし、
万一、会社の金目当ての泥棒に入られても、こんな女性装身具などには目もくれないと
考えたからである。では、今日に限って何故?こればかりは自分に嘘をつけない、心中白状
すれば司令との闘いに備えたのである。司令を頭から疑った訳でなくとも、心の片隅に
もしや、との思いが拭い切れず、念のため、と自分に言い訳しながら携行したのだった。
あの純粋な闘いが終わった今となっては、自分への恥ずかしさばかりがつのる。こんな、
司令を侮辱するような行いは二度としない、いわんや、このことを彼女には決して明かす
まいと、藍華は自己の心への戒めとして封印する意を固めている。ところが、そのビスチェが
犯罪の標的にされたのだから、皮肉なものである。机上に残されていたメモには、ビスチェを
しばらく拝借するだけだ、用が終わればすぐに、りおん共々お返しする。人質の安全は
如何なる場合でも保証する、だから無用な詮索はしないで欲しいと、脅迫にしてはやけに
低姿勢な文が並んでいた。けれど藍華にとって、何より大事なのは、りおんの安否である。
あれからすぐ、りおんの自宅や携帯、立ち寄りそうなところ悉く連絡したが、当然の
ことながら所在不明である。ビスチェに用があるなら、りおんは関係ない筈。
それなのに何故…。藍華の顔は熱を帯びている。
こんな上っ面の言葉に騙されるもんですか、と、かえって怒りが倍加していくのである。
(続きマス↓)

76:超初心者
03/04/04 23:22 P0TUFXzM
住宅地を抜け、ほぼ街外れに位置する中央公園。広大な開放緑地として昼間は憩いを求める
人々で賑わうが、さすがに午前1時となれば普通、人は立ち入らない。15分かけて歩いて
きた藍華の前方に、これまた指定されたベンチが見えてくる。公園の周回道路に面した
ベンチである、きっと犯人は近くに車を待機させているのだろう。周到な連中なら、彼女が
ちゃんと徒歩で来たかどうかも、スコープでチェックしている筈である。ここでビスチェを
奪って車で逃走すれば、藍華は手も足も出ない、との計算はミエミエであった。文面に
あった、先に拝借という言葉からすると、りおんはここでは解放されないのか。それでも尚、
ビスチェを渡さざるを得ないのか。痛恨の表情で、ベンチの上に置く。今すっかり相手
のペースに嵌っているように見えながらその実、藍華にも考えはある。りおんが捕らわれて
いる場所の手がかりを得るために…先ず相手の正体を掴まなければ。ビスチェを持ち去る
犯人の車に何とかして潜り込まなければ…。お節介で細かな指図の脅迫文には、ビスチェを
置き次第ベンチを離れ、会社へ戻って連絡を待て、とある。が、毛頭それに従うつもりは
ない。公園を出るふりしながら、視界の利かない木立ちに入った時素早く植え込みの中に身を
隠す。そのまま、さっきのベンチ近くまで戻り、息を潜めて屈んでいると案の定、近づいて
くる1台の車があり、ベンチの前で停まる。降りてきた二つの人影、公園の淡い水銀灯に
浮かび上がったもの、それは…必死にその可能性を打ち消そうとする藍華の心など露知らず、
紛れもない姿を彼女の眼前に見せ付ける…他ならぬ、黒デルモたちなのであった。
(続きマス↓)

77:超初心者
03/04/04 23:24 P0TUFXzM
愕然とする藍華。司令との間であれだけの闘いを繰り広げ、言葉交わす以上に深く
分かり合えたと思ったのに…。いや、細かいことを言えばビスチェを車内に携行したのは
自分がいけない。だが、この重大犯罪によもやデルモが関わっているとは…信じられない、
信じたくもない。それでも、目前の光景はまさに現実である。やり場のない怒りが体内に
充満していくのを覚える。それは裏切られた、というより情けない、といった思い。
仮に、司令や副官自身に二心なしとしても、これは明らかに組織立った犯行である。
となれば司令自身が、組織を充分に掌握していないことを意味する、いわば社長失格に
等しいもの。司令や副官を恨むつもりはない、それどころか今もって二人を信じる気持ちすら
ある。それだけに無性に悲しい藍華。こうなったら犯罪の黒幕を突き止めずにはいられない、
と意を決し、茂みに潜む彼女はぐっと拳を握り締める。ここであの二人を倒すのは容易で
ある。しかし、はやる気持ちをぐっと抑える藍華は、当初計画どおり進めるのが肝要と、
道路の反対側からそっと車に近づき、持っていたピンで素早く後部トランク・ロックを開け
潜り込む。さすが特A級サルベイジャーといったところだが、彼女の名誉の為に付言すれば
こんなことは余程のことがなければしないもの、今こそがその「余程」なのである。僅かな
秒の間に乗り込んだ女がいるなど思いもよらず、悠然と車に戻ってきた黒デルモの二人。
ドアを閉めると、何の疑いもなくすぐに発進させている。少し飛ばし気味の運転ながら
屈託なく交わす二人の会話が、トランクに潜む藍華の耳元に伝わってくる。
(続きマス^^↓)

78:超初心者
03/04/04 23:26 P0TUFXzM
「ホント、簡単だったねー」「うん。これで作戦は成功だね」作戦、という言葉にぴくっと
反応する藍華。益々もって組織犯罪のにおいが漂う。それはデルモたちが主体的に関わって
いることなのか、それともどこか政府機関の命を受けているのか…気にならない訳がない。
やきもきする彼女の胸中を逆撫でする如く、すこぶるノー天気な会話が続く。「帰ったら、
シャワーを浴びて冷たいビールでもきゅーっと♪」「あ、いいねいいねえ~」藍華には一々
癪にさわる内容であるが、今はぐっと我慢の二文字。それからも、おしゃべりな二人の
やりとりは延々続き、決して愉快でない時間を付き合わされるが、藍華としてもふと脳裏に
浮かぶ考えがある。この黒デルモたちには、かつて藍華を襲った時のような大掛かりな任務が
与えられていないのではないか。りおんを誘拐したことは重大事だが、その先が見えない。
或いは、任務の全貌を知らされていない…?こんなお気楽な話ばかりに耽る二人に聞き耳を
たてていると、そんな気がしてくるもの。勿論だからといって、これらの行いを看過出来る
ものではない、このデルモたちには相応の報いを受けてもらうから、と藍華の体内は引き続き
メラメラと燃え盛っている。そんな凄まじい念がトランク内に渦巻いていることについぞ
気付かぬまま、黒デルモたちの視界にはやがて自分たちの勤務するビルが目に映りこみ、車は
地下へのスロープに入っていく。程なく駐車場へ到着したのが午前2時40分のことである。
(続きマス↓)

79:超初心者
03/04/04 23:27 P0TUFXzM
車を降りた二人が鼻歌混じりでエレベーター・ホールに近づいた時、不意に後ろから声が
かかる。「ビールは少しお預けよッ」「えっ…!?」驚いて振り返った黒デルモたちの
腹部には、既に繰り出されていた両の拳がまさに飛び込むところだった。
ドボウッ「あぐうッ…」ズボオッ「ふううッ…!」深くめりこませた左右の拳を引き抜けば、
目を閉じ涎垂らしながら崩折れた女二人が、藍華の眼前に力なく倒れゆく。黒デルモが持って
いたビスチェはその手を離れ、床に落ちたところをおもむろに拾い上げ身に着ける藍華。実に
やりきれない思いである。この半年、デルモたちとの闘いはなく、平穏に暮らしてきた。
こんな事さえなければ、あなたたちに手をあげるようなことはしない。かつて何度も
あなたたちを気絶させたことを、自分だって決して当然だとは思っていない。でも…。
改めてホールの案内パネルを見ると、ここは間違いなくデルモ・コーポレーションのビル。
最早疑う余地はない。彼らの中で組織だった企みが進行しているのだ。百歩譲って、司令や
副官が介在していないとしても、それなりの中心人物がいる筈。そうよ、知らなかったで
済まされるもんですか、と瞬時激高の火柱がたつが、やがて再び炎を中火程度に戻す藍華。
何より今はりおんの救出が先。彼女がこのビルのどこかに監禁されている可能性は高く、
その場所を聞き出すために、或いは立ち塞がる相手を打ち倒すためだけに、力を行使する。
決してむやみに攻めたてる訳ではないのだ、と一応、心の整理をつけている。とはいえ、
深夜もこの時間である、未だ会社に留まっているデルモたちなど、只今の藍華にとっては
グレーを通り越して文字通り限りない黒。大なり小なり必ずや犯行に荷担していると
思うもの。これが日頃の彼女であれば、更に冷静な判断として、無関係なデルモ社員の識別に
努めたであろう。が、りおんのことで頭がいっぱいの藍華にはそれすら荷が重い話なので
あった。
(続きマス↓)

80:超初心者
03/04/04 23:30 P0TUFXzM
案内パネルを見れば、このビルが地下3階、地上7階建てであること、夫々のフロアが
どういう用途に供されているかが、すぐ分かる。2時間前に先着した黒デルモたち同様、
監視カメラの視野を避けるところまでは同じだが、今や敵地潜入の心意気漲る藍華が、
エレベーターを使わず敢えて階段で向かう先は、地下2階にあるコントロール・ルーム。
保安室の機能も併せ持つであろうと直感した彼女は、先ずここを押さえ、警備モニターや
ロック関連システムの解除を狙うのである。このフロアは大半の部屋が倉庫や資材室の為、
藍華の目指す部屋は唯一洩れている明かりによって簡単に割出すことが出来る。廊下に面した
ガラス窓ごしに、こっそり中を覗き見ると目に入るのは二人の青デルモ。やや小ぶりの部屋
一面にモニターがずらりと並び、所狭しと様々な機器に囲まれている中、二人が何をしている
のかと思えば…小さなワゴンを引っ張り出し、その上で何とチェスに興じている。ここでも
藍華の脳裏をよぎるのは先ほどの黒デルモと同じ、このデルモたちが果たしてどこまで関与
しているのか、という微かな疑念である。しかし、それはすぐさま打ち消される、そんな
疑念はりおんを助け出してから考えるべきことだ、と。ここは即行動あるのみと断じれば、
次の展開は明白。ドアを開けいきなり飛び込んできた藍華に対し、二人は短い声をあげるのが
やっとだった。「えっ!?」ドスウッ「ぐッ…」ボグッ「んあっ…!」夫々の腹に拳を受け
見事に当て落とされた二人は椅子から転がり落ち、お尻を突き出す格好でうつ伏している。
倒れたはずみか、青いコスチュームは大きくめくれ、流れるような背中が女性のボディライン
を優美に示す。おまけにあのパンティである、これまた衝撃で少しずれかかっており、危うく
彼女たちの秘所が見え隠れする程。それでも藍華にとっての関心事は、倒したデルモたちの
姿態ではない、あくまでこの部屋を制した後のステップに絞られているのである。
(続きマス↓)

81:超初心者
03/04/04 23:31 P0TUFXzM
りおんがどこに監禁されているのか、先ずは集中モニターでチェックするが、その姿は
見出せない。だが必ずやこのビルのどこかにいると信じて疑わない藍華は、しらみつぶし、
徹底した捜索を決意する。ビル内のロックやセキュリティを解除し、カメラを気にすることも
なくなれば、この先は伸び伸びと活動ができるもの。デルモたちにも当然遭遇するだろう、
その時は…鍵を握りそうな者であれば、りおんの所在を厳しく問うことになる。敢えて
拷問にも近い責めを与えるかも知れない、それくらい今の藍華は切羽詰っているのである。
いわんや大多数の一般デルモたちに対しては、しばらく大人しくしていてもらう…
即ち気絶してもらう、ということである。考えてみれば至極乱暴な話だが、既に割り切った
方針を固めた今の藍華は迷うことなく実行に邁進するのみ。音をたてず、しかししなやかな
駆け足で各部屋をまわる。地下2階の他の部屋は1本の長い廊下に面しており、都合10の
部屋が向かい合って並ぶ。それら一つ一つのドアを無駄のない動きで開けていくが、全て
無人の倉庫室につき探索は容易。このフロアにはいない、と早々に結論づけることが出来る、
数分後には地下1階への階段を飛ぶように駆け登っていく藍華。
(ここでひとまず区切りマス^^;)

82:副官
03/04/05 00:33 Mb65VVcW
超初心者様、拝読しております。
ニナ・エスコ編、本丸での戦いに。
(私もささやかなネタを1つ考えておりましたが、ンなものは後回しです)

83:超初心者
03/04/05 21:36 qItpFYBF
81の続き。白デルモP、Nさんの登場デス^^;
~受難~

と、このフロアには複数人の気配がする。耳をすませば部屋の奥から話し声も聞こえてくる。
今、一つのドアの前に立つ藍華。そこには更衣室のプレートが架かっている。オート・ドアが
滑るように開き、少し広めの室内にずらり背の高い衣類ロッカーが並んでいるのが見えるが、
何人かの会話はその向う側で交わされているようである。「今日は遅くなっちゃったね、
もう疲れちゃった」「そうだねー。でも私、明日お休みもらうんだあ」
「え、マジ?いいなあ~」「前から欲しいと思ってたランジェリーがあるの。フリルのついた
レース地の素敵なデザインなのよ♪」「私も買物に行きた~い」ロッカーの端からそっと
覗くと、そこにいるのは立ち話をしている3人の黒デルモたち。3人とも例のコスチュームと
ストッキングを脱ぎ、見るも眩しい下着姿、黒のブラと大胆カットの白パンティのみ
身につけている。中でも一人はそのブラまでもとろうとするところ、仲間内につき臆面もなく
ホックを外せば形良い豊かな乳房がぷるんと盛上る。勢いよく上を向くその愛くるしい
頂きも、男性からすれば垂涎の的だろうが何分ここには女性しかいない。そして藍華に
とっては、どんな格好であろうとしばらく眠ってもらう標的でしかないのである。
いきなり3人の前へ飛び出すと、目にも留まらぬ当て身の連発―
ドスッ「う!」ズンッ「あ…ん」ボグウッ「はうッ…う」
折り重なるように倒れる黒デルモたちを眼下におき、藍華の胸中は勿論複雑だが、ここで
ぐずぐずしている暇もない。奥のロッカーへ進むと、更に2人を発見し一気に飛び掛る。
先に倒された3人の物音は聞こえていなかったのだろう、長時間残業から解放され、下着姿で
くつろぎの会話を楽しんでいた女たちは、瞬く間に藍華の拳の餌食となり、突き込まれた腹部
を支点に身体を「く」の字に曲げながら気絶していった。
(続きマス↓)

84:超初心者
03/04/05 21:38 qItpFYBF
更衣室の奥はシャワー・ルームに違いない、こんな時間でも水音が聞こえてくる。
曇りガラスの引き戸を僅かに開けて中を覗うと、そこは広めの脱衣スペースとその先に
10ヶ所のシャワー・ブース。一人がシャワーを終えたところだったのだろう、濡れた髪を
拭いているタオルの下は目を剥くほどに美しい全裸である。まさに水も滴る美女であろうに、
そこへ突進する藍華の行為は無粋以外の何物でもない。が、そんなことは重々承知、少し下を
向き頭からタオルを被っている女の露出した臍の上へ、一閃の拳が矢のように飛び込むので
ある。ドズウッ「あうッ…!」タオルに視界を遮られていた彼女は、突然自分の意識が
中断される理由など知り得ようもない。一日の疲れを洗い流しさっぱりした気分に
浸っていた女。無垢な裸身を晒し、格闘などとは全く無縁なまま、ただ純朴に佇んでいた女。
その彼女を一方的に襲い気絶させるなど、通常であれば暴虐・理不尽の極致である。
デルモたちの組織犯行だ、との思い込みが時々刻々増幅している藍華の根本的な勘違い。
りおん救出を最優先にする以上、気絶くらいはしてもらうわ…全く手前勝手な理屈、若干
後味の悪さは感じつつも、あとになって平身低頭、幾重にも頭を下げることになろうとまでは
想定していないのである。倒れ込もうとする女を抱き止め、静かに床へ横たえるのも
シャワー中のデルモたちに気づかれない為。傍らの脱衣かごにピンクの制服がきちんと
畳まれ、可愛らしいお揃いの帽子と共に収まっているのも、この際気にとめる対象ではない。
倒した女をもう少しよく観察すれば、あの犬吠島で、メタルの触手によって昏倒させたピンク
デルモであることに気づいたであろう。その瞬間の彼女にまだ僅かな意識が宿り、後で
駆けつけた司令にすがりながら気絶したことまでは知り得ないにしても。それより
注目するのはあと二つのかごに1着ずつ入っている白と青の制服。ということは今、
隣り合わせのシャワー・ブースを使用している二人のうち一人は幹部の白デルモである
ということである、早速りおんの消息を掴むチャンスが巡ってきた、と意気込む藍華。
(続きマス↓)

85:超初心者
03/04/05 21:39 qItpFYBF
10基あるシャワー・ブースも仕切りや扉は全て曇りガラス、その向うにうごめく姿は勿論
茫洋としているが、それでも二人が抜群のスタイルの持ち主であることは容易にわかる。
艶めかしく身体くねらせ入念に自分たちの美を磨いているのか、すぐに出てくる気配はなく、
時折隣同士で軽く声を掛け合っているようでもある。くだんのスモークガラスに加え、
勢いよく降りかかるシャワーの水音のせいもあり、脱衣スペースのピンクデルモが倒された
ことなどまるで気づいていない様子。藍華は寸時立ち止まり、やや離れたところから二人の
会話をチェックしようと考える。
「…この前の件、うまくいきました。向うは抵抗してましたが最後はこちらのペースでした。
ミス・ポーラのお蔭です」「良くやった。あれを押さえたのは大きいわ…」
ポーラと呼ばれた方が白デルモなのであろう、左側のブースに入っているその女は長い黒髪に
褐色の肌であることがわかる。この断片の会話も藍華の疑念を加速させる、抵抗していたもの
を押さえた、という表現だけで、今の藍華には充分な状況証拠。その発言に続いてポーラが
内心悦に入り、胸に抱く思いなどは知る由もない。
(今更社内教育など生ぬるいのでは…というセールストークが効いたのよね。人材は
なんてったって即戦力のあるデルモ派遣社員が一番なのよ…)白デルモは、自分が担務する
人材派遣事業の順調な成長に満足している。隣のブースにいる青デルモはそんな彼女の
優秀な右腕だった。このたび某社から大きな新規契約を獲得した青デルモのことを勿論高く
評価するが、性格的に鋭いツッコミがお好みの彼女、自分のナイスバディにうっとり目を
落としながら、口に出るのは常に低くしゃくり上げるようなセリフである。
「次に仕掛ける相手はわかっているな…?」「はい…うッ…」「…?」いつもきびきびとした
返事を返す部下が、途中でくぐもった声を出すのを少しだけ不審に思う白デルモ。まさか、
シャワーを浴びながら一人で悶えてるんじゃないでしょうね、と突拍子もない想像を巡らすが
そのまま相手が沈黙しているのはどうにも気にかかる。「どうした、の…?」いつもの
批判調はなりを潜め、明らかに不安そうな問いがこぼれる。
(続きマス↓)

86:超初心者
03/04/05 21:50 qItpFYBF
洗っている自分の身体から目を移せば、曇りガラスのためはっきりとは分からないものの、
隣の部下の横にもう一つの人影が見える。誰かが報告なり伝言なりを彼女にしているの
だろうか、いや、それにしてもシャワー中に話し掛ける程の緊急なのか、第一いま自分と
話をしているところではないか…その人物が赤っぽい服を着ているのを、湯気に曇る中で
てっきりピンクデルモと間違えた白デルモは、けしからんとばかり叱責の言葉を放とうと
扉を開ける、がその瞬間。ドズッ「ぐふッ…」濡れた身体に突然の衝撃、臍の真上から
背中まで貫通すると思えるほど強烈な激痛が走る。しかし、巧みに調節されていたのだろう、
その一撃は気絶の間際まで彼女をぐいぐい引っ張ってきておきながら、寸前で踏み止まらせる
のである。その分、女の腹部に内在する苦しみは暴風の如く荒れ狂い、白デルモは涎を
垂らしながら腹に手を当てうずくまる。「うううぅぅ…」あまりの辛苦に溢れ出す大粒の涙。
最早まとまった思考は紡げない、ただフラッシュバックのように浮かぶのは自分の腹部に
突き込まれた腕と、その女が真紅のスーツを着ていたこと。相手の顔を見上げる時間も余裕も
与えられてはいなかった。怒涛のように押し寄せる痛覚の高波に、彼女は脱衣スペースの
床の上で、絶え間ない呻き声と共にもがき、のたうちまわっている。何故、何が一体
どうなっているのか…悶絶の合間に疑問が浮かんだところで答えなど出るものでもない。
徐々に意識朦朧へと陥るポーラの耳元に、まるで遠くから呼びかけるかのような声が
聞こえてくる。「りおんはどこ?答えなさい…」
(続きマス^^↓)

87:超初心者
03/04/05 21:52 qItpFYBF
答えるも何も、今、肉体の支障によって満足に言葉発せられないのは、平素シリアスな評論で
鳴らす彼女自身、屈辱的な程もどかしいもの。体内激流の如く渦巻く苦しみに翻弄され、
か細く開ける目も虚空を泳ぐのみである。それでも脳内に生起する思念だけは時折ぽつりと
思い出したように、断片的なイメージを形作る。息が詰まる程に苦しい、このまま私は
どうなるの、何故、誰なの、どうして私にこんなこと…
一しきり自らの苦境を嘆き、次いで浮かび上がるのは、この非情な現実から逃避しようとする
束の間の夢。ああ、こんなことならレジーナの店で最高級のフランス料理でもご馳走になって
おくんだった、彼女と一緒にコートダジュールのバカンスを思いっきり楽しむんだった…
まるでこの世の名残とばかり脳裏に浮かぶ。レジーナとはポーラの同僚、同じ白デルモ階級
の女である。デルモ・コーポレーションで5つある事業本部のうちレストラン事業を
任されている彼女は、その外見もフランス人形のように透き通った美しい女だった。いつも
おっとりした性格で、クールな感じのポーラとは対極にありそうだが、却って違う者同士馬が
合うということか、二人は大の仲良しである。勿論行動パターンは違う、仕事も遊びも
オシャレに決める主義のレジーナは残業など滅多にしない。お客様に最高のクオリティを
提供しようと思えば先ず自分が最高の楽しみを知らなければ、と暇さえ見つけてはグルメや
リゾートに入れ込んでいる。また、自らが経営するフランス料理店も早や3つ星クラスと
噂される超人気店、当然、今晩も定時に退社して自分の店に顔を出し、常連客に愛想を
振りまく日課をこなしているのだろう。その後有名人のパーティに出向き、顧客獲得を
兼ねてカクテル片手の優雅な会話としゃれこむのもレジーナお決まりのパターン。
と言っても、あまり遅くならずに帰宅し、翌日の仕事に備えて早寝するあたりは至って
健康的、今頃は美食三昧満腹のまま高いびきで眠っているに違いない。それに引きかえ
自分は…何という受難に直面しているのか。「…ふうう…んうぅぅぅ…」仰向けに
倒れたまま、ただ為すすべなく呻き続けるしかない悲運の白デルモ。
(続きマス↓)

88:超初心者
03/04/05 21:54 qItpFYBF
「もう一度聞くわ、りおんをどこにやったの…?」今度の声は真上から聞こえてくる。
いつの間にか白デルモはスーツの女に、のし掛かられていた。既に大半の力失われ、全くの
無抵抗に近い女。その下腹部まわりにどっかりと腰をおろし自分を見おろしている顔…
激苦の中でも懸命に目を見開けば、漸くに焦点が定まってくる。そこからは早い、
彼女にとっても忘れられない顔である。「お、おまえは…藍華…!」不意の攻撃に対し
当然の反応と思えるこの一言も、今の藍華にはまるで気に入らない返事だった。
ドスウッ「あうッ…うぅ」女の鳩尾と臍の間あたりか、突き入れた拳をそのままえぐるように
押し付けている。「質問に答えなさい、りおんはどこなのッ…!?」これもまた、
気絶すれすれで留めおく絶妙の当て身である。最早、自由意志の殆どを剥ぎ取られ、無意識の
うちに言葉を紡ぎだす白デルモ。「…う…うぅ…し、知ら…な…い…」ここで微かな意識が
深層に残っていたとしよう、りおんという女が藍華の側にいたあのメガネ娘ということまでは
思い至るかもしれない。が、その女がどこにいるかなどと…自律の意思があろうが
無かろうが、知らないものは知らない、としか言いようがない。一方で藍華が、まだ不十分な
責めと判断するあたり、白デルモの不幸が一つ付け加わる。相手の腹にめりこませている拳を
藍華は、ぐいと捻じるのである。「うぐあッ!…ああうう…」「さ、言いなさい…!」
だが何度聞いたところで女の答えは同じだった。そして、満足出来る答えを引き出せなかった
藍華が次にとる手段も明確そのもの。一旦拳を引き抜くその直後。満を持す剛速の突きが
白デルモの臍へ飛び込んでいく。ズボオオッ!「はぐううぅぅッ…!」瞬間、痙攣が走った
かのように四肢が震えるが、すぐに動かなくなる。実に哀れな気絶だが、それまでいつ
終えるともなく襲い続けていた苦痛からはさすがに解放され、静かに横たわる褐色の裸身と
美しくも苦悶に歪む寝顔だけが今、彼女の存在全てを代弁するのである。
(続きマス↓)

89:超初心者
03/04/05 21:55 qItpFYBF
均整のとれた全身を引き立たせる、肉感的な褐色の肌。色合いもさることながら、端正で
エキゾチックな顔かたち。それが両の目尻からとうとうと流れ出る涙や、半開きと
なったままの口元から涎が垂れ放題となれば、ある種の美的アンバランスと共に一層の憐憫を
誘うものである。それでも、眼下に倒れている女の腹部から拳引き抜き、ゆっくりと
立ち上がる藍華は無理に繕うような、毅然とした表情のまま。相変わらず、りおん救出を
旗印として掲げた厳格な信念の下、私情一切を挟まず着々と目的貫徹を目指しているように
見える。けれどもその内心、奥の方のそのまた片隅にほんの小さな、染みのような点が
付着していることに気付く藍華。いつの間に付いたのかミッション遂行には邪魔なだけと、
拭い去ろうとするがそれは決して消えることがない。これこそが人間として本質的に
持ち合わせているもの、良心というものだ、ということくらい、藍華にもわかる。見かけは
小さくとも、彼女の全身にずしりと課される大きな十字架。この宿命を抱えたまま強引に
突き進む藍華が、最終局面でどのような情景を目の当たりにするのか。残念ながら今そこまで
は知り得ようもない。
シャワー・ブースのところへ戻り扉を開けると、先ほど倒した青デルモが壁沿いに崩折れ、
床面に尻もちをつく格好で気絶している。足を大きく投げ出し、顔を俯けている女に無情の
水流を降り注いでいるシャワーノズル。藍華はハンドルを回し、シャワーを止める。ここで
改めて部屋一帯を見渡せば、まさに産まれたままの崇高な裸身を晒す女が3名。決して好奇の
目で見るべきものではないだろう、白・青・ピンクと夫々階級は違うが着衣を全て
脱ぎ去れば、何れも秀麗なる女性の華美が競い並ぶのである。この時点の藍華が如何に
デルモたちを犯罪者扱いしていようとやはり後ろめたさが残るのは、裸女たちの放つ神格にも
等しい清廉な輝きが藍華の頑なな心をも洗い清めるからなのか。部屋の隅に積んであった
バスタオルを3人の下肢にそっとかけてやるのも、それこそ藍華無意識の所為なのであった。
(続きマス↓)

90:超初心者
03/04/05 21:57 qItpFYBF
その後再び更衣室を通り、廊下へ戻る。あのアメニティスペースが大きいせいか、地下1階は
全体に部屋数が少ない。あと3つあるドアのうち2つは無人の資料室、残る1つも物音は
聞こえてこないが、プレートには救護室とある。念のためドアを開け中を覗くとそこには
パイプベッドに寝かせられた4人の黒デルモたちが並んでいた。そっと近づくと、全員目を
つぶり眠っていることがわかるが、どれも口を少し開け、僅かに苦痛に歪んだ表情を
湛えている。何度もデルモたちを倒してきた藍華には一目でわかる、この女たちは気絶して
いるのだ、と。しかし一体誰が?藍華は今回この4人に出会っていない、ということは誰か
別の者に当て落とされたということである。しかもここは彼らデルモの救護室。きっとどこか
別の場所で倒され、ここへ運ばれたのだろう、そう考えると益々デルモたちの活動が胡散臭く
思えてくる。昼間はもっともらしい会社組織に見せかけていても、夜陰に紛れて非合法な闘い
を繰り広げているのではないか、と、当初からの疑念をより強固なものにレベルアップ
させている。その時。「…う…ん…」小さく呻く一人の黒デルモの手指の先がぴくりと動く。
4人の中では比較的眠りが浅かったのだろう、それは漸く目覚めが近づきつつある徴し
だった。そのベッドの傍らに立った藍華は、しばし女の寝顔を凝視する。しかし右の手に一旦
拳を作ってからは何の躊躇もなかった、やや下からか、女の下腹部めがけ突き入れる藍華。
ドボウッ「うぐッ…!」再び深い眠りに落ちる黒デルモ。彼女にとって、自由に活動する
明るい生活は強制的に延期された。もうしばらく眠ってて頂戴…藍華の意思がここでも全てに
優先するからである。地下1階の捜索を終え、1階にあがるとそこは広々としたラウンジ。
ありがちな受付カウンターが置いてあるが、フロア全体として人の気配はない。昼間は大勢の
デルモ社員たちが、ここを通過してエレベーター・ホールへ向かうのだろう。だが、そんな
企業活動はみんな嘘だ、暗黒の企みを覆う隠れ蓑なのだ…藍華の心はまだまだ融和に
向かわない。鉄の意志をもって、2階へと駆け上がっていくと、何人かの所在が感じられ
廊下の隅で腰を屈め身構える。
(続きマス^^;↓)

91:超初心者
03/04/05 21:58 qItpFYBF
2階、それは出版・広報事業本部のフロア。もう午前3時になろうとするのに熱心な残業に
勤しんでいるのは4名のデルモたち。本部長の白デルモと、部下である3人の黒デルモで
ある。こういうメディアに携わる部門は一見派手そうに見えるが、地道な編集や
素材チェック、入稿締め切りや販売ルート開拓などなど、やる事は沢山あり中々に大変
なもの。特に今夜は、記事集稿の遅れにより締め切りとのマッチレースとなってしまった事が
こんな深夜にまでもつれ込む原因となっていた。それでもこんなことは慣れっこなのか、
ディスプレーに向かう黒デルモたちは時折目をこすりながらてきぱきと編集を進めていく。
一方白デルモの方は、節目節目に原稿データの転送を受け、自分の部屋で全体イメージを
最終確認する、という役どころのようである。PC内臓のマイクとスピーカーを通じ適宜
部下との間で交わす会話も、ダレそうな雰囲気をたて直し鼓舞する名マネージャーぶりを
発揮している。「このページはいちばん後ろに回せ。それから3番のカットをセンターに」
「はい、ミス・ナターシャ」黒デルモが呼ぶ上司のファースト・ネームである。
出版・広報事業本部長、そのフルネームはナターシャ・エヌスカヤ。セミロングの黒髪の
下にきりりと備わる美人顔、胸はデルモ随一と言われる程の巨乳が実る、豊満ボディが
自慢である。更にいえば、頬にひとつあるほくろも彼女のシンボル、いや、チャームポイント
と言っていいだろう。そんな魅力満載のナターシャだが、仕事熱心な余り、つい顔つきや
言葉がきつくなりがちなのが玉に傷。
(続きマス↓)

92:超初心者
03/04/05 21:59 qItpFYBF
周囲の方も彼女を誤解しているのである。社内のデルモたちの多くはナターシャのことを
有能だけれどコワイ女と思っている。この時間まで共に働いている編集デスクの黒デルモたち
ですら、上司に抱く本音は畏怖の念が先に立つ。同格の白デルモたちの間では、さすがに
恐れられるなどということはなく、司令や副官も彼女の勤勉を高く評価する、むしろ良好な
関係にあったのだろう。が、それでも内心突き詰めていえば、あまり係わりたくないと感じる
者がいたくらいであった。そんな、彼女にとり不本意な境遇にあって一人、稀有な理解者が
いる。研究開発本部の白デルモ、あのニナ・エスコである。と言っても彼女がナターシャ
に打ち解けるまでの道は決して平坦ではない。当初は彼女もナターシャの強面に近寄りがたい
雰囲気を感じていたものである。しかしある時、ニナ・エスコは業務連絡で立ち寄った
ナターシャの部屋の片隅、本棚の上に1冊の分厚い雑誌があるのを目にとめる。近寄って
もっとはっきり見ようとすると、デスクにいたナターシャが慌てて小走りに駆けてきて、
それを恥ずかしそうに机の引き出しに仕舞い込む。どうしてですか?と聞けば、これは部下に
内緒だから、という。いつも厳しく指導する立場の自分が、こんなところを見せられない、
という訳である。あなたも、このことは秘密よ、と固く口止めされるが、そんな彼女が却って
可愛く見えてしまうニナ・エスコ、それからはナターシャの気に入りそうな雑誌を自分でも
手にとり読むようになった。ところが趣味の世界はデリケートなもの、自分で良かれと思った
アプローチが大失敗に終わることもしばしば。ナターシャの愛読誌が正確にわからないまま
当てずっぽうで差し出すと怒りの蹴りと鞭が飛ぶのである。何度か痛い目にあって、漸く
ニナ・エスコは結論に到達する、ナターシャは「花とゆめ」をこよなく愛する純粋な乙女
なのだ、ということを。ニナ・エスコに被虐嗜好があったかどうかは別として、それからの
二人は急接近。実はさっきも内線でナターシャは上階のニナ・エスコと長電話、監修作業
そっちのけで乙女チックな話題に花を咲かせていたのである。
(続きマス^^↓)

93:超初心者
03/04/05 22:03 qItpFYBF
今日はニナも遅いのね。じゃあ帰りは一緒、私んちへ来てお話しの続きをしましょう…。
受話器を置いたナターシャは、胸一杯にラブリィなファンタジーを思い描いている。その
幸せな幻想に包まれうっとりと目を閉じている時…「あうッ…!」「な、何っ…うぐッ」
「えり!どうしたのっ…きゃうッ…」突如スピーカーから流れる部下の悲鳴や呻き声に、
はっと目を開けるナターシャ。さすがに編集のトラブルでこんな声は出すまいと、弾かれる
ように席を立ち、戸口の方へ走る。ドアを開けるなり大声で呼びかける白デルモ。
「どうしたッ!?」その時の彼女は次の言葉も用意していた、何を騒いでいる、と。しかし
その前に割り込んできたものがある。視野の及ばない真横から自分の脇腹に突き入れられる
拳の閃光が一つ。ズズンッ「うッ…く」身体の中心を走る激痛に思わず身体捻じ曲げ
よろけるが、そこからはポーラの時と同じ、一気の気絶に陥るまでには至らない。この一撃で
抵抗する力は大半が失われたが、気丈なナターシャにはまだ言葉を発する余力があった。
「だ、誰…何を…するの…?」「りおんをどこに閉じ込めたの?教えなさい!」
前かがみになって呻き続けながらそれでも、まだ立ち尽くしている。押し寄せる苦痛に
溢れ出す涙がぽろぽろと床に落ちる。つい先ほどまで味わっていた甘美な思いから急転直下
苛酷な現実に向かい合いながらも、きっと目を見開けば、そこには忘れもしない藍華の姿が
ある。「お、お前は藍華!ど、どうして…うぅ…わ、私が何を…?」確かに少女雑誌ファン
だけあってポーラよりはまとまった意思表示である、藍華の方も話が早い。「ここに連れて
きた女の子がいるでしょう?今どこにいるのっ!?」胸倉を掴まれ背後の壁に押し付けられた
白デルモ。苦しい息に喘ぎながら、しかし彼女にはある程度思考を紡ぐ能力が残っていた。
眼前の女は藍華。かつては敵だったが今は互いに関わりない筈。それがこんなことをするには
何か理由がある。少なくとも自分に向けられる攻撃は勘違い以外何物でもない。りおん?
ああ、あの藍華にいつもくっついている女。それがここにいるというのか?馬鹿な!…
(続きマス↓)

94:超初心者
03/04/05 22:05 qItpFYBF
いくら怒り心頭の藍華が相手であっても、ここで身の潔白を主張すれば或いはこの苦境から
脱せられたかも知れない。身の証しをたてる材料を論理的に提示する才能もチャンスも
あったのである。しかし。彼女はほんの少し素直でなかった。常に虚勢を張る癖がついていた
ナターシャは、こんな時でも強がってしまうのである。
「…ううぅ…そ、そんなの知らないわ。し、知ってたって…教えないっ…!」
ここまでである。ドスッ「ぐうッ!…」臍の下へ深く沈む藍華の左拳。涎を垂らしながら
虚空を仰ぐ目はゆっくりと閉じられていく。壁を背にずるずると崩れ、お尻を床につけた
ところで止まる白デルモ。眩しい純白パンティが開かれた股間に覗くのは勿論のこと、
投げ出した両脚もすらりと長く伸びているが、何より上から見下ろす胸の隆起が改めて女の
優美を誇らしげに物語る。少しジェラシーを感じる藍華だが、もうこのフロアに用はない。
ただ一点、手がかりの一つもないかと、立ち入った白デルモの部屋である物を見つけている。
それは「花とゆめ」…執務机の上で開けられたページがメルヘンの世界真っ只中であることを
一瞥で分かった時、藍華の十字架は更に重くなるのである。
(今回ここまでで御座いマス^^;)

95:研究所
03/04/05 23:52 G+wLbGpg
Nは無事にお役をまっとうしたようですね。
私が適当につくり出した設定をここまでいかしていただけるとは感激です。
今度機会があったら、私的に気になる第二のキャラ「瓶底メガネちゃん」にも
活躍の機会を与えていただけると嬉しいですね(笑)

96:副官
03/04/09 01:14 v9S6cbUg
超初心者様が再開されるまで、ageるついでに。

AIKaにはシングルCDが4種類あります。
第3巻のジャケ=藍華(どこかに腰を下ろしている)とりおん
第4巻のジャケ=司令(やはり腰を下ろしている)とビアンカ

その第4巻ですが、司令の生脚が「1本多い」様に見え、
以前から「変な構図だ」と思っていました。
それが最近、次のことに気が付きました。
①第3巻と第4巻のジャケを並べると1つの絵になる。
②「1本多い」のは実は藍華の生脚で、藍華と司令は何と脚を絡ませ合っている!!

二人とも、シレッとした表情で目線をこちらに向けており、
その陰で「脚を絡ませている」ことなど感じさせません。
ウ~ム、何と艶かしい関係。
第4巻の裏ジャケは司令(何故かゴールデン・デルモ服姿)と藍華が並んで歩いています。
二人は今にも手を繋がんばかりに接近しています。これも怪しい。

第5話=藍華を生きたまま拉致せよ。
第6話=藍華のデータを収集せよ。
この「一風変わった」作戦の立案・指示者は他ならぬ司令です。
司令は藍華に特別な感情を抱いており、作戦を口実にして藍華のことを・・・
だって、ホラ、司令もつい口を滑らしているではないですか。

第6話冒頭作戦会議
副官「司令!そんなのイヤーッ!!目標と“接触する”なんて」
司令「あの女をこの手で抱きたいのです」
・・・ん?チョッと違ったかな?


97:副官
03/04/09 01:36 v9S6cbUg
まったくの初心者様
あれからDVD初回版をご入手されましたでしょうか?

さて先ほど、ヤフオクでAIKaDVD初回版が高額落札されました。
私はヤフオク「AIKaDVD初回版落札価格」を1年前から記録していますが、
その1年間での最高価格でした。
全巻未開封品ということで、確かにレア物ですが、それにしても凄い。
しかしこの落札者はファンの鏡です(ナジカのDVDも落札していますネ)

第1巻~第3巻未開封品
URLリンク(page4.auctions.yahoo.co.jp)


98:研究所
03/04/09 11:17 ivr4htIO
AIKaDVDって、確か通常版は一つ6000円だったはずだから、普通に
映像が欲しいだけなら×3で18000円ですむところを...28000円とは!!
ビデオ版しか持っていない私のようなセコいファンには想像もつかない
世界です....これはもう一種の「投資」ですね。この落札者は「未開封」の封を切る事ができるのでしょうか?

99:風の谷の名無しさん
03/04/09 20:58 6CcPKpNb
西島克彦監督&スタジオファンタジアの新作情報っす。
題名【ランジェリーズ】
原作【ミンク】
販売【グリーンバニー】
いわゆるエロゲーネタのエロアニメっすね。作画監督は山田正樹ってことでどうなることやら・・・
因みにソースはグリバニの宣伝チラシより、です。

100:風の谷の名無しさん
03/04/11 15:21 KghnIvIr
まだまだAIKaでオナーニしてますyo
ぱんちゅ最高!!白はいいよなぁ~
縦筋も入ってるからなぁハァハァ              


age teokoukashira




101:まったくの初心者
03/04/11 20:47 R8jB5ybe
どうもです
小説楽しませてもらってます
初回版なんですが秋葉で2巻のみ新品でゲットしました

実は私、本放送を生で見ていた人間なんですよ
東と原でしたか・・・番組名があと少しで出てこない w
金銭的に余裕が出てきたから買う事にしたんです
内容はそこそこ覚えているんですが97で教えてくださったヤフオクの件でいまだ未開封です w
通常版もそろえることにしました
では


102:風の谷の名無しさん
03/04/11 21:02 jy0A0cDD
主人公の巣米良気アイカより、デルモの方がスキです、はい。

103:研究所
03/04/11 22:36 EcYKfwb6
いいタイトルですね~「ランジェリーズ」(笑)
もとのゲームは知りませんが、このスタッフなら期待できそう。

104:研究所
03/04/11 23:33 Loo3DduP
102の名無しさん
私も「デルモ」派ですね。好きな順番から言えば、
白デルモ>青デルモ>黒デルモ>藍華>リオン>黄デルモ>桃デルモ
といった感じです。



105:超初心者
03/04/12 12:08 lZ56zk54
94の続きデス^^もう、支離滅裂になって参りました^^;;;
~オルタネート・メタル~

そのころ、張本人であるニナ・エスコが何をしていたかといえば…際限なく長くなりそう
だったナターシャとの電話をうまくきりあげた後、4人の黒デルモたちと共に、ビスチェの
到着をひたすら待ち続けている。確かに今度の事のような重要案件がなければ、まだ彼女と
長電話の最中だったろう、花ゆめ派の契りの深さは知るひとぞ知る。しかし2時間ほど前、
公園を出る時点で電話をよこした部下から、ビスチェ入手の報告を受けているニナ・エスコ。
今や時間的にはもうそろそろか、いや少し遅いくらいである。心配顔の黒デルモが堪らず、
迎えにいってきましょうか、と申し出るが、大丈夫、もう少しすれば必ず戻ってきます、
と落ち着かせるのは上司の努め。それからしばらく経ったであろうか、押し黙った重苦しい
時間は、勢いよく開けられるドアの音で破られる。戸口に背を向けていた黒デルモたちが、
はっと振り向くとそこにいたのは…。
「あッ!」ただ驚きの一言しか発せない黒デルモたちに比し、白デルモの方は黙って、ドアの
前に佇む女を見据えていた。「あなたたち、りおんをどこへやったの、返しなさい!」
相変わらず怒りの炎燃え盛る藍華が、迫力の視線で女たちを睨んでいる。気おされる
デルモたちの中から一人、一歩前へ出て、静かに語りだすニナ・エスコ。「ミス藍華。
あなたが来るかも知れない、と思っていました…」「ということは、心当たりがあるのね、
りおんのこと…」漸く手がかりを掴んだと思う藍華、ドアから一歩二歩、前へ進む。と、
黒デルモたちは一旦前へ出たニナ・エスコの面子など構わず、白デルモを守るように
後ずさる。上司の身を案ずる部下としては当然の対応である。
(続きマス↓)

106:超初心者
03/04/12 12:13 lZ56zk54
「ええ…。あの人は無事ですし、ちゃんとお返しします。ですから、あなたのそのビスチェを
ちょっとの間、貸して欲しいの…」白デルモがそこまで言った時、藍華のボルテージが一段
上がる。「ふざけないで!こんな重大な罪を犯しておいてよくそんなことが言えるわね。
どうしてこんな事をするの…!?」ナターシャのいた2階を押さえてからこの5階に上がって
くるまで、りおんの姿求めてくまなく探し続けてきた。途中3階4階にいた黒デルモたち
5人を気絶させたが、毛頭それで済む話ではない。眼前の白デルモが犯行を認めたとならば、
早々にもりおんを取り戻し、この悪だくらみの全貌を問い質す必要があった。ただこれは
あくまで藍華の視点である。翻って倒された黒デルモたちの立場で見ればとんでもない
濡れ衣の極致。遅くまで真面目に働きクタクタだった彼女たちの前に忽然と姿現した藍華が、
それこそ問答無用に拳を、エルボーを、キックを放つ。こんな深夜のこと、それぞれ大きな
部屋に一人きりで残業していた女たちばかり、それがいきなり飛び込んできた烈火の攻撃を
無防備な身体に受けたのである。「ううッ」…「おおうっ…」…「んぐッ!」…「えうぅッ」
…ひとたまりもなく昏倒気絶していく黒デルモたち。その中には慌てて柱にある警報スイッチ
を押す者もいたが、システムは既に解除されており当然作動などする訳がない。藍華の顔を
覚えているだけ余計パニックに陥っている黒デルモ。そんな哀れな女に力を振るうという
のも、傍目から見れば如何なものかと思うは自然。どちらが犯罪者か知れたものではない。
(続きマス↓)

107:超初心者
03/04/12 12:14 lZ56zk54
そして5人目の女は、瓶底メガネを近づけていた机からふと目を上げた時、藍華が自分の
間近に迫っているのに気付き、絶望の悲鳴をあげている。「いやあ!た、助けてえっ…!」
動転している黒デルモとしては、藍華のことをオフィス強盗と勘違いしたのかも知れない。
それは藍華にとってどうでもいいこと、この場も相手を倒すことだけに専念する彼女である。
が、恐怖に引き攣るメガネ顔に向け、短い一言を添えるくらいは良かろうと考えるのは単なる
気まぐれだけとも言い切れない。「大丈夫、苦しいのは一瞬よ」ドブウッ「うぐうぅッ…!」
椅子から転げ落ち、仰向けに倒れたその場で気絶する黒デルモ。瓶底メガネが外れれば、
そこには、愛くるしくも苦悶に歪む寝顔…力なく投げ出された四肢、股間へ鋭角に食い込む
白のハイレグパンティなども、藍華にとって、もう何度となく見飽きた光景である。それでも
このたびは、その回数が増えるにつれ、胸の奥に引っ掛かる例の染みが着実に大きくなって
いく…どうにもできないジレンマに気付かされる藍華なのであった。
(続きマス^^↓)

108:超初心者
03/04/12 12:16 lZ56zk54
今、5階研究開発本部のメイン研究室内。5人のデルモたちに対峙している藍華は、少しの
間、白デルモの動向に注目している。彼女が鍵を握る者なら、こうした不慮の事態を想定して
何かの罠でも仕掛けている可能性があると思ったからである。警戒怠らない藍華へ向かい、
ニナ・エスコの方も落ち着いた口調ながらきっぱりとした返事。「理由は…言えません…」
「じゃあ…無理にでも教えてもらうしかなさそうね…」意気込みのセリフを口にしながら
如才なく室内を見渡す藍華。メインルームだけあって、かなり広い空間である。広い、という
より奥が深いという表現が正確か、ずらり並んだシステム機器群の威容は壮観。遥か最も奥の
方には、巨大な石らしいものも見える。しかし、一通りの注意を払った限り、近くに罠らしき
気配は感じられない、藍華としてはずんずん前へ歩み出る。つられて何歩か後退したデルモ
たちも、緊張の糸には限界がある。藍華が更に一歩を踏み出した時。「やああっ!」
「はあああッ…!」一斉に飛び掛る4人の黒デルモ。数の上では4対1だが結果はといえば
歴然。あの駐車場で、ハーゲン艦で、ペロロンガホテルで、白銀基地で、犬吠島で…何度も
何度も敗れている黒デルモたち、しかも現在の彼女たちは格闘の現場から半年以上も
遠ざかっているのである。まさに赤子の手をひねる、という言い方がぴったりか、藍華は
先ず飛び込んで来た女の拳を頭を下げてやり過ごすと、下から強烈なアッパーを叩き込む。
次いで二人目、三人目が同時に繰り出す膝蹴りを今度は飛び上がってかわすと、突き出した
開脚を回転させながら二人の腹部へ蹴り入れる。最後の一人が必死に放つハイキックは肘で
がっちり受け止めたあと、がら空きの鳩尾へ正拳の一撃である。ドブッ「あぐううッ!…ん」
先に気絶していった仲間の後を追うように倒れ込んでいく黒デルモ。このビルに入り込んで
初めての抵抗らしい抵抗も、数秒とかからないあっけない幕切れであった。
(続きマス↓)


109:超初心者
03/04/12 12:18 lZ56zk54
「さ、これであなただけよ。先ずりおんはどこ?」最後に倒した黒デルモのコは確か5度目の
気絶ね、と内心しっかり数えながらゆっくりと迫る藍華。都度、距離を保とうとする
白デルモ。後ずさりするその女が平静を装ったところで、顔面に表れる蒼白の相は、やはり
隠しおおせるものではなさそうである。それでも、この質問への返事は比較的素直だった。
「彼女は、このフロアの突き当たりにあるデータルームにいるわ…」それが嘘かどうかは
すぐわかる。今は先に全容解明を進めようと藍華はさっきの質問を繰り返す。「何故こんな
ことをするの…?」「……」口を真一文字にしながら、それだけは何とか守り通そうとして
いるらしい白デルモに対し、藍華も瞬時考える。ここで拷問に持ち込むことは容易だが、
眼前の華奢な女はこちらが期待する答えを返す前に気絶してしまうような気がするのである。
その時ふと思い出す、この白デルモとあの白銀基地で会ったことがある、名前をニナ・エスコ
と言っていた、と。彼女を肘うちで気絶させた記憶も甦ってきた藍華は、少し質問を
変えてみることにする。
「あなたが首謀者なの…?司令や副官の命令なんじゃないの?」すると、それまで押し黙って
いた白デルモが途端に目を大きく開き、堰を切ったような多弁に転ずるのである。
「いいえ!司令や副官は関係ないわっ!これは私一人が決めたことなの。司令や副官にも
秘密のこと。それどころか、私の部下数人以外はこの会社の誰も、このことを知らないわ。
司令やみんなに黙って…でも…でも、私がやらなければいけないのよぉっ…」
(続きマス↓)

110:超初心者
03/04/12 12:20 lZ56zk54
その必死の訴えに見え透いた嘘もなさそうだと感じる藍華。司令や副官を心のどこかで
信じていた彼女としてもご同慶の展開である。しかし同時に背中がヒヤリとするのを覚える。
だとすれば、このビル内で気絶させた多くのデルモたちは無実…!?この甚だしい勘違いの
後始末をどうつけるか、一瞬くらっときたところでいや待って、そもそもの責任はこのコに
あるんでしょ、謝るにしても一緒に回ってもらわなきゃ、と早くも現実的な算段である。
とにかくも事の真相はまだ不十分、もう少し会話を続け糸口を拡げようと藍華は思う。
「もし、あなた一人の計画だというなら…それなりの覚悟は、あるんでしょうね…」
この一言の凄みは、取り繕ってきた白デルモの平静を内側から打ち崩し、全身震え上がらせる
に充分だった。言葉の随所に動揺が混じる。
「え、ええ…覚悟してる。ど、どんな責めでも負うわ…」「あなた、ニナ・エスコって名前
だったわね。あの白銀基地で、あなたも懲りたんじゃなかったの?もう一度私の当て身を
食らいたいの?今度はあんなもんじゃ済まされないわよ…」「わ、私をどうするの…!?」
「そうねえ…もう二度とこんなこと思いつかないように厳しいお仕置きをしてあげる…」
「お、お仕置き…!?」○×△□…ここで藍華が並べる言葉は、とても原語で表現するなど
憚られる、ニナ・エスコの弱みを完膚なきまでに押さえる代物。だから、と藍華は続ける、
そんな風になりたくなかったら、この企みの目的や狙いを話しなさい、と。
(まだ続きマス^^;↓)

111:超初心者
03/04/12 12:21 lZ56zk54
「それは…言えない…どうしても…」女の足元はがくがくと震えているが、これから自分に
降り懸る責めをいよいよの覚悟で待ち受けるつもりか、返事にも頑とした姿勢が貫かれて
いる。ホント余程の秘密をしまい込んでいるのね、と思いながら詰め寄っていく藍華。
先ほどから後退に後退を続けていた白デルモも、ある時ドン、と背中が突き当たる。
いつの間にかあの巨大な隕石を背にしているのである。これ以上後ろがない女に対し、藍華は
もう一歩を進め、ゆっくりと、しかし引導を渡すように重い言葉を投げていく。
「これが最後よ。どうしてこんなことをしたの…?」藍華としては、もしこれでも返答がない
場合、ナターシャやポーラに行ったのと同じ責めを与え、多少の片鱗なりと聞き出すつもり
だった。○×△□…などとは言ったものの、あれは単なる脅し文句。今回も例の一撃から
入ろうと、右手にゆっくりと拳を作っていく。「あ…あぁ…」隕石に張り付くように直立
しながら、藍華の挙動をただ呆然と見守るニナ・エスコ。小刻みな震えは全身にまわり、
色を失った顔は、びっしょり噴出す汗だけでなく既に両の目尻からこぼれる涙の洪水に
のまれていた。「答えないの…ね…」最終確認と共に右腕をきりりと後ろへ引き絞る。
あとは狙い定めた部位へ突き入れるだけ…どうしてこんな馬鹿なことをしたの、と今でも
心の中で念じながら、いよいよの動作に入りゆくところ。時間にして、そう、コンマ5秒後
にはあの特製の責めが開始されるのである。右腕に貯めた力が一気に開放され、拳の先端が
唸りをあげて白デルモの腹部めがけ発射される間際。ついに。これも、ついに堪えきれなく
なったのか。ただ震えるだけで済まされぬ精神の臨界を越えたのか。作為など微塵も無い、
ただ身体が命ずるままに。魂が最後の一滴まで絞り出されるように…まさに秒の流れを超えて
発せられる悲鳴がある。「い、いやあああぁぁぁっ…!!」
(続きマス↓)

112:超初心者
03/04/12 12:23 lZ56zk54
泣き叫ぶくらいなら、こんな大それたこと最初から手を染めるんじゃないわ、と藍華は思って
いる。今までもそうだったように、私はあなたたちを傷つけはしない。でも、いい加減
反省して。これはいわば愛の拳なのよ…刹那の心境にしては気がきいていそうだが、まだ
この時点で自分の過ちと反省に触れられていないのが知らぬが仏というものである。
だが、ひそかにご満悦のこの想念も、標的到達のコンマ1秒前で驚愕の中断を余儀なくされる
とは思わない。驚愕…いや、超自然という方がふさわしいのか。何故なら藍華自身、この瞬間
への対応を、そして次なる瞬間の認識を、平素の意思に依存していない。既に藍華であって
藍華でない…となれば只今の事象は容易に類推できる。かつて何度となく経験したあの
プロセス。そう…あれ、である。但し。あくまで一等最初にこの場を牛耳るのは極めて陳腐な
材料に過ぎないもの。それは、音。この事象が彼女自身によって自覚される前にいち早く
具現化される要素であり…また、唐突な中断の原因となった外部の存在を想起させるものと
して…。ピシイイイイイィィン…高周波で振動する機械音、又は金属音というべきだろうか。
絶え間なく連続する音が広い研究室内の壁を細かく震わせている。これが一体どのような現象
を指し示すのか、常人が俄かに理解するのは難しい。先ず一目、間近に向かい合って立つ
藍華とニナ・エスコは共に微動だにしない直立不動に見える。極限ぎりぎりに追い詰められ
半ば失神状態の白デルモの事情はわかるが、さっきまで拳繰り出そうとしていた藍華までが
何故?一言でいえば、これは人間の裸眼で見ることそのものに無理がある。特殊被写体用
撮影機材でのみ隙間見れるその実像は、いわば分子運動にも匹敵する超高速の律動。未だ人類
の解明し得ていない神秘の営み、接触とも衝突とも交合とも異なるのか、いやそうして安易に
断ずる人智こそを嘲笑うのか…。いたずらな巨神とも違う、ただそこに凛としてあるもの、
それがオルタネート・メタル…
(続きマス↓)

113:超初心者
03/04/12 12:25 lZ56zk54
しかも下衆の視点では、メタルが伸縮自在の金属程度にしか映らない。いま変形した
触手同士、至るところで激突しているというあたりが精々の受け止め方である。いや、敢えて
その視点に特化してみよう。限りないスローモーションで一連の動きを再現すれば、まず
藍華が拳を突き入れようとしていた時、ニナ・エスコがその全てを込めた叫び声をあげた時…
白デルモ背後の隕石から無数の触手が飛び出し、藍華めがけ殺到するのが見えたであろう。
それに呼応するのが藍華のビスチェ、これまた瞬時の変貌で多くの触手を形作り、押し寄せる
側の触手を完璧にガードする形になる。隕石と藍華のちょうど中ほどの空間で両者は数限り
なくぶつかり合い、まるで測ったような均衡を生む。実際恐ろしい程のエネルギーがこの地点
に集中している筈である。ところが凝縮された高密度反応は決して暴発することなく、而して
衰えることもなく延々と火花を散らしている。ミニサイズではあるが色とりどりに光眩い円弧
を描くエネルギーの輪…これに似た光景を実は藍華もニナ・エスコも知っている、それは
ラグ爆発によって宇宙に咲いた華。ただ違うのは、望みのない破滅でなく不易の存続であると
いうこと。普遍の摂理がこの小さな空間にもしっかり息づいていることを感じさせられる
のである。それにしても。ニナ・エスコはここまでの超次元を見越して、藍華を隕石の方へ
誘ったのか。メタル同士の反応を意図していたのか。そうすることによって自分の安全が保障
されると踏んだのか。答えは全てノーである。白デルモはまさに覚悟していた。藍華の拳を
甘んじて受ける覚悟だった。藍華の気の済むまで責めを受け続け、そのあとでビスチェ拝借を
願い出るつもりだった。当初の目論見が外れ、藍華自身がデルモ・コーポレーションに
姿現した時点で最早言い逃れなど出来ない、洗いざらい自分の罪をさらけ出し、相応の償いを
したあとで許しを乞うつもりだった。自分がどうなろうとそんなことは問題でない、この
ひとつ身を犠牲にすることが藍華のめがねに適うのか、ビスチェを借り受ける要件を満たす
のか、それこそが問題だったのだから。
(続きマス^^;↓)

114:超初心者
03/04/12 12:28 lZ56zk54
しかし注目すべき点は他にもある。あくまで後になってこの場の人間に明かされる構図では
あるが。粗雑な解釈ながら先に暴露すれば、隕石の変形したメタルが必ずしもニナ・エスコの
意を受けて反応した訳でないということ。確かにあの瞬間彼女が責めを負うのを庇ったの
だろう。しかしそれは末節に過ぎない。ここで重要なことは、メタルからメタルへの濃密な
メッセージが、居合わせる人間たち全ての心を媒介としてこそ、的確に伝わるということで
ある。今、追い詰められているニナ・エスコの精神を引き続き安定状態に置かなければ効果的
でない、そのために更なる圧迫を加えようとする藍華の攻撃を妨げた、というのがありのままの
真相らしい。これは力の行使に優先するメタル自身の意志。明快な主体の発露でもある。
こうして藍華と白デルモ、共に能動の制御が及ばないところでメタルによる
コミュニケーション・モデルが構築されていく。先ほどの繰り返しだがこれは衝突という
言葉で表現するのが妥当と言い切れない。メタル自身が意義を見出す活動、それは思念の交流
を伴い、またその先にある様々な五感を発展的に追体験するもの。となれば、その過程は以前
ニナ・エスコが享受した体験に近似する。今、藍華の思念にも直接流れ込んでくるもの。
勿論その多くは彼女にとって未知なるもの、意外な情報が満載ではあろう、がメタルを介する
ことにより、決して取り乱さず整然と受け止めることが出来るのもニナ・エスコの時と同様
の展開なのである。藍華が察知する確かな存在。図らずもかつて大きな関わりをもった相手。
彼女の脳裏に浮かぶイメージとて間違えようもない、間近に感じられるのはあの、ハーゲンと
ネーナの二人なのだ…。
(しつこく続きマス^^;↓)

115:超初心者
03/04/12 12:29 lZ56zk54
これも繰り返しになるが、メタルは神の分身ではない。あくまでも地球に由来する普遍と
して存在するもの。しかも、この星の誕生から生命の隆盛に至るまで多くの事象が元素レベル
の記憶として内包されているだろうに、ここに集う人間たちの個性との共鳴が多くを占めると
いうのも面白い。一個人の重みなど悠久の歴史の中で本来僅かなシェアしか主張できない筈と
考えるのもメタルからすれば浅薄な決めつけに過ぎないのであろう。それは或る意味人間以上
に人間的な交流である。藍華はハーゲン兄妹に語りかける。今までいろいろな事があった。
大変だった。多くの危機があった。しかし、その責任を問うのではない。もし二人がここに
いるというなら、人間として何を思い何を見ようとするのか…単純でもあり味わい深くもある
問いである。二度とあのような暴挙を起こさないで、などという野暮な内容は思念ですら
持ち出すまでもないこと。対するハーゲン兄妹の答えも淡々としたものである。決して言い訳
でなく、強弁でなく。綺麗事ではない、人間誰しも持つ光と闇の両面を朴訥と語りゆく。
実際、メタルを通した伝達は人間の持つ様々な側面を余すところなく赤裸々に照らす。
オルタネートの文字通り、どちらがどう、ということもない相互の交流を何らの脚色なく
シンプルに実現する。そこでは敢えて、聞き上手、などと力を込める程の事も無い。嘘偽り
なく、という但し書きなど付言するまでもない。だからであろう、藍華の方も自分が一方的に
裁く立場でないことをより一層痛感する。更に言えば、ハーゲン博士が当初構想した地球浄化
の概念すら、藍華は一旦受け止める。どこまでも人間である彼の考え方を、同じ人間である
彼女がメタルを支点として向き合った時、自分でも驚くほど冷静に見据えることができる。
それは、ハーゲン兄妹にとっても同じ。何故メタルがあれほど藍華と相性が良かったか、
彼女の考え方がメタルを通し如何に魅力的に輝くことか。素直に羨ましいと思う。価値観の
安直な敵対や迎合ではない。ゆったりと、そして泰然と見合う互い同士なのである。
(続きマス↓)

116:超初心者
03/04/12 12:34 lZ56zk54
勿論既に明らかになっているように、今やハーゲン兄妹には地球上の生命を脅かすような野心
はない。メタルによって生命の尊厳を、共生の意味を骨の髄まで教えられた二人。彼らの根底
にあるのが地球への純粋な思いであり、その延長線上にラグの平和利用やデルモたちのエデン
を描いていると知れば、藍華としても反駁する理由はない。美女たちを囲い込むのが高邁な志
とまでは思いたくないが、大災害の回避やラグの活用という点では高く評価もされるべき
だろう。二人のここまでの変貌に際し1年以上にも及ぶメタルとのやりとりがあったこと、
その中で決して薄っぺらな強制によるものでない、自身の根源的な得心に基づき現在の彼らが
存立する、という事実に藍華は過去の確執などと対極にある、敬意のような感覚すら覚えるの
である。そうなると、次に浮上するのがニナ・エスコの位置付け。彼女は白デルモの一人と
して、メタルが放つ予兆のメッセージを夢の中で受けていた上、唯一ハーゲン兄妹の思念に
触れていた人物である。その彼女が何を感じ抱いたか、ここで藍華の前に再現という形で
示されるのも、メタル交流の変幻自在。あの時のこと…幾つかの交誼を経てハーゲン兄妹が
ニナ・エスコに打ち明けた時。以前の計画を素直に放棄した二人を彼女自らの心を持って祝福
同意した一瞬があった。それとほぼ同じ瞬間か、敬愛するハーゲン兄妹をメタルの繭から
出し、人間としての再会を果たしたいという思いが昂じていたのも当然と理解する。
(続きマス↓)

117:超初心者
03/04/12 12:36 lZ56zk54
ところが、そのためには藍華のメタルとの反応が必要だ、と告げられたニナ・エスコ。
今、藍華にもはっきりとその時の情景が浮かぶ、彼女が深い葛藤の隘路に迷い込み、悩み
苦しむさまを。藍華との決着を秘める司令の一途な思いを推し量り、自分ひとりで大きな汚点
を背負おうとしていたことを。確かに臆面も無く、ビスチェを貸してくれ、それでハーゲン
兄妹が復活できるから、などと藍華に向けて直言することは到底出来なかったろう、もし自分
がニナ・エスコの立場であっても同様である。これほど誤解材料の多い申し出もない、人間の
絆は深いと同時に脆くもある、ということである。そう、彼女は悩み、そして決断した。
たったひとり…その悲しい決意が我が事のように思えたとき、続いて藍華に押し寄せる
イメージは、反転して投影される自分自身の行為そのもの。眼前の白デルモを責め、彼女が
非力ながら懸命に封印した理由をこじ開けようとしていた自分。このビルで多くのデルモたち
を気絶させた行ない。それが完全な勘違いであったこと。その責任の一部をニナ・エスコに
転嫁しようと、うすうす思っていたこと…あれこれ思い至れば忸怩たる過程の旋律。それは
決して単調でなく平板でもないままに、来るべきアクセントの瞬間へとつながっていく。
(続きマス↓)

118:超初心者
03/04/12 12:41 lZ56zk54
「ううッ…!」全く突然に見える。腹部に激痛を覚え、思わず身体を折り曲げる藍華。
正面から向かってきたメタルが彼女の急所を直撃した訳ではない。それでもこの痛覚は
まさしく現実、夢でも幻でもない。腹に手を当てながら歪めた顔を持ち上げる藍華も、通常
ならばこの事態の意味を理解するのに困難を伴おう。が、今はメタルを介して全体の状況が
概括できる。何故自分がこのような痛みを感じるのか、何が自分の身に起きているのか、
比較的速やかに受け止めることが出来る。一言でいえば、これは藍華の潜在意識が命じた
もの。何と自分のメタルを通して、無実のデルモたちの苦しみを自らの肉体に追体験させよう
としているのである。心の隅に宿っていた呵責の膨張が遂に一線を超えたのか。仕事などでは
至って要領良い藍華も、この瞬間は自分への安易な妥協を良しとしない。どこからどう見ても
これは過ち。心をごまかすなど、この空間では何の意味もない。ここで出会ったデルモたちは、
みな模範的という程でなくとも、普通に健やかな生活を送っている者たちばかりだった。
それを殆ど問答無用で気絶させていったあの破天荒。藍華は自分を恥じる。自分が許せない。
その思いがそのまま自分の身体を被うメタルの物理的な力となって藍華の腹部を襲うのである。
(続きマス^^;↓)

119:超初心者
03/04/12 12:43 lZ56zk54
「…うぐッ…ああっ…くッ…あう!…ぐふッ…」当て身とも違う、厳密には、腹部を強く
刺激する、という表現が近いのだろう。自分の脳裏にデルモたち夫々の顔が思い浮かぶたび、
苦悶の呻き声を発し続ける藍華。それが累積20回にもなろうとすれば、如何にタフな彼女
でもとうに気絶しているところである。が、メタルの側もそのあたりの事情や背景は充分に
わかると見え、悉く寸前で加減するあたりも心憎い。今更ながらにわかる、ポーラや
ナターシャの激苦。度重なる痛撃にきりきりと身をくねらせ、尚倒れることを許されぬ過酷。
しかも、メタル同士でぶつかり合うエネルギー負担は引き続き極大なまま。まさに八方塞りの体。
悶絶の嵐に苛まれる小舟の如く今、藍華にはたどたどしく抱く思いがある。
それは償い…。自分が課す只今のお仕置きは、あくまで自身の為す最低限のけじめ。今後
彼女たちの許しが得られるまで、どのような責めでも厭わず甘受する、それこそニナ・エスコ
の心境が痛いほどわかる藍華なのであった。
(続きマス↓)

120:超初心者
03/04/12 12:55 lZ56zk54
ここまでハーゲン兄妹、ニナ・エスコ、藍華それぞれの感覚を並べてきた。では4人の交流を
現出するメタル自身はどうなのか、改めて1人称形で表わす余地がありそうである。
ニナ・エスコを含む3人の心情を描き、藍華のメタルとの再会にも充分満足するハーゲン兄妹
のメタル。片や彼らの今日的有様に同様の感慨を抱く藍華のメタル。いや、些末なレベルで
付け足せば、このビル内に入ってから、胸の肌身に接するビスチェとして藍華の行ないを
つぶさに見てきたメタルというべきか。打撃の瞬間、藍華が倒していくデルモたちの心までも
見通しているメタルという言い方がふさわしいのか。何れにしろ、誤解の連鎖が進行している
ことを早くから気付いていたメタル。それだけに、この紆余曲折も大いなる普遍に基づいて
その織糸を紐解き客観に見据えるメタルの立ち位置は、穿った見方を好む者からすれば、結構
オイシイ役どころである。
(次でひとまず区切りマス^^;↓)

121:超初心者
03/04/12 12:57 lZ56zk54
もともと人間との交わりについては藍華のケースが初めての、そして最高の成功例だった
メタル。その藍華の心が漸く長大な地平を見据え、メタルの真意に気付いた時点で、
メタル自身の意志としても機が熟したと判断するのは想像に難くない。暫時のお仕置きも
その一環だが、この場のシメは別にある。一通り藍華の責めが終わった頃合は、今まで
膨れ上がる一方だったあの心の染み、呵責の重荷が、ようやくに縮小に転じる待望の
ターニング・ポイント。更に連なる節目の到来は彼女にとってアニメと同じくらい荒唐無稽
というべきか。その中央を1本の割れ目が走ると、見る見る左右に空洞が拡大していく
巨大隕石。全体が岩石だとばかり思っていたものが実は薄い金属状の皮膜に過ぎず、それが
空洞の肥大化に反比例してどんどん面積を縮小させていく。今までたっぷり思念の奔流を
浴びてきたニナ・エスコや藍華にとって中にいるものは勿論想定の範囲内だが、改めて
直視すればやはり再度、驚異の字句を用いなければならないだろう。あの内巻きカールも
そのまま、以前どおりの容姿で現れた男。寄り添うように佇むロングヘアの美しい女。いや、
服が消滅しているのは仕方がない。それでも、コンパクトに凝縮したメタルはハーゲンの
下肢を、ネーナの胸と股間を覆う気づかいを、さり気なくまた如才なく演じているのである。
(今回ここまでで御座いマス^^;次回は何としても収束させねば…汗汗)

122:102
03/04/12 13:20 SWzLRVm0
>>104
漏れもそんな漢字です、はい。
やっぱ白デルモいいです、はい。
キスするシーンとか。

123:副官
03/04/12 18:10 cWlikjrN
超初心者様
力作を拝読させて頂いております。

ニナ・エスコを倒し、りおんを救出して収束、かと勝手に推測しておりました。
それが「オルタネート・メタルの意思」(?)とでも言うべき展開へと。

「オルタネート」は謎を秘めておきながら、本編はハーゲンの取ってつけたか如き説明で終わりました。
第1話でビスチェを見つめる藍華。ジェット機に乗り込む直前の二人の会話。
藍華の生い立ち~郷造との出会い~サルベージ以前の仕事と郷造の現役引退。
オルタネートは藍華の過去から現在へ繋がる重要な存在、と思わせる伏線ですが、
脚本は細切れに述べるだけで、根本的な説明をしていません。
AIKaで中途半端に感じるところです。
(コミックはそれなりの解釈をしていますが)

超初心者様は「オルタネートの存在」について新たな解釈をしておられる様です。
ハーゲン兄妹の始末と併せ、大いに期待しております。

124:副官
03/04/12 19:06 cWlikjrN
>>101
まったくの初心者様

>初回版なんですが秋葉で2巻のみ新品でゲットしました

おめでとうございます。
と、言いますか、大変驚きました。
第2巻・初回版が「未開封」!?
そんなものが「店頭に存在」するのですか。東京には宝の山がある・・・

未開封であることもさりながら、それが「第2巻」であることに殊更の幸運を感じます。
詳しくは研究所様のHP「私立AIKa研究所」に書かせて頂きましたが、
第2巻・初回版はその封入「ギリギリ・ピンナップ」がレア物です。
ヤフ・オクに出品される「DVD全3巻セット」では、
「3巻とも全部初回版セット」と「第2巻は通常版のセット」では落札価格が異なります。

第2巻・初回版には特に人気と価値があるのです。
コレクションとして実に幸先の良いスタートをされた訳で、正直、羨ましいです。

>内容はそこそこ覚えているんですが97で教えてくださったヤフオクの件でいまだ未開封です
>通常版もそろえることにしました

仰る通り、これはとても開封できないですネ。
改めて通常版を購入せねばなりません。
私は第2巻・初回版を2つ所有しており、そのうち1つのギリギリ・ピンナップは未開封です。
(ピンナップは天地が糊付けしてあり、中を見るには周囲のミシン目を切ります)


125:超初心者
03/04/12 21:39 lZ56zk54
>124「オルタネートの存在」について新たな解釈
  いえ、そんな大層なものでは(汗)
  私はDVDしか持ってませんので、あくまでパッと見の感想に基づく
  デッチアゲですw
  今回は前よりもっとタチの悪い長文駄文になっており、他人の迷惑
  顧みずサーバーへの負荷をかけておりますが、次回は
  強制的にでも終焉を迎えさせますので、チトご猶予を^^;
  ところで副官様、ここまでで何文字くらいになりますでしょうか?^^;;

126:副官
03/04/12 22:27 cWlikjrN
>>125

>今回は前よりもっとタチの悪い長文駄文になっており、他人の迷惑
>顧みずサーバーへの負荷をかけておりますが

「長文駄文」などと、とんでもございません。
私は、読ませて頂くことに幸せを感じております。
ですから長い文章は大歓迎であります。

>強制的にでも終焉を迎えさせますので、チトご猶予を

従いまして、そんなことを仰らずに、まだまだ続けて頂きたいものですが・・・

>ところで副官様、ここまでで何文字くらいになりますでしょうか?

と言われまして左下を見ますと「レス125で既に108KB」
アニメ板で適当に他のスレを挙げますと、これなどレスは1000近いですが、
200KB以下です。
スレリンク(anime板)l50

超初心者様の執筆量が如何に凄いものであるか、改めて感じ入ります。
有難うございます。そしてご苦労様です。


127:研究所
03/04/13 00:33 pyYKJNM4
超初心者様。
ビン底眼鏡ちゃんも出していただき、ありがとうございました(笑)
「オルタネートメタル」は次第に神の領域に到達してきたかのようで、
驚いております。完全オリジナルの後日談ですが、藍華さんの行動が
リオン救出だけであるところは本編に非常に忠実ですね。
これからもクライマックスに向けて頑張ってください。

128:ぱんちーと
03/04/13 00:43 tj2Rml2N
超初心者さん
大作をありがとうございます。
確かに長文で、読後にフーっとため息が出ますが、一度読み始めたら止まらないですね。
だから私は飲み物を用意してから読み始めます。

ところでオルタネートメタルですが、その元ネタは「アストロガンガー」と同じ“生きている金属”であると思います。
「パーフェクトファイルB」のP49によれば初期設定では、オルタネートメタルの原型は、
藍華の体内にいる「粘液状の新生物」とのことです。
また、TRIAL 2 の絵コンテでは、オルタネートメタルを“クロタロス・セラステス”と呼んでいます。
なんとなくリンネ式二名法風でこの時点でも生物という設定を引きずっているようですね。
藍華さんが口からこの粘液状の新生物を吐き出している絵を見て、私はこの元ネタは桑田次郎の「キングロボ」であると思っています。
「キングロボ」はガス状の宇宙生物が巨大ロボットの中に入り込みこれを操るというSFヒーローものです。
このガス状の宇宙生物は普段は人間の男性だかアンドロイドだかの中にいてまさかのときにキングロボの中に入って闘うのですが、
その男性(アンドロイド)の口から吐き出されるところが、「パーフェクトファイルB」のP49の
口から粘液状の新生物を吐き出す藍華さんを彷彿させます。
苦悶の表情なども似ていて「AIKa」のスタッフはこれにインスパイアされているのではないかと思われます。


129:副官
03/04/13 01:32 rTftFUnY
>>128

>だから私は飲み物を用意してから読み始めます。

ぱんちーと様は「ビールをキューと」でしょうか?
私はアルコールを嗜みませんので、コーヒーをPCの前に置き、です。

>藍華さんが口からこの粘液状の新生物を吐き出している絵を見て、
>私はこの元ネタは桑田次郎の「キングロボ」であると思っています。

ぱんちーと様のこの文を拝見し、私も一つ思い当たりました。
それは同じく桑田次郎の「デス・ハンター」です。
(週刊「ぼくらマガジン」昭和44~45年掲載。原作・平井和正「精霊狩り」)

「デス」とは宇宙から飛来した粘液上生命体で、デスに寄生された者は外見は普通ですが、
不死身・超強力(素手でコンクリートを破壊し、鋼鉄を切り裂く)、そして「殺人狂」となります。
「デス・ハンター」とは、デスに寄生された人物を摘発し処分する国際組織です。
両者、当然壮絶凄惨な戦いを繰り広げます。

この「寄生された者が凶暴な超人になる」ところが、情け容赦の無いシビィエ藍華を髣髴させます。


130:ぱんちーと
03/04/14 22:15 /EDPQ0u7
>>129
>ぱんちーと様は「ビールをキューと」でしょうか?
まあ、そんなところです。でも、黒デルモが中心の話ならビールですが、
今回は白デルモが中心の話でしたから紅茶を用意しました。

>ぱんちーと様のこの文を拝見し、私も一つ思い当たりました。
>それは同じく桑田次郎の「デス・ハンター」です。

>この「寄生された者が凶暴な超人になる」ところが、
>情け容赦の無いシビィエ藍華を髣髴させます。
おおっ!なるほど!!それはいえますね。
ところで私は「バトルロワイヤル」の元ネタって「デス・ハンター」の
冒頭の死のサバイバル訓練の場面と「アウターリミッツ」の『宇宙の決闘』を
足したものではないかと思っています。


131:ぱんちーと
03/04/14 22:17 /EDPQ0u7
割り込みSS「少女趣味の道」

白デルモN「貴様、何度いったら分るんだ!私はメンフラハップを買って来いといったんだぞ!!」
ブラックリーダー「すみません。ミス・ナターシャ。メンフラハップはなかったのでサロンパスを買ってきたんです。」
白デルモN「ばかもの!これはサロンパスじゃなくてぱちもんのコリパスだろうが!!」
白デルモS「まあまあ、わたくしがとっておきのあんま膏をわけてさしあげますから…。ブラックリーダー、あなたは下がりなさい。」
ブラックリーダー「はい」
白デルモN「あんま膏って、ちゃんとはかりじるしのやつだろうな。」
白デルモS「えっええ、まあ…。それにしてもミス・ナターシャ、なんでそんなにブラックリーダーにつらく当たるのですか?」
白デルモN「わたしゃ、あいつの少女漫画のいじわる役みたいなトゲニシア面が気に入らないんだよ」
白デルモS「それは…、人のことは言えないのでは…」
白デルモN「なんかいったか(ギラッ)」
白デルモS「ああっ、そっそうでした。これどうもありがとうございました」
白デルモN「おお、『花とゆめ』読み終わったみたいだな。もう少コミなんぞによろめくんじゃないぞ」


132:ぱんちーと
03/04/14 22:18 /EDPQ0u7
(続き)
白デルモS「ええ、そりゃもう。やはり少女漫画の真髄は“純愛物”ですね」
白デルモN「なにい、少女漫画の真髄が“純愛物”だと(ギラッ)」
白デルモS「ええ、あの、その…」
白デルモN「この快楽主義者め!少女漫画の真髄は“母物”だ!!」
白デルモS「ひえぇぇぇ~、はっ“ははもの”って…」
司令「三益愛子ですか、ハンカチ三枚は泣けますね」
白デルモN「あっ、司令。黒デルモなんかつれてどちらへ?」
黒デルモ“あい”「司令さまはわたくしのコレクションをごらんになりたいと…」
司令「この子は松島トモ子ちゃんの写真集と近藤圭子ちゃんのレコードを持ってるそうです」
白デルモS「“AIKa”って時代設定が2036年かと思ったら、実は昭和36年が舞台だったのね」
黒デルモ“あい”「それから高畠華宵先生の画集もあるんですのよ。司令さまってば中将姫にそっくり」
白デルモN「へっ、ちゅーじょーひめ?」
司令「あら?ミス・ナターシャ、あなたは中将湯の中将姫はご存じない?」
白デルモN「はいっ!ラムールQなら知ってまーす」
白デルモS「どうやら昭和36年を通り越して1936年にいってしまったみたいね」

てなわけで、この古ネタSSを完全に理解できるのってマンダムの前身がチックの丹頂って知ってる副官殿だけだろうな…。


133:超初心者
03/04/15 00:13 ITuKpmEe
>この古ネタSS
  ひえええぇ、じゃなくて、ガチョオオオォォ~~ン(By谷啓)
  さ、最高っス^^

 あまりに腹を抱えて笑い転げたその後で何デスが。どなたか教えていただけません
 でしょーか、下記↓

 TakeOffPositionでの司令と副官。「ウィアー」「ローテーション」って
 言ってるように聞こえるんですがこれで合ってます?どんな意味なんでしょうか^^;

134:副官
03/04/15 00:19 475HUwHL
ぱんちーと様、お久し振りです。
お仕事一段落されたご様子。

>>131 132
「今回は、また変ったSSであるなぁ」「時代はどこまで遡る」
「さて、どんなオチかしら?」と思いつつ拝見していたら、
最後は私に振られました。(タハハ)

>この古ネタSSを完全に理解できるのって
胸張って「勿論、全部」と言っても、寧ろ恥晒しになりますか・・・
残念「コリパス」「あんま膏」「ラムールQ」が判りません。

>高畠華宵先生の画集
ぱんちーと様の蔵書として、これは如何にも相応しい。
時々、新聞の出版広告でこの画家の挿絵を目にします。
(「戦前復刻書」「懐かしの少年倶楽部」といった類)
モデルは切れ長眼の美少年達で、絣の着物・ニッカボッカズボン姿。
題名は、嗚呼玉杯に花うけて・神州天馬峡・ジャガーの眼・・・
美少年ではあるが、何故か彼らの視線はいつも上目遣い。チョッと気味が悪い。
精神的に逝った感じがする、のは私だけでしょうか?
(ここまで書いたところで「他の画家と記憶違いをしていないか」と
不安になり検索をしました。どうやら合っている様です)
“あい”は中原淳一も愛読書だったりして。


135:副官
03/04/15 00:32 475HUwHL
>>133

>ガチョオオオォォ~~ン(By谷啓)

これだって、大いに古ネタです。
「(By谷啓)」の説明付でも、そのアクションが判らない方も多いのでは?
ところでクレイジーは何人生き残っているのでしょう。
植木等、谷啓、犬塚弘の三人?(桜井センリは亡くなられた?)

>TakeOffPositionでの司令と副官。「ウィアー」「ローテーション」って
>言ってるように聞こえるんですがこれで合ってます?どんな意味なんでしょうか^^;

米国暮しをされていらしたぱんちーと様、如何でしょうか・・・


136:研究所
03/04/15 01:13 qIi7FYAX

すいません...「松島トモ子」と「サロンパス」以外のネタは全く分かりませんでした。
>ガチョオオオォォ~~ン(By谷啓)は知ってますが(笑)
さすがに「ぱんちーと様」の知識の幅は広いですね....


137:副官
03/04/15 01:40 475HUwHL
ぱんちーと様、私の>>134の文章はやや穏当を欠きました。

「ぱんちーと様の蔵書として、これは如何にも相応しい」
と書き起こし、
「チョッと気味が悪い。精神的に逝った感じがする」
で締め括ったのでは、まるでぱんちーと様にそのケがあるみたいです。

決してそんな意図はございません。
ぱんちーと様は広範囲且つ膨大なる蔵書をお持ち、とお伺いしております。
その中で「レトロの範疇を成す書物」として高畠華宵はうってつけ、と申したかったのです。


138:灰色デルモ
03/04/15 20:51 V//OW57X
わっ、久しぶりに来たらまたディープな会話が・・・
ワタシは松島トモ子と高畠華宵しか存じませぬ。
少女趣味に竹久夢二ではなくて高畠華宵をもってくるあたりさすがぱんちーと様。
(個人的にはイトウセーウが好みだったり・・・異端デスネ)
少女漫画を読み始めたSちゃんには池田理代子先生の「おにいさまへ」を
おすすめしたいです。

アイカさんは少女漫画も女性誌も読まなさそうですが「レタスクラブ」くらい
読んでるかな?Nちゃん他の購読誌を想像するのも楽しいですね。

139:ぱんちーと
03/04/16 00:23 0YToCjra
おっと、私の古ネタSSにたくさんお返事をもらいました。

>>133
超初心者さん
>TakeOffPositionでの司令と副官。「ウィアー」「ローテーション」って
>言ってるように聞こえるんですがこれで合ってます?どんな意味なんでしょうか^^;
私はいわゆる帰国子女ですが、英語はじぇんじぇんわかりましぇ~ん。

>>134
副官殿
>残念「コリパス」「あんま膏」「ラムールQ」が判りません。
「コリパス」は私も一度だけしか見たことがありません。
私がパチモンというものを知った事始めです。
“はかりじるし”の「あんま膏」は小津安二郎の「秋日和」に出てきます。
実在しているかはわかりません。
「ラムールQ」は中将湯を錠剤にしたものでまだ売っているかもしれません・

>モデルは切れ長眼の美少年達で、絣の着物・ニッカボッカズボン姿。
竹久夢二とならぶ美少女画で知られる高畠華宵に美少年で攻めてくるとは
さすがは副官殿!
この人は美少年画もよくする人でした。


140:ぱんちーと
03/04/16 00:26 0YToCjra
>>134
副官殿
>題名は、嗚呼玉杯に花うけて・神州天馬峡・ジャガーの眼・・・
ウ~ン、畏れながらこの三作のうち挿絵が高畠華宵の手になるものはありません。
「嗚呼玉杯に花うけて」は斉藤五百枝(いおえ)、「神州天馬侠」は山口将吉郎、
「豹(ジャガー)の眼」は伊藤彦造です。
「豹(ジャガー)の眼」を書いていた高垣眸(たかがきひとみ)の最後の作品は
「宇宙戦艦ヤマト」のノベライズだったとか…。

>“あい”は中原淳一も愛読書だったりして。
やはり、中原淳一ははずせませんね。
「それいゆ」のバックナンバーが揃っていたりして…。

>>136
研究所さん
>すいません...「松島トモ子」と「サロンパス」以外のネタは全く分かりませんでした。
この二つは現役ですからね。

>さすがに「ぱんちーと様」の知識の幅は広いですね....


141:ぱんちーと
03/04/16 00:27 0YToCjra
あっ、尻切れトンボになっちゃった。
>さすがに「ぱんちーと様」の知識の幅は広いですね....
広いというのか無駄に生きているというのか…。

>>137
副官殿
>ぱんちーと様、私の>>134の文章はやや穏当を欠きました。
いえいえ、滅相もない。

>「チョッと気味が悪い。精神的に逝った感じがする」
>で締め括ったのでは、まるでぱんちーと様にそのケがあるみたいです。
実はそうなんです(w。

>美少年ではあるが、何故か彼らの視線はいつも上目遣い。チョッと気味が悪い。
>精神的に逝った感じがする、のは私だけでしょうか?
伊藤彦造の美少年なんかは本当にそんな感じですね。
伊藤彦造の描く鞍馬天狗の素顔はわれらがハーゲン様そっくりです。


142:ぱんちーと
03/04/16 00:28 0YToCjra
>>138
灰色デルモさん
>ワタシは松島トモ子と高畠華宵しか存じませぬ。
高畠華宵をご存知とはさすがです。あまつさえ
>(個人的にはイトウセーウが好みだったり・・・異端デスネ)
いっ、伊藤晴雨ですと!ディープ過ぎます
この人は“縛り絵”の大家ですね。私は団鬼六が書いた伊藤晴雨の伝記を読みました。
“雪の中の縛り”を描きたいからといって、雪の降った日に自分の奥さんを縛って写真を撮った
という話が残っていますが、この雪が降った日というのが例の2.26事件の日だったとか…。


143:副官
03/04/16 01:33 p9sNsfvU
>>題名は、嗚呼玉杯に花うけて・神州天馬峡・ジャガーの眼・・・
>ウ~ン、畏れながらこの三作のうち挿絵が高畠華宵の手になるものはありません

アチャー、全部はずしました。
ぼんやりした記憶でイイカゲンなことを書くものではありません。
検索しても題名が見当たらず「ちがうかナ?」とは思ったのですが、
「まぁいいや、数撃ちゃどれか当る」とそのまま投稿しました。
天罰テキメン。知ったかぶりの化けの皮がたちどころに剥げました。

>竹久夢二とならぶ美少女画で知られる高畠華宵

彼の本領は「婦人科」でしたか。
新聞広告はいつも少年物なので「この画家、ホモか」と勝手に決めておりました。


144:副官
03/04/16 02:22 p9sNsfvU
>>138
灰色デルモ様、お久し振りです。

>少女漫画を読み始めたSちゃんには池田理代子先生の「おにいさまへ」を
>おすすめしたいです。

これも懐かしい。週刊「マーガレット」1974年の作品。
「ベルサイユの薔薇」が完結して次の連載。
ベルサイユに引き続き「おにいさまへ」も初回~最終回まで読みましたが、
結末がどうであったかを忘れてしまいました。
最近、古書店で「おにいさまへ」1巻本を100円也で購入し、
30年振りに見直しました。

あらためて驚きました。
主人公が深く拘わった女性二人。その二人が共に死んでしまう。
ハッピー・エンドではなかった、とは記憶していましたが、
こんな結末であったとは・・・


145:ぱんちーと
03/04/17 00:33 O0RAS7su
>>144
おおっ!さすがに副官殿はお詳しい。
私は、少女漫画はあまり詳しくありません。
でも、私が始めて読み通したストーリーまんがは里中満智子の「ララハート」でした。


146:副官
03/04/17 02:02 kAQR5bke
話のついでに(と言うのはウソ。本音は書きたくてしかたがない)
池田理代子さんのことをもう少し。

池田さんにサインを頂戴したことがあります。
30年以上も昔「ベルばら」の連載前、大阪のデパートでサイン会があり、
池田さんが来阪。(里中満智子さんも一緒)
私は、彼女の作品=マーガレット・コミックス「桜京」「ふたりぼっち」の
2冊を手に列に並びました。(男は私一人だったなァ)

女子中高生の間から男が少女コミックをヌッと出す(それも2冊)。
今でも覚えています。池田さんは一瞬「ギョッ」とした表情をしました。
それでも彼女は嫌がらずに、赤緑2色のサインペンを使い分け、
「薔薇の花」とサインをして下さいました(勿論2冊とも)。

彼女が「ベルばら」でブレイクするのはその後のこと。
当時池田さんの単行本は、上記の2冊だけだった?
その2冊を購入したのだから「気味は悪いがそれでも大切なファン」と思って
親切にして下さったのかも。(スミマセン、白状します。その2冊は古本購入でした)
更に私は「大学では何を専攻しておられますか?」と問いかけ、
池田さんから「専攻は○○です」と返事を頂戴しました。

あのマーガレット・コミックスはどうしたのかしら?
捨ててはいないから、今でもどこかに・・・


147:副官
03/04/17 02:07 kAQR5bke
>>145
>私は、少女漫画はあまり詳しくありません。

今の知識に加え、少女漫画にまで詳しかったら、それはもう化け物ですヨ(w

148:副官
03/04/17 02:24 kAQR5bke
>>142
>伊藤晴雨ですと!ディープ過ぎます
>この人は“縛り絵”の大家ですね。私は団鬼六が書いた伊藤晴雨の伝記を読みました。

縛り絵がテーマなら、団鬼六の得意とするところですネ。
彼は「奇譚クラブ」に「花と竜」を長く連載していましたから。
尤も今はSMではなく、まともな小説を書いています。
将棋にお詳しい灰色デルモ様ならご存知かと思いますが「真剣師 小池重明」では
自身が直接拘わった無頼のアマチュア棋士、故・小池重明を描いています。


149:研究所
03/04/17 02:36 lLEJIVI/
みなさん、「少女漫画」凄くお詳しいのですね。私も姉や妹にはさまれて
育ったので普通の人よりは詳しいつもりですが...
もしかするとちょっと世代が違うかもしれません。でも基本的に好きなのは
リアルタイムで読んだものより、いわゆる名作系が好みですので
「ガラスの仮面」とかあと「わたなべまさこ」の漫画なんかも大好きですね。
最近も古本屋でわたなべ..の「聖ロザリン」という謎の漫画を発見し衝動買い
したのですが、凄いですよこれ...
これはいわゆるレクター博士みたいな女の子がひたすら人を殺してゆく
猟奇殺人少女漫画(笑)なのですが、主人公の少女には何も罪の意識はない
し、ラストでは本当に唖然とさせられました。こんなとんでもない漫画が
いったいどこで連載されていたんでしょうか?「サスペリア」とかの
ホラー系少女誌だったら分からなくも無いですけどね...

副官さんのカキコにあった「おにいさまへ」はタイトルだけは聞いた事が
あります、今度古本屋で探してみます。(100円で買えれば良いのですが)

150:副官
03/04/17 02:49 kAQR5bke
>>149
>「聖ロザリンド」

連載当時リアルで見ていた、と記憶しています。
多分「週刊・少女フレンド」であったかと。
わたなべまさこは、一本一本の描線は美しいが全体としてはゾクッとする絵を描きます。
骸骨なんかも。
結末は・・・もう忘れましたが「因果応報」でしたか?


151:研究所
03/04/17 23:05 3P4fmm0I
いえいえ、そんな穏当な終わり方ではなくいわゆる「逃げきり」型です。
殺人鬼の少女(主人公)は「因果応報」超越して、死んだ母親と一緒に
天国へ旅立つみたいなシーンで終わりです。
ラストだけ見るとまるで「フランダースの犬」みたいです。


152:副官
03/04/17 23:45 kAQR5bke
>>151
>ラストだけ見るとまるで「フランダースの犬」みたいです。

えー、そんな結末ですか。
と言うことは、私は連載途中で離れてしまい、最終回を見ていません。
何てイイカゲンな記憶。題名も自信がなくなって来ました。
少女の名は、ロザリン「ド」で合っているでしょうか?


153:超初心者
03/04/18 00:27 eBIyRe+1
121の続きデス^^
~救いそれぞれに~

ついさっきまでの轟音が嘘のように静まり返った部屋。あれほど激突を続けていたメタル
の触手が、ひとたび依拠する人間へ戻るその引き際も見事なものである。糸を引くように、
という表現でも不十分、それこそ瞬時のうちに二人の下着へ、藍華のビスチェへと変じる
さまは、何度となく変身を経験している藍華ですら舌を巻く。とはいえ、彼女に関していえば
自ら課した責めのダメージをそれなりに引き摺っており、還元するメタルの動きを感心して
見やるだけの余裕などないのが実情か。現れたハーゲン兄妹の前に晒す藍華の表情は再びの
血色を取り戻しつつあったが、まだ苦痛による涙や涎の痕も生々しい。それでもこれは、
恥ではないと思う。先ほどのメタル交流によって、何故藍華が自身に痛みを強いたか、
ハーゲン兄妹やニナ・エスコにも重々周知のことだからである。少し足はふらつくが大丈夫、
ちゃんと相対することは出来る。それはニナ・エスコも同じようなもの。彼女も、藍華の
プレッシャーには相当参っていた。メタルの仲裁を受けて事なきを得たに等しい現状も、まだ
その有難味を自分の心に整理し収めるところまでは至っていない。立っていることは出来るが、
すぐにもあの利発を再開せよというのも酷なのであろう、やや目もまどろんでいる。
となると悠然と構える余力があるのはハーゲン兄妹だけということになるが、これも一連の
交流によって身の処し方はわきまえているのか、居丈高に言葉を急ぐ様子もなさそうである。
間近に揃う4人。ここまで主役の働きを生してきたメタルも、今は借りてきた猫のように
大人しい。お膳立てはした、ここから先は生身の人間同士、交流の効率はさぞかし
悪いだろうがそれとて一興と踏んでいるのかも知れない。
(続きマス↓)

154:超初心者
03/04/18 00:28 eBIyRe+1
「ハーゲン様、ネーナ様…」少し弱弱しくはあるが、はっきり声に出すことは出来る。
白デルモの目から止め処ない涙が溢れ出すのを暖かな視線で包み返す二人。大役果たした
ニナ・エスコへ向け小さく頷き微かな笑みを浮かべるハーゲンを、藍華も以前の彼と同一視
したりなどはしない。勿論、変わらないところもいくつかある。先ずは藍華へのセリフ。
「また会えると…思っていましたよ…」あの、もってまわった言い回しは健在ということ。
ようやく息が落ち着いてきた藍華も、あっさりした受け答えが戻る。
「ホント、久しぶりね…」彼女にとって無条件に懐かしいとは思わないが、これもメタルの
お蔭というべきか、因縁の相手であっても抵抗なく受け入れるのがこの場の自然。その自然
ついでに衣裳までもが開けっぴろげなのはご愛嬌の部類であろう、変身が解けた藍華は例に
よってビスチェ以外全くの全裸姿に転じている。以前であればさすがに下半身を露出するに
ためらい、思わずしゃがみ込んだものだが、今は平然としたもの。加えていえば、かつて
自分を棚に上げて、彼女のことを恥知らずな格好と罵倒したネーナも別人のようである。
「きれいネ。私と同じくらい…」言葉に少し棘があるのは相変わらずだが底流には優しさが
感じられる。兄との絆が成就したことによる変化もあろう、がネーナ自身がメタルによって
自己の在りようを、愛の行方を俯瞰出来たことが大きい。それは藍華の側から見ても
素直に喜べる状況である。それどころか自分の参考にすらなるかも知れないと思う、まだ
独身の身としては。そう、りおんや自分は勿論のこと、今まで多くのデルモたちが登場したが
実にその全員が処女というのも、メタル交流を通して明らかになった事実。りおんによって
ハーレム創設者の烙印を押されたハーゲン博士が実際にはデルモたち個々の人格や生き様を
尊重し、結局手をつけずじまいだったという情報も同時に伝わってきたからである。
(続きマス↓)

155:超初心者
03/04/18 00:30 eBIyRe+1
勿論ハーゲンとネーナの愛が全てではない。同性の愛、異性の愛、人間の愛、生命の愛…
夫々に育む情愛の煌きを遥かな桃源の彼方に見据える時、福与かな香りとしてこの胸に
流れ込むものがある。ゆっくりと…深呼吸する藍華。覆うもの無いこの身体を誇りに
こそ思えるひと時である。とはいえ、このままずっと裸身を通す訳にはいかない、それは
ハーゲン兄妹も同じ筈。今このビルで動ける唯一のデルモとしてニナ・エスコが二人の衣服を
調達すべく奔走するが、いつも薄い上っ張り1枚に下着姿で通すネーナはともかく、ハーゲン
に合う男物のスーツがない。またも泣き顔のニナ・エスコだが、ハーゲンの気障なセリフが
こういう時には奏効するまぐれもあるということか。
「スーツは後でいい。今はキミの愛さえあれば…」シャワールームから持ってこさせた
バスローブに身を包み、常にポーズだけでデルモたちを口説くというのも、変わり映えしない
スタイルだが、それを至高の愛と受け止め、目を潤ませて一層の忠誠と従属を誓う
ニナ・エスコもニナ・エスコ。やれやれ、と思う藍華もメタルによって取り去られた真紅の
スーツ着用を完了し、とにかくりおんを連れてくるわ、と告げる。すると、ハーゲンは、
その後でいいが、と前置きした上で、良かったら多少のこぼれ話に付き合ってくれないか、
と、ソファのあるニナ・エスコの部屋へ誘うのである。藍華は了承した。この上何を警戒する
こともない、フロア奥のデータルームでまだ気絶から覚めずに眠りこけていたりおんを
抱きかかえると、そのまま白デルモの部屋へと入る。
(続きマス↓)

156:超初心者
03/04/18 00:31 eBIyRe+1
こうしてゆっくり話すことになるというのも不思議な巡り合わせである。互いにこれまでの
経緯を軽い口調でなぞらえば、つい笑みもこぼれてくるのが不思議なもの。眼前のハーゲンを
見据えながら藍華はふと、あの寝室での事を思い出す。果たしてこの男が自分の身体を
どこまで求めていたのだろうか、と。あの時は処女喪失の危機かと覚悟していた藍華だが、
ただ大勢集めたデルモたちに囲まれただけで満足している実態が明らかになった今、あれも
ポーズに過ぎなかったのではと考えることがある。確かに性の衝動自体に無縁ということは
ないだろう。しかし彼は、ハーゲンは、一体どこに愛の帰結を望んでいたのか。ネーナや
自分が試験管ベビーであるという生い立ちが、愛情の礎となるアイデンティティ確立のうえで
辛いハンディを背負わせたことは想像できる。遺伝子という語句にまぶして専ら模索の日々を
送っていたのかも知れない、と思う。その中で憩いとしたものがあのデルモたちということ
なのだろうか。ただあの美しい姿態を眺め、答えの出ない苦渋の日々への癒しと
していたのか…。いや、詮索はこれくらいにしよう。今はネーナへの慈愛が彼そのものと
言えるほど、豊かに満たされているのだから。そこまで考えをまとめた時点で、傍らの
りおんが薄っすらと目を開ける。「…う…ん…あ?…え、えぇーッ!?」あまりの光景に
お決まりの騒ぎが勃発するのは止むを得ない、が今の藍華はなだめ役。激高して立ち上がった
数分後には曲がりなりにも席に戻るりおんである。この場にハーゲン兄妹がいることなど
普通、口頭で説明を受けても中々信じられないところだが、アニメ好きの彼女にとっては
限度を越えた飛躍になると逆に理解が早い。
「そうっか、メタルってカッコいー、アニメみたい~♪」この一言で先ずりおんへの手続き
第1段階はめでたくクリアとなる。
(続きマス^^↓)

157:超初心者
03/04/18 00:36 eBIyRe+1
多少の四方山話がひと区切りついた後、これからの計画を藍華たちに話して聞かせる
ハーゲン博士。ラグの平和利用によって地球の災害要因を取り除き、併せて月を開発すると
いう、かねてよりの構想を熱く語る彼はどこか少年のようにも見える。これがラグやメタルの
軍事利用を画策する某国などには決して明かすことない超極秘であるにも拘わらず、他ならぬ
この二人にならいいだろうと、全幅の信頼を置く博士。この雄弁も以前は単なる自己顕示欲
から来ていたが今は違う。メタル同士の厚い信任があればこそ、ここまで思い切った発言が
出来るということを彼自身も認識しているのである。聞き手の方も、これが俗人であれば
まさに狂気乱舞の垂涎情報、やれ特許だの利権だので欲深い頭の中は旧式の電卓が大爆発して
いることだろう。ところがそんなことにはまるで無縁の藍華、まあ無理をしないでね、と実に
あっさりしたものである。メタル交流で既に大枠を知り得ていたこともあり、そんな口角泡を
飛ばさなくっても、と苦笑い。
(続きマス↓)


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